NAKAHARA-LAB.net

2018.3.25 09:45/ Jun

立教大学経営学部への「異動」のお知らせ!:東京大学を「卒業」します!

 このブログをお読みいただいているみなさま、私事ながら「ご報告」がございます。
  
 実は、僕は、この3月31日をもちまして、東京大学を「卒業」することになりました。
 
今回の卒業は、人生二度目の「東大・卒業」。二度目の「卒業」は、正確には「自己都合退職」ということになります。
     
 4月1日からは、「立教大学経営学部・教授」として教鞭をとることになりました。
 同校のリーダーシップ教育「Business Leadership Program : BLP」の主査(統括責任者)をつとめます。
        

     
 また、研究面では、同校・リーダーシップ研究所に所属しつつ活動を行うことになります。BLPの教員のみなさま、スタッフの皆様と、「リーダーシップ教育の効果性:リーダーシップ教育がいかなる効果をもつか?」についての研究を推進していくことになるかと思います。
  
 このたび、わたくしを、経営学部のファカルティの末席に加えていただいた、同校の先生方に、心より感謝をいたします。立教大学経営学部の発展のため、最大限の努力を行う覚悟です。
    
 ちなみに、わたしの異動にともない、東京大学で推進していた研究プロジェクトの2つーマナビラボプロジェクト(河合塾・JCERI様との共同研究)、リーダーシップ教育の効果性プロジェクト(電通育英会様との共同研究)は、「立教大学経営学部・寄付研究プロジェクト」として、立教大学で「再スタート」を切ることになります。
   
 この異動にともない、東京大学の8名のスタッフ・指導していた大学院生が、立教大学経営学部のスタッフとして働くことになりました。4月以降は、わたしを含めて9名で、立教大学で寄付研究プロジェクトに邁進させていただくことになると思います
(このWebサイトも、本日より4月2日にいたるまで、順次、改築をおこなっていきます。ところどころ、所属などの記載などが揺れることになりますが、どうかご寛恕くださいませ!)
  
  ▼
   
 このたびの異動につきましては、個人的に、様々な思いがあります。
  
 異動を決意したもっとも大きな理由は、
  
「大学教育の現場で、次世代のリーダーを育成したい」
  
 ということに尽きます。
  
 立教大学経営学部には、ビジネスリーダーシッププログラム(BLP)という、これまで多くのスタッフが立ち上げに邁進し、活発に活動している素晴らしいプログラムがあります。
 クライアント企業様とのコラボレーション授業として企業様の経営課題を学生が課題解決を行ったり、あるいは、論理思考・自己認識を深めたりする授業群です。授業は学部400名の必修授業からはじまり、1年生から2年生までで、それぞれの学生が、自らのリーダーシップ行動を改善するべくカリキュラムが組まれています。
  
(もし、立教大学BLPとのコラボレーション授業をしてもよいという企業様がございましたら、中原までご連絡をくださいませ! 現在、2019の授業のなかで(2018年度ではないです!)、クライアント企業様が決まっていない授業が、わずかですがございます)
  
立教大学経営学部 ビジネスリーダーシッププログラム
http://cob.rikkyo.ac.jp/blp/
     

   
 日向野幹也先生(早稲田大学教授)が立ち上げに奔走し、これまで舘野泰一先生、高橋俊之先生が専任教員として、また、兼任講師の先生方のご尽力によって、このプログラムの革新を進めてきてくださいました。
 わたしとしては、これまでの偉業に敬意を表しつつ、現在の専任スタッフー舘野泰一先生、高橋俊之先生や、兼任講師の先生方、そして事務局のスタッフの皆様とともに、同プログラムを、さらに発展させることに貢献したい気持ちでいっぱいです。
 それがわたしの「新たな挑戦」です。
    
 振り返ってみれば、僕のキャリアは、これまで、つねに「研究センター」にありました。
 東大では、「研究センター」に所属しつつ、大学院を兼任させていただき、修士課程・博士課程学生の育成にあたらせていただく機会をえました。これまで13年の在籍期間において、18名の修士号取得者、4名の博士号取得者を輩出してきました。
 が、今後は、教育現場の中心地である学部・研究科に所属し、教育・研究に邁進したいと思います。
  
