2017.12.22 06:37/ Jun
あなたの上司は「熱量」という言葉を頻繁に用いませんか?
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「いかにリーダーシップを発揮したらよいのか」という研究は、それとは「まったく逆の研究」と「同期」して展開されたことは有名な話です。「逆の研究」とは、いわゆる「リーダーのつまづき研究」になります。
ちょっと昔のことになりますが「リーダーのつまづき研究」は、新たにリーダーの任についたひとが、「いかなる失敗」をして「脱線(derailment)」したのかを研究してきました。
リーダーがいかに「つまづいた」のかを子細に観察すれば、逆に「いかにつまづかないように行動したらよいのか」がわかりますね。だから、「リーダーのつまづき研究」は、「リーダーシップの発揮研究」に、「メビウスの環」のように接続します。
かつて「リーダーのつまづき研究」は、上級役員クラスの「つまづき」が研究対象でした。これを「新任期」ーすなわち、はじめてチームリーダーになった人、はじめて管理職になった人に研究対象を「ズラ」したのが、僕のかつての著書「駆け出しマネジャーの成長論」です。
「駆け出しマネジャーの成長論」は、我ながら「泥臭い」本です。そこで描写されている世界は「上級役員のつまづき」とは、少し異なる様相を呈します。より「泥臭く」、より「あるある感」があるような「つまづき」と申しましょうか・・・
あーあ、それ、やっちゃったのね、アチャーパー(笑)
といったような、あるあるの「つまづき」を紹介し、それへの対処法を論じていたりします。
そうした一連の新任期の研究を進めていくなかで、僕は、ひとつの事実に気づいていました。
過去に「つまづき」を経験したことのあるマネジャー、リーダーの「ヒアリング」をしていて、よく頻出する語というものがございました。
それが、冒頭ご紹介した「熱量」とか「熱」です。部下を動かすことに「つまづき」を経験したマネジャーは、過去を述懐し、この言葉を用いていたのです。
なんで、部下は、僕と「同じ熱量」で動かないんですかねー
なんで、もっと「熱」をもって仕事をしないんですかねー
部下をうまく動かすことができなかった管理者、リーダーの方々は、よく、この「熱量」とか「熱」という言葉を用いるのです。まことに興味深いことです。
目標をうまく握れない
うまく指示ができない
フィードバックができない
すなわち「言葉」や「意味」や「ロジック」の世界で、部下を動かすことができなくなったリーダーや管理職は、最後に「熱量」や「熱」に頼るようになるのかもしれません。
本来、「熱量」や「熱」は、部下本人が自分を鼓舞してもつものなのにもかかわらず、それを管理者が「外部」から求める、という状況が生まれます。
しかし、当然ですが、外部からたきつけられた「熱量」や「熱」は長続きしないか、ないしは、あまり大きくないものです。よって、部下は動きません。そして、リーダーや管理職の口からは、先ほどの台詞がでるものと思われます。
なんで、部下は、僕と「同じ熱量」で動かないんですかねー
なんで、もっと「熱」をもって仕事をしないんですかねー
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今日は「熱量上司」のお話をいたしました。リーダーや管理職にとって、部下と「目標」をにぎることは、とても大切なことだと思います。
あなたの上司は「熱量」という言葉を頻繁に用いませんか?
あなたは、「熱量」を部下に求めていませんか?
あなたのまわりには「熱量上司」がウヨウヨしていませんか?
そして人生はつづく
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