2018.1.24 06:17/ Jun
※2018年1月25日は、所用にてブログをお休みします。1月26日(金)から再開します。よろしくです!
あなたは「惨い研修」を受けたことがありますか?
あなたの周りには、「惨い研修」で「研修嫌い」になってしまった上司がいらっしゃいますか?
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自分も、たまに「研修」をさせていただく身ですので、冒頭の問いは、ちょっと勇気がいる質問です(笑)。しかし、この20年、人材開発の知識や知恵がかなり広まったようにも思えますが、まだまだ「惨い研修」は存在するのでしょう。
・何が研修目的か、さっぱりわからない
・一方向的に話されているだけで、内容がわからない
・無理矢理、ひとつの解を強要される
・無駄にしか感じられない作業が課される
かなり数は少なくなってきているとは思いますが、まだまだ、そうした「学びの原理を1ミリもかすっていない、ぺんぺん草もはえないような研修」が、世の中には、360万件くらい存在しているのかな、とも思います。
こうした研修の悪影響は、世代を超えて、継承されるのでとても厄介です。
こうした研修を一度でも受講させられてしまうと、その人は「研修嫌い」になってしまうのです。やがて、その方も昇進し「上長」になるでしょう。「研修ぎらいの上司」がかくして誕生します。
そして「研修嫌いになってしまった上司」は、自分の部下が参加する研修にも「ネガティブな言葉」を投げかけてしまいます。
「研修なんて、クソみたいもん、行ってどうなる?」
「研修で、ゆっくり、寝ておいで」
どんなによい研修をデザインしていても、こうした破壊的な言葉を上長から浴びせられれば、その研修の効果は、ほとんど期待できないでしょう。
研修で学んだことが実践されるかどうかー研修転移は、研修に参加する本人の問題もありますが、研修の参加者の上司が、その研修に対して、どのような態度をとっているかに依存する、というのが、昨今の研修転移研究の知見です。
研修に対する上司の「ネガティブな言葉」は、部下の受講態度、学習成果に強い影響を与えてしまうのです。
つまり「惨い研修の悪影響」は、研修転移のメカニズムを通して、世代継承されます。
もちろん、この場合、上司だけを責めるのは、まことに酷なことでしょう。
「研修嫌いの上司」をつくりだしてしまった「無計画的で、強要・高圧的な研修」の存在そのものが問題視されるべきだと考えますが、いかがでしょうか?
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今日は、「惨い研修」の悪影響が、研修転移のメカニズムによって、世代継承されることを書きました。
あなたは「惨い研修」を受けたことがありますか?
あなたの周りには、「惨い研修」で「研修嫌い」になってしまった上司がいらっしゃいますか?
人材開発の知識や知恵が、より多くの現場に届くことを願ってやみません。
そして人生はつづく
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