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2018.12.7 06:38/ Jun

「おすすめ爆弾」の言いなりになると「視野が狭く」なってしまうかもしれない話!? : 「マッチングしないもの」との出会いと学び !?

 現代社会とは「おすすめ爆弾時代」である。コンピュータやAIによって、「今のあなた」に「マッチしそうなもの」が「自動的」に推薦されつづける社会。このような時代にあっては、むしろ「マッチングしないもの」に出会い、「違和感」を感じ、しかし、そこから「学ぶ機会」が失われているのではないか?
  
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 中原研では、今年度から2020年度までの期間、河合塾様・日本教育研究イノベーションセンター様からのご支援をたまわり(心より感謝いたします)、「マナビラボ」プロジェクト(高校の学びを元気にするプロジェクト)を実施しています。
 
 
 
マナビラボ(これからの学びを考える記事が満載。今の高校の学びに関する実態調査の結果、ハワイの哲学対話のお話、愛媛県立長浜高校水族館部のお話が、最近は人気です:どうぞご笑覧ください)
http://manabilab.jp/
  
高校の学びの現在:最新の調査結果がこれ一枚で!
http://manabilab.jp/article/5151
  
世界は「不思議」に溢れてる!〜ハワイp4cの挑戦①
http://manabilab.jp/article/5173
  
水族館部へようこそ!
http://manabilab.jp/article/5004
  
 先だって、マナビラボのスタッフが皆で集まり、「これから未来に必要になる学び」について(青臭い)議論をいたしました。そのときに皆の話題になったのが「アンマッチなもの」に「出会い」、「違和感」を感じる機会の「喪失」と、そこからの「学び」の重要性です。
  
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 冒頭申し上げましたように、現代社会とは「おすすめ爆弾時代」です。

 過去の閲覧記録、ログ、自分に似たひとの行動傾向・・・などなどの各種のビックデータによって、「今のあなたにおすすめのもの」が、次からつぎへと「レコメンデーション(おすすめ)」されてきます。
  
 ショッピングサイトなどで、何かを買おうとしたら「これもどうですか?」、「あれもどうですか?」と、似たような商品を、コンピュータからおすすめされた経験のある方は、少なくないでしょう。
 コンピュータは、ビックデータから、「今のあなたが行動をおこしてくれそうな確率の高い商品やサービス」をこれでもか、これでもか、とおすすめしてきます。これが「おすすめ爆弾」です。
  
 そして、このことは、わたしたちの「未来の学び」においても、早晩実現される未来であろうと、わたしたちは感じています。
  
 過去の回答傾向、間違えの頻出パターン、自分と似た学力層のひとびとのもつ性質といったビックデータから、コンピュータによる「学習者に個別化・最適化した学び」がレコメンデーションされる未来。それは、もうすぐそこか、すでに実現しつつある未来でしょう。
  
 もちろん、そうした「学習者に個別化・最適化した学び」が有益であることも間違いはありません。
  
 しかし、ここに失われるのは、「今の自分」には決して「マッチングしないもの=アンマッチなもの」との「出会い」であり、それに「違和感」を感じたり、そこから何かを「学びとる機会」です。
「学習者に個別化・最適化した学び」は、「アンマッチなもの」との出会いと、そこからの「学び」を疎外するのではないか、というのが、わたしたちの懸念です。
  
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 たとえば、僕はECサイトで本を大量に発注していますが、しかしながら、一週間に1度、リアル書店にいくことを欠かしません。僕がリアル書店にいったときには、自分の専門の書棚には行くことは希です。
 むしろ、自分がECサイトでは絶対に検索しないような本が陳列されている書棚(たとえば、医学とか、看護とか、数学とか、演劇とか)ー「自分の専門とは敢えて遠い書棚」をブラブラまわります。
  
 なぜ、こうしたことを行うか、というと、「今の自分」には決して「マッチングしないもの=アンマッチなもの」に敢えて「出会う」ためです。そこで感じた違和感や面白さから、何かを学び取り、それを自分の専門領域に活かす。かつて、経済学者のヨーゼフ・シュンペータは「イノベーションとは(既存の物事同士の)新結合である」と喝破しましたが、そうやって、新たな物事は生まれるのだと僕は信じています。
  
 逆に「おすすめ爆弾時代」にあっては、こうした「アンマッチなもの」との「出会い」を意図的に創り出さなければ、自分の視野が、どんどん「狭隘」になってしまっていることを感じます。
「今の自分」に似たもの、この商品を買ったひとが買いそうなものばかりーすなわち「今の自分に似ているもの」だけが「おすすめ爆弾」される時代のですから、気がつけば、自分のまわりが「今の自分に似たもの」「今の自分が心地よく感じるもの」だらけになるのです。
 
 こんな時代だからこそ、僕自身は「今の自分」には決して「マッチングしないもの=アンマッチなもの」との「出会い」は極めて重要だと感じていますが、いかがでしょうか。
  
 違和感から学ぶ機会
  
 が重要だと思いませんか?
  
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 今日は、「マッチングの悪いものからの学び」についてお話をいたしました。
  
 あなたは、最近、「おすすめ爆弾」のいいなりになっていませんか?
 あなたは、最近、今の自分とは「アンマッチしない」ものと出会えているでしょうか?
 あなたは、違和感から学ぶ機会を持てていますか?
  
 そして人生はつづく
  
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