 立教大学における学部教育への貢献という観点では、すでに、「初代の中原ゼミ」に所属する学生さんも22名が決まりました。22名の志ある学生の皆様と、「中原ゼミ」を立ち上げていきたいと思います。
  

  
 また、大学院教育は、経営学研究科経営学専攻に、新たな指導学生をもたせていただくことになりました。
 春からは、修士1名、博士1名を新たに迎え、研究指導を行っていくことになるかと思います。

 立教大学での学部ゼミナール、研究室の再立ち上げがとても楽しみです。
 これも、わたしにとって「新たな挑戦」です。
     
立教大学大学院 経営学研究科 経営学専攻
http://www.rikkyo.ac.jp/graduate/buisiness/major_01.html
   
  ▼
  
 もうひとつの大きな思いは、自分の専門である「人材開発」を、経営教育の枠組みの中で、しっかりと教えたい、という思いです。
  
 僕は、この20年、「人材開発」研究を立ち上げることに全身全霊をこめてきました。
 もう、この20年、僕の脳裏には、これしかなかったのです。
 寝てもさめても、人材開発。
 本当に、「それだけの人生」を歩んできました。
  
 ここから20年は、人材開発を、経営教育の枠組みのなかで、教えたいです。
 この学問領域を、学部教育や大学院教育ふくめた「経営教育」に根付かせていきたいという思いをもちます。後続する世代を育成したい思いでいっぱいです。
 これらは、もちろん「新たな挑戦」です。
  
 さらにさらに・・・立教大学では、さまざまな新たな試みを計画しています。
  
 そのひとつにBLP(ビジネスリーダーシッププログラム)におけるリーダーシップ教育の効果性を測定する研究ユニット「データアナリティクス研究ユニット」を立ち上げるというプランもございます。
   
 今後、立教大学BLPでは、活発なIR活動(Institutional Research)を通して、教育のさらなる改善、学生の成長に寄り添えるカリキュラム革新につとめていきたいと考えています。
   
 ちなみに、東京大学に勤務した13年間は、わたしにとって、素晴らしい時間でした。
 東京大学には、感謝しすぎても、しきれないきくらいの学恩を感じていますし、そこで出会った諸先生方、学生の皆さん、おひとりひとりに感謝を差し上げる所存です。
  
 東京大学は、心広く、まことに寛大に、よく、わたしのような研究者を受け入れ、心ゆくまでの知的探究を許してくださいました。
 東京大学では、わたしは「立ち上げ屋」でした。この13年間に立ち上げたプロジェクトの数は、両手にあまるほどあります。今、そのひとつひとつを、振り返っています。
      
 しかし、今が、「お別れのとき」なのかもしれません。
 わたしは、わたしの仕事人生において、いまが、「新たな挑戦」をするべきときであると認識しています。
 まことに勝手ながら、そのような理由においてのみ、わたしは、東京大学を退職させていただく決心を持ちました。
   
 東京大学のみなさま、さようなら。
 そして、これまで、本当にありがとうございました。
 本当に本当にありがとうございました。
 心よりの感謝を申し上げます。
      
  ▼
    
 なお、今回の異動につきましては、様々な方々にご負担をおかけし、また、ご協力を得ることになりました。この場を借りて、御礼を申し上げたく思います。
  
 東京大学では、学際情報学府・中原研究室の所属の大学院生の皆様、また情報学環長である佐倉統教授、文化人間情報学コースの水越伸教授、山内祐平教授には、多大なるご理解・ご協力をえました。この場を借りて、厚く御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
  
 大学院生の皆様に関しましては、一部の学生は、立教大学のスタッフとしてともに働きつつ、最後のひとりに博士号を手渡すまで、これまでどおり、博士論文指導を継続させていただく所存です。
  
