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2017.9.22 05:58/ Jun

ハイポテンシャル人材とは「手のかからない人材」ではなく「スポットライト人材」である!?

 リーダーシップを発揮できて、やりたいことがあるような魅力的な新入社員ほど、すぐに辞めちゃうんですよねぇ・・・。ハイポテンシャル人材の「早期離職」の問題を、なんとか解決したいのですが・・・。
  
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 先だって、都内某所で「新人育成」について、人事・人材開発関係者の方々と議論していたときのことです。ある人材開発担当者の方が、このような類いのボヤキをなさいました。まことに、お仕事お疲れさまです。
 上記のご発言、ICレコーダーを回していたわけではないので一字一句同じというわけにはいきませんが、趣旨は、さほど変わらない、と思います。この日は、実務を担当なさっているみなさまと、大変興味深いディスカッションができたことを嬉しく思います。本当におつかれさまでした。
  
  ▼
  
 リーダーシップを発揮できて、やりたいことがある魅力的な新入社員
  
 要するに、要素分解いたしますと、
  
 1.すでに、仕事を通じて、自分が成し遂げたいものが決まっていて
 2.それに向かって、他者を巻き込むことのできる
 3.ハイポテンシャルな人材
  
 ということになるのでしょう。
  
 問題は、こうした人材を「早期離職」させず、いかにパフォームさせ、成果をあげてもらうかです。
 当日は、皆さんであーでもない、こーでもないと議論をさせていただきましたが、人事・人材開発の方々のご苦労は承知しつつも、こうした人材を「ひきとめておく」のは、「限られた術」しかないだろうな、と僕は考えていました。まぁ、皆さん、うすうすは感づいていらっしゃるとは思いますが・・・。
  
  ▼
  
 先ほどの要素分解のなかで、もっともシビアなのは「1」の「すでに、仕事を通じて、自分が成し遂げたいものが決まっている」という部分です。こうしたハイポテンシャルな人材は、「もう、目指すべき山が決まっている」のです。
 こうした人材の場合、やはり「通常のジョブローテーション」のなかに押し込めて、一般の新入社員と同じようなキャリアを歩ませてしまっては、「早期離職」につながってしまうだろうな、と考えました。
  
 一般に、
  
 ハイポテンシャル人材とは、ハイメインテナンス人材
  
 です。
  
 ハイメインテナンス人材とは「ひきとめておくための維持コストがかかる:コミュニケーションコストがかかる人材」ということです。
 こうした人材の上長になった方は、こうした人材に対して、とりわけ、コミュニケーションの機会を増やし、彼らに「挑戦的な課題」を与えなくてはなりません。
   
 別の言葉で言い換えますと、
    
 ハイポテンシャル人材とは、常に、「スポットライト」を浴びさせ続けなければならない人材
  
 でもあります。
 常に、彼らが活躍したい「演目」と「舞台」を用意し、「スポットライト」を浴びせて、活躍させる度量や腹くくりがない限りにおいて、こうした人材を「組織に引き留めておく」のは大変難しいものがあります。そういう意味で、大変「手がかかります」。
  
 何を新入社員のくせに、生意気な!

 と言いたい気持ちはよくわかります。
 しかし、そうした「人材」を採用したのは「会社」です。自由な意志と自由な選択から、会社は、そうした人材を「採用」しました。ゆえに、こうした「スポットライト人材」に対しては「ハイメインテンス」を行うことに、人事も現場も「腹をくくる必要がある」ということになります。
   
 しかし、世の中では、よく誤解されているなと思うことのひとつに、
  
 ハイポテンシャルな人材は「手のかからない人材」である
  
 というものがあります。
  
 たしかに「一から中まで教え込まなくてもよい」という意味では、ハイポテンシャル人材は「手のかからない人材」かもしれません。
 しかし、先ほどから申し上げておりますように、「別のところ」では「大変手がかかります」。
 それは、彼らがパフォームするべき「演目」「舞台」と「スポットライト」を用意して、コミュニケーションコストをあげていくということです。くどいようですが、ハイポテンシャル人材は、ハイメインテナンンス人材なのです。
  
 また、この問題は別の難しさもあります。
 ややこしいことに、ハイポテンシャル人材に対して「特別感」を演出すればするほど、ハイポテンシャル人材「以外」の一般的な社員は「白けて」いく傾向があります。あるいは「いじけて」いく。
  
 あのひとばっかり、ずるい
 もうわたしは、会社から必要とされていないんだ
 もう、あのひとと、わたしでは、コースが違っちゃっているんだ・・・
  
 なので、このブログにおいて、わたしが申し上げたことは、人事・人材開発担当者の方は、ハダカンではわかっていつつも、なかなか実行にうつせないところなのかな、と思います。
 会社によっては、最初から「特別なキャリア」を歩ませる会社もありますが、それは少数派だと思います。一般的なのは、人事ー現場のマネジャーが「問題意識」を共有し、ハイポテンシャル人材に対して丁寧なコミュニケーションを行っていくというものでしょうか。

 でも、世の中のマネジャーの多くは、

ハイポテンシャルな人材は「手のかからない人材」である
  
 と思っているので、これもなかなか難しいのです。そういう認識をアンインストールしてもらい、スポットライトを浴びせたり、舞台を用意するコストを準備する必要があります。
  
 ▼
  
 今日は、ハイポテンシャル人材の早期離職について書きました。
   
 みなさんの会社のハイポテンシャル人材は、活躍できる「舞台」と「スポットライト」がありますか?
 ハイポテンシャル人材に対して「メインテナンスコスト」を払っていますか?
  
 そして人生はつづく
  
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