2017.10.27 06:02/ Jun
せんだって専門誌「人材教育」の取材で、元アスリートの為末大さんと、ふたたび対談をさせていただく機会を笑ました(ライター井上さん、編集者・西川さんらとの仕事です。心より感謝です)。久しぶりに為末さんにお会いして、1時間半ほどお話をさせていただいたのですが、その際にもっとも印象に残ったことがあります。
それは
「高校のチームを勝たせる」のと「全日本チームを勝たせる」のでは「やり方」が違う
という話です。
僕は「体育2」の運動音Xですので、ここからは為末さんにうかがった話をさせていただきます。
為末さん曰く
「高校チームを勝たせること」と「全日本チームを勝たせること」では、その「やり方」が違うんです。
高校の場合は、3年間しかいないうえ、能力もバラバラな選手を、大勢いっぺんに育てなければなりません。そういうチームを強くするには、とにかく「型」をしっかりと覚えこませなくてはなりません。高校のチームを強豪にするには、徹底的に「型」を全員に周知する方が早いのです。
しかし、これでは「プロ」は育てられません。
「全日本チーム」は、すでに「型」を習得できている少数精鋭の選手がやってきます。そういうチームを育てるのは、選手に大幅に任せ、やらせてみて、内省を促し、気づかせるようにします。「自分の頭」で考えられるように育てないと、このレベルでは勝てません。
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一字一句同じというわけではないですが、為末さんがおっしゃっていたことは、こういうことかなと思います。
興味深いのは「高校チーム」の部分を「新人教育」、「全日本チーム」を「リーダー教育」、「選手」を「ビジネスパーソン」にかえても、それなりに意味が通じてしまうことです。
要するに、新人教育では「型」を、少数精鋭になれば「フィードバック」を提供することが必要になります。
「アスリートの世界」と「ビジネスの世界」・・・わたしは「体育2」だし「ビジネス」の経験はございませんが、共通点があったり、お互いに学べるところがあるように思ってしまうのは「邪推」でしょうか。
もちろん、ここでいう「高校チーム」は「基礎基本があまりない大勢の人々」というメタファでしょう。「全日本チーム」は「基礎基本をすでに習熟している少数精鋭の人々」のことです。高校チームであっても、すでに少数精鋭で型ができている人が対象者であれば、育て方が変わることは言うまでもありません。
なお、この対談の続きは、ぜひ、雑誌「人材教育」をお読みくださいませ!
あなたがメンバーや部下に提供している「育成」は「高校チーム型」ですか?
それとも「全日本チーム型」ですか?
あなたはメンバーに「適切な育て方」を「提供」していますか?
今週もお疲れさまでした!
そして人生はつづく
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