2018.8.9 07:24/ Jun
学部学生と話していると、毎日、いくつもの発見があります。その中で、自分として興味深いなと思ったのは「スキル重視か、経験重視か」という「学生のもつ将来に対する考え方の違い」です。
すなわち、自分の仕事やキャリアのことをしっかり考えている学生(おそらく半分くらいかなぁ・・・)の「中」には(それ以外の学生は今日の話題には入りません)、2つの異なる考え方をもっている方がいるように思うということです。もちろん、どちらがよいとか、悪いとかを述べたいわけではありません。今日はその話をしようと思います。
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「スキル重視か、経験重視か」
さて「スキル重視派」の学生さんは、資格や試験など「自分の能力の差異を証明するための評価」をたくさん受けておくことが、将来を切りひらく、と考えています。
典型的な口癖は、
「スキルを貯めておいた方が、将来、何かと苦労しないじゃないですか。できないより、できるほうがいい、に決まってますから」
です(笑)。
「スキル重視」の学生さんは、スキルとは「貯めておける」ものであり、外的な物差しで「できる、できない」の証明を行えると思っています。
一方、「経験重視」の学生さんは、将来を切り拓くものとして、「多様な経験」をあげます。インターン、NPO、大学外のイベントへの参加、など、こうした経験こそが将来を切り拓くと考えています。
典型的な口癖は、
「たくさん、いろんな経験をしておいたほうが、いろいろ役立つ気がするんですよね。話題にも幅ができるから就職でも、いろんな話ができそうだし。将来、使える経験になりそうだし」
です(笑)
「経験重視」の学生さんは、「いろんな経験」を他者に語ったりすること、そうした経験を将来、様々なものに「適用」できることが、将来を切り拓くと考えています。
くどいようですが、どちらがよいとか、悪いとか、ではありません。また、本当は、これらが綺麗に別れるわけではありません。スキル重視であろうと、経験重視であろうと、将来のことをきちんと考えている、という点では、どちらでもよいような気もします。
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ちなみに、僕個人としては、完全に後者の人間でした。
小生、なんと「英検5級」。中学1年生に半強制的に受講させられた「英検5級」以来、一度も資格らしい資格を受けたことがありません(子どもたちにバカにされております・・・)。今になって考えれば、前者のことも、すこしはやっておけばよかったな、と思いますが、ま、もう遅いよね。
「スキル重視か、経験重視か」
学生時代にもつ、こうした素朴概念のようなものが、どのように将来に影響を与えるのか。今後、さまざまな縦断研究を通して明らかにしていきたいな、と考えております。
そして人生はつづく
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