2017.9.21 06:23/ Jun
朝っぱらから「問題」です。
およそ100年前に「はかり」を創っていた会社で、
いまは「人工知能」の開発などをしている会社はどこでしょう?
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答えは、IBM( International Business Machines Corporation)ですね。
IBMの前身であるC-T-R社の創立は1911年。当時、会社は「はかり」などの計測器をつくっていました。
しかし、みなさま、よく、ご存じのようにIBMは、何度も「転身」を重ねます。
1950年代に、BtoB向けの大型コンピュータ(メインフレーム)を市場に送り出し、それが飽和しはじめると、PC市場をつくります。
PCが飽和しそうなころには、モバイルPC市場を開拓し、Thinkpadを世の中におくりだします。当時、1990年代ー2000年代初頭、僕もIBMのThinkpadには、大変お世話になりました。
しかし、それも長くは続きません。モバイル市場が飽和しそうになると、今度は、部門を売却。先んじて、プライスウォーターハウスクーパースのコンサルティング部門を買収し、ソリューションビジネスをつくりあげます。
現在のIBMは、人工知能などの技術を中核に、企業革新の支援や、ソリューションやサービスの提供を行う会社になっていることは、よく知られているとおりです。「Machine」のコア技術を中核にしながら、さまざまに変化し、市場に適応していきます。
個人的に興味深いのは、IBMのもつ「転身力(知らんぷりして、いつのまにかドメインをかえる力)」です。
おそらくは数年前、10年前くらいに「危機」を予測する。
予測通り「危機」はおとずれ、「忍耐の時期」がはじまる。
しかし、そこで「転身力」が発揮されます。
「レジリエンス」の発揮ともいってもいいかもしれません。
かくして、必要に応じて、部門売却などを行いつつ、「知らないうちに、いつのまにかドメインを変えていく」のです。
もちろん、IBMのこの「転身力」の高さは、組織自体が「外資系」であること、雇用流動性の高い労働慣行に支えられていることは言うまでもないことでしょう。
「華麗なる転身」の背後には、「リストラクチャリング」や「事業売却」が存在します。しかし、その分を考慮にいれても、「転身力」の高さは、目を見張るものがあります。
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環境や市場が急激に変化している場合には、「転身力」が求められます。
そして、それは「組織」だけではなく、「個人」にとってもそうかなと思うのです。
個人の場合は、「切り離そう」にも「身体の部位」を切り離すことはできません。
そりゃ、「ホラー」だわ(笑)。
個人の場合、切り離すべきは「マインドセット」の方かと思います。
「過去には通用していたけれど、今現在は、環境が変わり、もはや通用しない遺物」を切り離すことを「アンラーニング」といいます。アンラーニングは、極めて難しい課題です。とりわけ「マインドセットのアンラーニング」は極めて難しいのです。
人は、いったん安定してしまうと、
「なりふりかまわず、もがいていた若い自分」
に戻れないからです。
しかし、くどいようですが、それでも「環境は変化」していきます。今日も、明日も変化していきます。
「知らんぷりして、いつのまにかドメインをかえる力」は、いまや、個人にとってももっとも必要な資質なのではないか、とすら思ってしまいます。
「華麗なる転身」でなくてもいい。むしろ「愚直に環境をみつめ、転身をはかる知性」を発揮したいものです。
いまの、あなたには「転身力」が必要ですか?
いまの、あなたの環境は「10年後」も「安泰」ですか?
今のあなたは「船倉に穴のあいた大型客船のなかで、カクテルパーティ」をしていませんか?
そして人生はつづく
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