0) 学習科学に関する学会が立ち上がりました!
・The International Society of the Learning Sciencesが立ち上がった
・2002/10/25 ICLS2002 Seattle, Wahington
1) 2002年夏のキーワード
1. Inquiry-based learning
2. Science skills learning
3. Sustainable community
- 学習者の学習を長期にわたって支援する
- 教師も学習者として巻き込む
2) 白水さんのまとめた学習科学のトレンド
・学習過程の理解のために
- 学習過程を実際のインタラクションの中で細かく見ていく(Micro-genesis)
・学習過程を社会的、文化的関係に埋め込まれたものとして見ていく(Interplay)
・学習過程を感情もともなうイベントだとして見ていく(Afective)
3) ICLS2002のセッション「Assesment of Complex Learning」のお話
・Organized by Naomi Miyake and James, W. Pellegrino
・このセッションの結果は、三宅先生のホームページからダウンロード可能である
・話題の中に、No child left behind (George W. Bush)があった。アセスメントは注目されている
- No child left behindは...
- 2005年から2006年に、3年生から8年生、リーディングと算数で一年に一回アセスメント
- 2005年から2006年に、9年生から12年生、リーディングと算数で一回アセスメント
- 2007年から2008年に、3年生から5年生、6年生から9年生、10年生から12年生、
それぞれで1回科学のテスト
- 100%の子どもがProficient Level
- テストによってNarrowing of instructionがおこる懸念も・・・
- 100%の子どものレベル向上をめざすのは、アメリカでは珍しいのではないか
・1人目のスピーカ:「Knowing what students know」の著者、James,
W. Pellegrino
- cognitive science と mesurement scienceが一緒になってAssesmentを考える
- The Assesment triangle : Assesment as a process of reasoning
from evidence
- Assesmentを行う上で考えていかなければならないこと
- 以下の3点がMust be coordinated...
1.Cognition
- 学習者は知識をどのように表象するか、という認知モデル
2.Observation
- 学習者のパフォーマンスをいかに観察するか・
3.Interpretation
- でてきたデータをいかに解釈するか?
・2人目のスピーカ:Robert, A. Bjork
- PerformanceとRetention
- その場で効率のよい学びができたときに、人は学んだなー、と思う。
つまり、人はRetentionという観点からは効果のあがらない方略で学んでいるとき、
人は「学んでいる」と感じる・・・
・3人目のスピーカ:WISEプロジェクトのMarcia, C. Linn
- 学習や認知のモデルの中に、アセスメントがコーナーストーンとして統合される必要性
- 実践をやりながら、オブザベーションをやりながら、それを解釈して次に活かす
- Linnたちは、Knowledge Integration Perspectiveを大切にしている
1. 学習者はInterpretiveである
- 学習者は既存の知識をや経験に基づいて、新たな情報を解釈している
2. 学習はCulturalなモノゴトに左右される
- 標準、規範、他の学習者の認識
3. 学習者はDeliberate
- 学習者は個人で自分の学習をガイドしていく
-Assesing knowledge integration
- だんだんとLinnたちのWISEの効果はあがってきている
- 最初の年と7年後の実践では、学習者のパフォーマンスは400%あがる
-Genetically modified foods(遺伝子組み換えの授業)
- 最初は食べなきゃいいじゃん、という話になる
- そう簡単じゃないことがだんだんとわかってくる
- Deliberate question(最終的に何がわかったかを学習者に問う)
・4人目のスピーカ:Carl Bereiter
- CSILEの開発、現在はKnowledge forum(Sophisticated BBS)として商用
- Knowledge Forumの場合、LearningはBBS上でおこる、だからそれを分析すればよい
- Levels of explanatory inquiry(Chan & Lee 2001)
- 学生の書き込みのうち、物事を問う質問(Question)だけに注目する。そして、それを分類する
レベル1. 用語の説明を求めるもの
レベル2. なぜ、どのようにのような質問
レベル3. これが原因でこれがこうなるのはなぜですか、わたしはこう思うんだけど(自己推測)
レベル4. わたしは○○のように思っている(自己説明)。でも、それが正しいとすると、これはどうよ?
・5人目のスピーカ:Shirouzu Hajime
・6人目のスピーカ:Allan Collins
4) ICLS2002のClosing remarks、Jim Greenoのお話
・パスツールのアナロジーで学習科学を語った
- パスツールは、細菌というものを発見し、公衆衛生問題等に適用可能な統一理論をつくった。
- 学習科学も、パスツールが細菌を発見したように、学習・教育問題に適用可能な統一理論
をつくるべきではないだろうか。
- Social MovementとしてのLearningへの関心の向上、それへの対処
4) ICLS2002のClosing remarks、Carl Bereiterのお話
・学習研究がここまでの成果を出せる、というポジティブ・データ
(Vision, Deep solution, Dazzling results) をだすことが重要である
- 学習とはこうなるべきだ、といヴィジョン:Vision
- こうやってやれば人間は生き延びられる:Deep Solution
- こんな結果は見たことないよ、という考えたことのないようなデータ:Dazzling Results
- これができないからこう対策するモグラ叩き方式じゃないデータ
(九九はこう覚えろ、みたいなデータ)
・Social Movementを正しい方向に導くためのデータとビジョン
4) ICLS2002のKeynote、Roy Peaの話
・学習科学は、テクノロジーの評価で実験群をつくって対照群と比較して、正統化する
必要がない
・テクノロジーは学習者の知能をAugmentできればよい。
三宅先生レクチャー パワーポイント資料
ICLS2002「Assesment
of Complex Learning」のパネリストたちのPPT、音声データ