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2017.10.25 06:00/ Jun

残業せずに「帰っていいよ」と言われても、帰れなくなってしまう「メカニズム」とは!? ー「些細な言葉ひとつ」から生まれる長時間労働!?

 「あと、何も仕事がなさそうなら、帰っていいよ」
   
   ・
   ・
   ・
   
 ある新入社員の方が、就業時間後に、部門のリーダーに「帰宅してよいか?」をたずねたときに、言われたひと言なのだそうです。この言葉の「変形版」には、下記のようなものもあります。
      
 「何の問題もなければ、帰っていいよ」
   
 これらの言葉を発する部門のリーダーは、おそらく1ミリも悪気がなく、この言葉を発したと思われます。
 自らは超絶に忙しくしつつ、手元のパソコンの画面を見ながら、何の悪気もなく、これらの言葉を発しました。
     
 しかし、結局、この言葉を聞いた方々は、「帰ることができなくなった」といいます。
 この背景にある問題は、何でしょうか? まぁ、根深い問題が多々あるのだけれども、この言葉にまつわる問題とは何か?
   
  ・
  ・
  ・
   
 「あと、何も仕事がなさそうなら、帰っていいよ」
 「何の問題もなければ、帰っていいよ」
  
 端的に申し上げますと、これらの言葉を耳にした人が「帰ることができなくなる理由」は、一見「許可」のようでいて「不許可」にも解釈してしまえるこの文章にあります。
 この文章は、一見「帰ること」を許可しているかのように聞こえますが、暗に、それとは「逆のこと=つまりは、帰ってはいけないこと」を、暗黙のうちに「命令」しているかのようにも解釈できます。
  
 問題は「前半部」です。
  
 前半部の
  
 「あと、何も仕事がなさそうなら・・・」
 「何の問題もなければ・・・」
  
 は、「これから、(職場に)未来に起こるかもしれないこと」を、いわば「帰宅の条件」としています。
  
 新入社員の方が、会社をあとにして帰宅した後、「あと、何も仕事がなさそうなら=(職場に)やるべき仕事が新たに発生するかどうか?」や「何の問題もなければ=このあと、(職場に)何事も問題が起こらないかどうか」は、新入社員の方には「わからない」し「証明」は不可能です。
 つまり「未来の可能性」は、今から「職場をあとにする人」には「わかりません」。
  
 それなのに、これらのセンテンスでは「未来の可能性」を「条件」にしてしまいます。
 そして「未来の可能性」を「帰宅の条件」にされてしまうと、この判定はできません。
 よって「帰ってよいか」の「条件」になる部分は「判定は不能」となりますので、「帰っていいよ」と言われつつも「帰れない」事態が生まれるのです。
  
 帰っていいよ、と言われつつ、帰ることはできない
 許可に見えつつ、不許可
  
 かくして、これらの文章は、受け取り方によっては、「不許可」に聞こえてしまうのです。
 リーダーの方々が、パソコンを内ながら、超絶に忙しくしているなら、それは「なおさら」。
  
 リーダーの僕は、こんなに忙しくしていて、残業もしてるけどね。
 君は、職場に、何もこのあとで仕事が生まれない、何も問題は起きないというのなら、
 君は先に帰っていいよ
  
 という風に聞こえてしまう可能性がある、ということですね。
  
   ▼
  
 この問題に対する解決策として、まず意識するべきは、部門のリーダーの方が、
  
 「あと、何も仕事がないようなら、帰っていいよ」
 「何の問題もなければ、帰っていいよ」
  
 という「認識」を変えることです。そもそも新入社員に「帰っていいですか?」と問われることから、話が「本末転倒」しています。
 そもそも「就業時間後」に「帰宅すること」に「条件」は存在しません。「あと、何も仕事がないようなら・・・」とか「何の問題もなければ・・・」とかいう条件は、本質的には必要はないのです。
  
 就業時間が終われば、帰っていい
  
 のですから。

 むろん、就業時間内に仕事が終わるように、業務を調整することが、リーダーやマネジャーの仕事の「大前提」にあることは言うまでもありません。要するに、すべてが「本末転倒」しているのです。 
  
  ▼
  
 今日は、些細な言葉ひとつで「残業」が生まれるメカニズムについて、朝寝起きの20分で考えてみました。この文章をうっている今も、相変わらず寝ぼけています。
 ああ、TAKUZOが起きてきた。夜も明けてきた。しっかし眠いわ(笑)。

 残業が発生するメカニズムとしては、今日ご紹介した「些細な言葉の解釈」以外にも、上司の働き方やマネジメントのあり方、職場の雰囲気、そして評価の仕組みなど、さまざまな根深い問題が「規定要因」になっています。そういう話は、また今度にしましょう。
  
 さて、皆さん!
  
 あなたは、「あと、何も仕事がないようなら、帰っていいよ」とか「何の問題もなければ、帰っていいよ」と、何気なく言われたことはありませんか?
  
 あるいは、
  
 あなたは、「あと、何も仕事がないようなら、帰っていいよ」とか「何の問題もなければ、帰っていいよ」と、ついつい口にしていませんか?
  
 一見「許可する」ようでいて「不許可」であるメッセージを、他にも発していませんか?
  
 そして人生はつづく
  
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