2018.2.2 06:05/ Jun
この人手不足がつづくと「事業継続」できない可能性もある
もし人が集まらなければ「施設を閉めなきゃいけなくなる」かもしれない
時給をあげても、なかなか人が集まらない
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せんだって、かつて共同研究をさせていただいたご縁で、ある会合で、講演する機会をいただきました(ありがとうございます!)。その際、一緒に登壇していた企業、参加いただいていた企業の方から、こんな切実な悩みを耳にしました。
パーソルグループ×東京大学 中原淳准教授 共同研究:アルバイト・パート人材不足の社会課題解決に向けて
https://rc.persol-group.co.jp/lp/growth/
言うまでもないことですが、世の中では、現在、人手不足が進行しています。比較的景気がよいといわれているところに、長期にわたる人口減少のトレンドが重なり、「空前絶後の人手不足」が続いています。
マクロにデータをみれば、2017年の完全失業率は3%を割り込み、いわゆる「完全雇用=働く意思があれば、働ける状態」になっていると聞きます。
一方、景気が回復しているために企業の倒産数は減少しているものの、人手不足が原因で事業継続が困難になるいわゆる「人手不足倒産」といわれるものは、増えているといいます。
もちろん、こうしたトレンドに対して、「わたしは求める仕事につけていない」とか「まだ求職者と企業のマッチングがうまくいっていない」とかいうご意見は多々ありましょう。しかし、どうやら、マクロにみれば、人手が足りていない状況が続いているようです。
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ところで、先の共同研究を、みなで企画しはじめた3年前・・・2015年。
たしかに、これからオリンピックに向けて、未曾有の「人手不足」が到来する、という予感はございました。
しかし、3年後に、この問題が、これほど深刻な問題になるとは、僕は、予想していませんでした。
少なくとも、企業の方から、「人手不足」という言葉とからめて「事業継続が難しい」とか「施設をあけられない」といったクリティカルな言葉が聞かれるようになるほど深刻になるとは、想像していませんでした。
企業の現場で採用に携わっている方から話をきくと、どの方も、本当に、この問題に危機感を感じておられます。
「人手不足」そのものに対する危機感というよりは、むしろ「事業継続」とか「施設稼働」の問題として、さらに切実にこの問題を認識なさっている様子が、非常に深刻に感じました。
この件が悩ましいのは、
わたしたちは、まだ「人手不足問題の深刻化の途上」にいる
ということです。
つまり、この問題は「現在進行形」で進んでおり、景気変動のシナリオによっては、さらに事態が厳しくなる状況が予想されています。
パーソル総研が2016年にだされた2025年の労働力推計では、「2025年には538万人が労働力不足になる」といわれています。現在の2.3倍の人数が不足する。すなわち、今よりも、さらに労働力不足が深刻化していく恐れがあるということです。
パーソル総合研究所「労働市場の未来推計」プロジェクト
http://rc.persol-group.co.jp/roudou2025/
これに対して、機械化・AI化による「労働力の補完」もとなえられています。たしかに、昨今の状況を見ていると、それも、進むのでしょう。
しかし、最近の研究からは、従来、Frey and Osborne(2013)らで考えられていたほど、コンピュータ化によって人の行っている仕事を代替していくことは、難しいとされている知見も目につきます(Arntz, Melanie et al 2016, OECD)。
古典的で地道な解決と言われるかもしれませんが、この問題は、やはり
「入口対策と出口対策」
なのかなと思います。
すなわち、
1.入口対策:求職者を増やすこと
・求職者に来てもらえるような職場づくりを行う
・多様な働く人のニーズに対応するシフトづくりをおこなう
・面接などを見直して標準化をはかり、クオリティをあげる
2.出口対策:離職者を減らすこと
・面接でのイメージ形成の失敗による早期離職を防ぐ
・仕事を教え、伝えるOJT制度をつくる
・公正にメンバーにフィードバックを行い、職場の問題の目をつむ
です。
これらの方法は、「超絶地道」ですが、やろうと思えば、技術の開発を待つことなく、明日からできます。まずは、そこから手をつけていくことを本気で考える時期になってきたのかな、と思います。
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「人手不足」は、今、我が国を襲っています。
僕はこの問題を深刻にとらえつつも、一方で、「好機」ともとらえる必要性も感じています。なんで、そんなにポジティブなの?と言われそうですが、人口減少は、もはや「どうせ必ず直面しなければならない艱難」です。
「必ず直面しなければならない艱難」ならば、ここをあえて「ポジティブ」にとらえて、自動化、AI化、セルフ化の技術の開発スピードをあげてイノベーションをおこしたり、これを機会に、「より多くの人々が、いきいきと働ける労働環境」をつくっていくことができたらなぁ、と妄想してしまいます。どうして、そんなに「ネアカ」なの、と言われそうですが(笑)。
そして人生はつづく
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https://rc.persol-group.co.jp/seminar/arbeit-recruit.html
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