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2018.9.14 06:37/ Jun

人材開発を考えるときには「組織の人脈地図」を描いてみる!?

 人事施策・人材開発施策を考えるときには「組織の人脈地図」を書きましょう。
「ベタ」に考えるのではなく、いったんは「2次元のマップ」を描いてみませんか?
  
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 これは、人事施策や人材開発施策を考えるうえで、僕がおすすめしている、ひとつのコツです。基本中の「基(き)」なので「今さらジロー感」をお持ちの方もいらっしゃるのかもしれませんが、先日、慶應丸の内シティキャンパスの授業でご紹介させていただきました。今日は、これを、こちらでも、これを、ご紹介してみましょう。
    
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 たとえば、今、仮に、組織内に
 
「若手従業員の能力やスキルが伸びない」
  
 という現象が生まれている、とします。
  
 人材開発としては、この問題を何とか、解決したい。
 そのときに「ベタに考える」と、どうなるか。
  
「ベタ」なのですから(笑)、若手従業員を「介入対象」とした人材開発施策を考えてしまいます。たとえば、若手従業員を対象とした研修、など。
  
 でも、先ほど冒頭でわたしたちは学びました。
  
 人事施策・人材開発施策を考えるときには「組織の人脈地図」を書くのでした。
「ベタ」に考えるのではなく、必ず、一度は「2次元のマップ」を書いてみる。
    
 そこで、この「クソ忙しい」なか、一寸だけお時間をいただき取りくんでみたいのは、「若手従業員の能力やスキル」に影響を与えているステークホルダー(利害関係者)や、それに関係する要因を、一度、簡単な「2次元の地図」に書き起こしてみることです。
  
 なんてことはないです・・・単に絵を描くだけ。
 僕の場合は「図工2」なので、下記のような図ができました。
  
  
  
 先ほどまでは「ベタ」に考えておりましたので、「若手従業員の能力やスキルが伸び悩んでいる問題」の理由を「若手従業員」にもとめ、彼らを「介入対象」とした施策を考えていました。
 しかし、地図を描いてみると、「その先」には、「若手従業員の能力やスキル」に影響を与えている様々な人脈、様々な制度があることがわかります。
   
 たとえば、原因のひとつが「管理職」にもある場合。
   
 もしかすると、彼らの仕事の振り方が「雑」なせいで、若手が育たない、という現象がうまれているのかもしれない。しかし、管理職の仕事の振り方が「雑」なのは、なぜか。
 彼らとて、一生懸命に仕事をしているのです。もしかすると、「その先」には、彼らの業務が過多になっているせいかもしれない。また評価制度に「人材育成」が組み込まれていないせいで、人材育成を行うインセンティヴがないのかもしれない。
  
 たとえば、原因のひとつが「OJT指導員」にもある場合。
  
 もしかすると、「若手従業員の能力やスキル」が伸びないのは、彼らのOJT指導がやや機能不全に陥っているせいかもしれない。
 OJT指導が機能不全に陥っているのは、もしかすると、彼らにそもそもOJT指導のやり方を教えていないせいかもしれない。はたまた、彼らが指導しようにも、そのための時間資源が与えられていないせいかもしれない。
  
 このように、先ほどまでは「若手従業員の能力やスキル」は「若手が課題」であると考え、若手が介入対象であると考えていましたが、実は、様々な要因が組み合わさって、この問題が「社会現象」として生まれていることがわかります。
   
 人材開発施策を考えるうえでは、現場の様子が、このように「2次元にマップアウト」できるまで、わたしたちは情報収集につとめることが重要です。
 実際には、様々な現場のヒアリングを重ねたり、様々な人事情報を集めて、情報を収集することが、人材開発の施策をたてるうえでは、もっとも大切なことなのかな、と思います。
  
 そして、いったん「2次元のマップ」が完成いたしましたら、最後は「決めること」です。現場の方々、関係者の方々をうまく「巻き込んで」、物事を「決めていくこと」が重要かと思います。
   
 つまり、複雑な関係図の「どこに」、もっとも最初のレバレッジポイント(テコを差し込む場所)を求めるか。レバレッジとは「テコ」のことです。
 いわば「テコ」のように、事態を「ぐいっ」と動かすことのできる働きかけのポイントを、どこに求めるかを決めなくてはなりません。それは、若手従業員なのか、それとも、OJT指導員なのか、はたまた管理職なのか。
  
 もしかすると、制度もイジくらなくてはならないのかもしれません。
 人事制度には「内的整合性」という概念があります。内的整合性とは、人事制度施策同士の「マッチング(整合性)の度合い」です。
  
 今、仮に、「若手従業員の能力やスキル」を伸ばすために、管理職やOJT指導員に何らかの働きかけをおこすというのなら、彼らを「サポートする」制度や仕組みを、これらの施策とは「他」に、「別」につくるというのが、考えなければならないポイントのひとつです。
 たとえば、管理職に対する評価制度を「いじる」とか、OJT指導員に対するインセンティヴを支払うとかが、そのひとつかもしれません。
  
 このように人事制度の整合性を高めることで、「若手従業員の能力やスキル」が伸びない、という現象を解決に導くこともできます。
  
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 人材開発施策をつくるとは、このように、情報収集にもとづく「課題解決」です。
 そして、その際もっとも大切なことは、「正しい情報収集」を通じて「解決するべき課題」を正しく設定することです。
  
 まずは、組織の内部で何が起こっているのかを、「組織の人脈地図」やら「2次元のマップ」を用いて「見える化」していくこと。そのうえで、レバレッジポイントを決めること。
  
 基本中の「基(き)」ではありますが、ついつい、はしょってしまいがちなプロセスなのかな、と思います。
  
 「ひとつの組織」のなかで長く仕事をしていればいるほど、自分は「組織の中のことは、何でも知っている」と見えてしまいます。そして「ベタ」に問題をつぶすため、「ベタな対象」をモグラたたきしてしまうのですね。
  
 あなたが解決したい現象の背後には、どんな「人脈地図」が広がっていますか?
 あなたの問題の背景には、どんな「2次元のマップ」が描けそうですか?
  
 今週もお疲れ様でございました!
 そして人生はつづく
  
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