2018.12.5 07:17/ Jun
立教大学に異動して、学部生を教えるようになって、はや半年が過ぎました。このままいくと、約半年後には、「あっという間に1年が過ぎちゃいましたーウェイウェイ!」とか言ってそうで、それはそれで「怖い」のですが(笑)、明るく楽しくやっております、はい。
ところで、この大学に異動してからというもの、時折考えさせるのが、
自己とは何か?
自己が為すべきとは何か?
アイデンティティとは何か?
という、「いったんはまったら、二度と抜け出せない迷宮のような問い」です(笑)。
いいえ、僕自身についての「問い」ではありません。そうではなくて、学生が、こうした問いをたまに発するので、それについて、あーだこーだと一緒に考える機会を持ちます。
18歳、19歳の大学生は、ときに「自分がやりたいことがわからない」「自分がわからない」と煩悶します。
そうした「煩悶」をたまーに横で見ていると、時に、こちらまでも「自己とは何か」「アイデンティティとは何か?」という問いを「おすそわけ」されてしまうのです。
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考えてみれば、こうした事態は、これまでの僕には、あまり起こりませんでした。
かつて大学院生を主に教えていたときには、彼らは僕に会う時点で、「研究することを決め」「誰の下で学かを決め」「将来も決めて」いました。
つまり、多くの大学院生は、朧気ながらでしょうけれども、「自己とは何か」「自己とは何をなすべきか」「どうやればそれが実現可能か」という問いに対して、一定の「答え」を「見いだしたあと」で、僕に出会っており、将来のキャリアの「入口」にたっているのです。
ですので、大学院生から、この手の「いったんはまったら、二度と抜け出せない迷宮のような問い」を「おすそわけ」されることは、あまり頻度はありません(ゼロではないです・・・)。
しかし、多くの場合、学部生の場合は、「これから」です。
端的に言ってしまえば、「彼らは決めていません」。
そして「入口」にたってすらいません。
すべては「これから」なのです。
だからときおり悩みます。
「自分がやりたいことがわからない」
「自分がわからない」
▼
自己とは何か?
自己が為すべきとは何か?
アイデンティティとは何か?
この3つの問いに対して、残念ながら僕に「明確な答え」はありません。その手の本もかなり多読したとは思いますが、いまだわからないことだらけです。そして、現在の僕が手持ちに持っている手段は、恐ろしいほど、限定的です。
たとえば
1.「自己とは何だと思っているのか」を聞いてあげること
2.「自己とは何か」をわかるための「鏡」になるような「外部での学びの機会」をつくってあげること
3.「自己が何をなすべきか」について考える機会をもつような「他者との出会い」をつくること
4.「自己がやりたいことはこれかな」と思い始めた学生の背中を押して「やること」をうながすこと
くらいかな、と思います。
自己論とか、アイデンティティ論とかをご専門になさる先生方が多々いらっしゃるなかで、口にだすのも憚れるのですが(盟友・溝上慎一先生が、ニヤニヤとしながら、この記事を見ていそうです・・・中原君、そんなことに、いまさら気づいたかーと、笑)、少なくとも僕が実践可能なことは、
自己をわかるためには、結局、「孤独」にならないことだ
自己をわかるためには、自己と比較可能な「異質な他者との出会い」が必要だ
自己をわかるためには、結局、「やること」が必要だ
ということくらいです。
この問いには、今後、しばらくつきあっていくことになるだろうな、と思っています。
いずれにしても、学生時代には、他者との出会いを、たくさん持っていって欲しいな、と思います。
そして人生はつづく
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追伸.
昨日は、南山大学の中村和彦先生と、学部ゼミのご一行さまが、名古屋から立教大学にお越しになりました。BLPの授業(BL1:コースリーダー高橋先生)をご見学いただき、その後、中原ゼミと合同でゼミをいたしました。これをきっかけに、よいご縁が生まれ、今後、さまざまなゼミ活動で御一緒できますことを楽しみにしております。
学生たちの振り返りを聞いていますと、中村先生とのゼミとの出会いを通して、「自分のゼミの特殊性」や「自分のゼミが何をめざしたらよいか」がわかった、という意見がありました。また「自己の未熟さ」についても、多くを学んだ方もいたようです。
このような機会をお声がけいただきました中村和彦先生に心より感謝いたします。ありがとうございました。またおあいしましょう!
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