2018.3.16 05:50/ Jun
人生のなかで大切なことの多くは「経験」から学ぶほかはありません。
自分の経験を通して、試行錯誤をしつつ学ぶ。ときには傷つきながら学ぶしかないことが、この世の中には、たくさんあります。
こうした学習のことを、わたしたちは「経験学習」と呼びます。
その際には、ときに「痛み」をともなうことがあります。
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「経験学習のイメージ」を把握するために、すこし役に立ちそうなのは、「子どもがのっている自転車の補助輪をはじめてはずす日」の事例です。これを思い浮かべてみれば、よりクリアに経験学習のイメージを把握いただけるのかな、と思います。
それは親子にとって「運命の日」です。
「補助輪つきの自転車」の補助輪をはずして、子ども一人で「二輪の自転車をこぎ出す方法」を教えるときーおそらく、親の誰一人として、我が子を目の前にして、「一斉講義」をぶちかます人はいません。そこには「教科書」もなければ、「問題集」もありません。
講義を一通り受講して、問題集で「二輪の自転車をこぎ出す方法」をすべて把握し、100点をとってから、「やれ、どっこいしょーのしょ」と自転車にまたがる人はいません(笑)。
じゃあ、どうするか? トートロジー(同語反復)になることを承知でお話ししますが、
「自転車に乗ること」は、「自転車に乗ること」を通してしか学べない
のです。
よってわたしたちは、「補助輪のとれた自転車」を子どもに与え、そこにまたがらせるはずです。「大丈夫だよ、怖くないよ、できたらかっこいいよ」と声をかけながら。
最初は、後ろに手をそえて、一緒に伴走しながら、自転車をこぐことを覚えさせます。そうした伴走を何度か繰り返しているうちに、子どもは自信をつけます。
しかし、自転車を学ぶことには「痛み」もともなうこともあります。
場合によっては、自転車で転んで、何度かコケてしまうかもしれません。
そんなことを想定して、おそらく、心ある親は、コケてもあまり痛くないような場所で、子どもを自転車にのせたり、子どもの膝に膝当てを用意してあげます。
自転車は、「一度もコケず」に学ぶことはできません
自転車は「安全にコケること」を繰り返して学ぶのです。
そうこうしているうちに、子どもはさらに自信をつけ、うまくなっていきます。さぁ、親が自分の手を離すときがきました。ヨタヨタとはしておりますが、自転車が、前に進んでいきます。親は、意気揚々と二輪の自転車をこぎ出す我が子を見つめることになります。
わたしたちは、このプロセスから「経験学習のイメージ」あるいは「エッセンス」を学ぶことができるように思うのですが、いかがでしょうか?
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今日は「経験学習のイメージ」を「子どもの自転車の補助輪を外す日」にたとえてお話ししました。
他にもいろいろできると思いますので、皆さんなりのケースで説明できるようになればよろしいのかな、と思います。
しかし、世の中には、こうしたイメージとは「真逆の経験学習イメージ」がはびこっています。
そのひとつが「経験学習=修羅場」幻想です。
非常に端的に要約すれば、
経験学習とは「とてつもない仕事」をドカンと与えて
「修羅場」で地獄の苦しみを経験させることだ
そこから這い上がったものが、学べたやつだ
地獄へ、ようこそ!
というものです。
僕個人としては、ちょっと違うんだけどなぁ・・・と思いますが、いかがでしょうか?
そろそろ「経験学習=修羅場」というイメージを相対化するべきときだと、僕は思います。
そして人生はつづく
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