2018.11.1 06:24/ Jun
「組織」をあらわすメタファ(比喩)には、様々なものがございます。
かつてから、よく用いられているのは「モチ型組織」と「オムスビ型組織」というメタファです。
昨日、都内で、南山大学の中村和彦先生とともに「組織開発の探究」の刊行セミナーを開催させていただきましたが(参加者の皆様、中村先生、関係者の皆様、お疲れ様でございました!)、そこで、僕は、自分の講演部分において、これらのメタファをご紹介させていただきました。かつて、このブログでも、お話しさせていただいたことがあるかと思います。
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「モチ型組織」と「オムスビ型組織」
前者の「モチ型組織」とは「モチ」のメタファで表現されるとおり、この場合の個と組織の関係は、不可分、一体です。モチ型組織は、一粒一粒の「個」は融合して、ひとつの個体をなしているような組織です。キーワードは、その「一体性」にあります。
それに対して、後者の「オムスビ型組織」は、米粒が固まり個体にはなっているものの、一粒一粒の米は融合までには至ってはおりません。
飯粒ひとつひとつは、くっきりとした輪郭をもち、融合せずに存立しています。しかし、それでいて、バラバラというわけではなく、ひとつのオムスビを形成しています。こちらのキーワードは「多様性」にあります。
勘のいい方ならおわかりかと思いますが、組織(共同体存立の様式)を「モチ」と「オムスビ」という2つのメタファを用いて、鮮やかに描き出したのは、1970年代に刊行された、社会学者・見田宗介先生のコミューン論「気流のなる音」です。今日の内容は、こちらを引用しつつ、お話をさせていただいております。
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「モチ型組織」と「オムスビ型組織」
これらのメタファは、1970年代の日本の組織(共同体存立)を描き出すためには、「秀逸なメタファ」であったと思います。
しかしながら、組織開発に注目が集まる現在、今の日本には、モチにも、オムスビにもなっていないような組織が、あふれているような気がします。
たとえば、「チャーハン型組織」。
こちらは強火がとおっているので、米粒同士は、パラッパラッでくっついてはいません。一応、お客さんの前にサーブされるときには「おたま」で固めてお皿に置かれますので、個体らしき様子をなしておりますが、少し「れんげ」をさしこめば、パラパラパラと米粒がこぼれていきます。
たとえば、「ドリア型組織」。
こちらは、ごはん自体には、黄色の色がついている以外に、それほどの変化はありません。ただし、そのうえにクリームソース(洋物のソース)がかけられています。和と洋が、渾然一体としているところが、その特徴かもしれません。
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と・・・まぁ、いろいろな「メタファ」をつかって組織のことを考えるのは面白いな、と思いました。こちらも、「組織のメタファ大喜利」ができそうですよね。
皆さんの「組織」は、モチですか、オムスビですか、チャーハンですか?
皆さんの「組織」は、どんなメタファで喩えられますか?
そして、その心は?
えっ、うちは、最近、「米」が足りなくて、「米不足」すぎて、料理にならない?
そして人生はつづく
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