 所属していた大学総合教育研究センターの皆様にも、多大なるご協力やご理解を得ました。
 とりわけ、中原が管掌していたプロジェクトを、今後、先導していただくことになる藤本徹先生、中澤明子先生に、心より感謝いたします。
 また、須藤修センター長はじめ、大総センター事務室の皆様にも、移管手続き等々で多大なるご協力をいただいていることに感謝いたします。
 また異動手続き等につきましては、またBLP事務局のスタッフ、加藤走様、山口牧様、市川智子様、東大の中原研究室でアシスタントをつとめてくださっている司村千尋さんにも心より感謝をいたします。
   
 このたびの異動で、中原が部門長をつとめていた教育課程方法開発部門の皆様には、この春、大きな変化が生まれ、ご負担をおかけすることになってしまいます。
 しかしながら、これを機会に、さらによりよい活動をなさっていただけることを願っております。
  
 最後に「立教大学経営学部寄付研究プロジェクト」の立ち上げに際しましては、河合塾・JCERIの高井靖雄様、木山さゆり様、成田秀夫様、近藤治様、信実秀則様、電通育英会の宮島泉様、永妻光夫様、小林洋一様、森隆一様に心より感謝いたします。
 また、立教大学総長室の藤枝聡様、中里則之様、大郷友様、福田博之様、石川淳学部長、山口和範次期学部長、総長室の皆様に多大なるご協力をいただきました。この場を借りて、あつく御礼申し上げます。
  
 本当にありがとうございました。
 
 4月から立教大学経営学部での活動が楽しみです!
 「新たな挑戦」がはじまります!
   
 人材開発にとって、もっとも大切なことは「挑戦」をすることです。
 わたしは、これまで、多くの書籍、論文で、挑戦の重要性をこれまで申し上げてきました。
 しかし、その主張を、いまは、「私自身」に向けるときであり、私自身が応えるべきときです。
   
 42歳、この「挑戦」を愉しみたいと願います。
 どうか、ご期待ください!
          
 そして人生はつづく
     
  ーーー
   
【立教大学におこしになりませんか?】
  
 4月7日(土曜日)立教大学経営学部では、400名の新入生が一同に集い、リーダーシップ教育を1日で体験する「ウェルカムキャンプ」を開催いたします。ウェルカムキャンプでは、これから半年かけて1年生が体験する「リーダーシップ教育」のエッセンスを1日のワークショップで体験します(BL0コースリーダー:舘野さん)。
  
 開催は4月7日@東京ビックサイトです。こちらのプログラムの見学ツアーを、高校の先生、企業のご担当者様、メディアの皆様向けに行わせていただきます。
   
 下記の申し込みページをお読みになり、ぜひ、ご興味がおありの方は、お申し込みをなさってください。僕も会場におります。
  
 お逢いできますことを楽しみにしております。
  
立教大学経営学部 2018年度 新入生ウェルカム・キャンプご参観 申し込みフォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdoEfwu4D7atQDNP5RnxKoOAaS8wCgpEy3p0kK22ukqmbpSpQ/viewform

ブログ一覧に戻る

最新の記事

2024.11.15 15:01/ Jun

【無料カンファレンス・オンライン・参加者募集】AIが「答え」を教えてくれて、デジタルが「当たり前」の時代に、学生に何を教えればいいんだろう?:「AIと教育」の最前線+次期学習教育課程の論点

2024.11.9 09:03/ Jun

なぜ監督は選手に「暴力」をふるうのか?やめられない、止まらない10の理由!?:なぜスポーツの現場から「暴力」がなくならないのか!?

2024.10.31 08:30/ Jun

早いうちに社会にDiveせよ!:学生を「学問の入口」に立たせるためにはどうするか?

2024.10.23 18:07/ Jun

【御礼】拙著「人材開発・組織開発コンサルティング」が日本の人事部「HRアワード2024」書籍部門 優秀賞を受賞しました!(感謝!)

本当の自分の姿は「静止画」ではなく「動画」じゃなきゃわからない!?

2024.10.14 19:54/ Jun

本当の自分の姿は「静止画」ではなく「動画」じゃなきゃわからない!?