2017.10.4 06:11/ Jun
学生「先生、僕、卒業後は、XXXに就職になりそうです」
先生「そうなんだ、すごいじゃん、おめでとう!あれっ、でも、君さー、今年、卒業だっけ?」
学生「いいえ。違います。2年後ですね」
先生「なのに、もう、働くところ、決まっちゃったの?」
学生「いや、今、インターンで働いてて、このまま就職することになりそうです」
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これは、ここ数年、知り合いの学生や先生から、たまに聞くようになった会話の「事例」です。
会話の詳細は思い出せないので、仮想的に書いてみました。しかし、これに類することは、今、確実に増えてきているような気がします。
思えば、「かつての就職活動」は、
・4年間のうち、決められた一時期に
・みんなが同じタイミングで
・同じリクルートに身をつつみ
・同じゲート(大手就職サービス)から入って、
・同じスタイルでやっていた
しかし、企業にも、大学にもよるとは思いますが、最近の就職活動は、どうもそうではない「パス=ルート」が次々と生まれているような気がします。その状況を思いつくままにあげてみると、
1.就職活動が「アンダーグラウンド化」している
=先ほどの事例のように、何が就職活動につながるか
わからない。インターンがきっかけしれないし、バイトかも
しれないし、アプリのコンクールやビジコンかもしれない
2.就職活動時期が「曖昧化」している
=いつ決まるか、決まっているのだか、明瞭じゃない
=いつ終わるのか、終わらないのかも、自分で決める
3.就職活動時期が「プライベート化」している
=就職活動が「みんな同じタイミング」にするものだったのが
ひとりひとり「個別化」していく
結果、何が起こるかというと、
「就職活動が4年化していく」
ということです。
つまり、大学時代4年間のうち、「一時期」に行うはずのものであった就職活動が、「4年間のうち、いつ、はじめてもいいし、いつやめてもいいもの」になっていく。
言葉を換えれば、
「就職活動が4年間のうちに、個々人で、達成できればいいもの」
になっていくということです。
それはたとえてみれば「自由恋愛」のようなメタファで形容できるかもしれません。
今までは「集団お見合い」で、「雇用したいもの」が「雇用されたいもの」と同じタイミングで、同じように出会っていた。
それが「自由恋愛」になって、4年間で、雇用したいものと、雇用されたいものが、好き勝手に、自由に出会えばいいものになってきているということです。
しっかし・・・書いていて、なんか、この話題、デジャブ感があるな、と思っていたら、3年前にすでに僕は「未来予測」をしておりました。
「これからの就活に起こる3大変化」ということで、ちょっと使っている用語は異なりますけれども、それに類することが、今、少しずつ現実になってきているような気がします。
これからの就活に起こる3大変化
http://president.jp/articles/-/11812
「4年化する就職活動」では、明瞭なキャリアをもち、早く動きだした方が、メリットを受けられる可能性が高まります。とくにハイポテンシャル層は、有利になります。「みんな同じ就職活動時代」は、みんなと同じでなければならなかった。しかし、それが自由になり、自由に出会えるようになる。
もちろん、基本的に「職探し」というのは「雇用したい人」と「雇用されたい人」が、職業選択の自由に基づいて、ペアを組めばいいのですから、それ自体が悪いことではまったくありません。
しかし、学生にもいろいろな学生がいます。
まだ何も将来のことをかんがえたことのない学生
働くことのリアルが、まだピンときていない学生
こうした学生と「はやく動きだした学生」との間の「格差」はさらに広がっていく可能性があるような気がします。
それは、社会全体の功利を考えた場合、同世代の就職率とも深く関係してきますし、「手放し」で喜べないところもありそうです。
また大学教員としては「学業」と「仕事」の両立も、大変気になるところです。「そんなに焦らず、勉強しなさい」と言ってしまいたくなる衝動がうまれます。
また、就職協定下にある企業と、そうでない企業では、スタート時期が異なります。このあたりの「格差」に関する議論も、イシューであるような気がします。
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今日は「4年化していく就職活動」について書きました。
関係者の方にとっては、おそらく、何をいまさらジローな記事だったとは思いますが、世の中は、確実に変化し続けているような気がします。僕は就職や採用の専門家ではないので、これが「よいこと」か「よくないこと」かはわかりません。しかし、変化の兆しを感じます。
そして人生はつづく
ーーー
追伸.
サイボウズさんのオウンドメディア「サイボウズ式」に取り上げていただきました。心より感謝いたします。鳥井さんとの「多様性に関する対話」面白いものでしいた。また、企画をくんでくださったサイボウズの明石悠佳さんに心より感謝をいたします!ありがとうございました!
違いとか多様性って、コストがかかると思いませんか──? 東京大学准教授・中原淳さん×株式会社Wasei代表取締役・鳥井弘文さん
https://cybozushiki.cybozu.co.jp/articles/m001352.html
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