2018.10.1 06:39/ Jun
知的影響から自由なつもりの「実務家」は、たいがい、どこかの「破綻した経済学者」の「奴隷」です
(ジョン・メイナード・ケインズ「雇用・利子・貨幣の一般理論」)
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冒頭は、経済学者のケインズによる、とてつもなく辛辣な批評です。
おそらく、ここでケインズが言いたかったことは、
「反知性に身をゆだねるような実務家は、実は、時代遅れの知性によって生み出された理論を信奉しているものである」
ということです。
さらに一歩進めて深掘りをするのなら、こうもいえるのでしょう。
理論なんて「クソ」だと思っている実務家は、実は、自らが「クソ理論」に絡め取られている
しかしながら
自らが「クソ理論」に絡め取られていることすら、「自覚的」ではない
ケインズは、この皮肉を、わずか1行に凝縮したのですね。
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ケインズの言葉はシンプルながら、これと似たことは、実際に、わたしたちの生きている世界でも、よく起こっていることのように思います。
アカデミズムなんてクソだ、1ミリも訳に立たないなんて言っている反アカデミストが、実は、かつて流行し、誤謬だとされる理論の信奉者だったりする。自分にとって都合のよい理論やデータを信奉していたりする。しかし、それには「気づいて」いない。
結局、その問題点は
自己に「自覚的」ではないこと
自己に「盲目」であること
に尽きるのかな、と思います。
自分が「見えてない」
問題は、このことなのだと思います。
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理論を学び、教養を獲得することの意味は、こうした問題点の打破にあります。
教養(リベラルアーツ)の原義は、聖書(ヨハネ書)にあるワンセンテンス
「真理はあなたがたを自由にする」
という言葉にあると記憶しています。リベラルとは「自分に力をつける」ものではなく、「自分を解放する(自己をリベレートする)」という意味です。
つまり、自分がすでに絡め取られてしまっている「いにしえの理論」を相対化し、疑い、さらには流行の言葉やコンセプトを解体し、自分を自由にすることこそ、「教養」であり、理論を学ぶことの意義だと思われます。
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あなたは「どんな理論」を信じていますか?
あなたは自分の依拠している理論に「自覚的」ですか?
あなたは、知的影響から自由なつもりで、間違った理論の「奴隷」になっていませんか?
そして人生はつづく
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追伸.
本日43歳になりました。「マインド的」には「永遠の20代」なのですが、どうやら、「世間的」には僕を「43歳」と呼ぶそうです。
まだ「20(はたち)」のころは43歳といったら「もう河を渡ってしまった人」くらいには思っていましたが、思ったよりも「ポワポワ」してますし、考えていたよりも「フラフラ」です。いまだに自分が何をしていいか、わかりません。ま、そんなんじゃ、困るんでしょうけれども(笑)。
しかし、わからないながらも、「前だと思われる方向」に進むんだと思います。
といいましょうか、僕は「時間の進行」から自由でありたいと願いつつも、「時間の進行」自体は僕を「自由」にしません。
瞬きをすれば、「次の月曜日」が始まっているかのように感じます。敢えていうのなら、それが40代。
かくして、「自分のやりたいことをやる」もそうなのですが、「次の世代をつくること」にも、これまで以上に、関心をもつようになってきました。「次の世代をつくること」について「自分がやらなければならないこと」をやるのも重要だよな、と思っています。
みなさま、今後とも、どうかよろしくお願いいたします。
そして人生はつづく
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