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2017.9.14 06:25/ Jun

部下を見切って「個人プレー」で業績達成するマネジャーはどのように「評価」されるのか?

※9月15日(金)のブログは、珍しく「出張中」につき(笑)、おやすみです。カミサン、まことにかたじけない。次は、19日火曜日の更新になります。どうぞよろしくお願いいたします。皆さん、よき週末を!
  
 皆さんの組織では、管理職の個人プレーは評価されますか?
    
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 今、仮に、3人の部下を率いるマネジャーAさんがいるとします。
 Aさんは、マネジメントを行っていますが、しかし、自分でもチームの業績の一部をおっている、いわゆるプレイングマネジャーだとします。
    
 Aさんのチームは、不幸なことにメンバーはあまり「有能」ではありません。若いメンバーが多いので、まだ経験が浅いようです。育てるのは、時間がかかりそうです。
     
 Aさんは、このチームでどのように業績達成しようかと、「期初」に考えました。
 結論からいうと、3人の部下を育てることはあきらめ、自分の能力でチームの数字を達成することにしました。かくして、上半期がはじまりました。
    
 上半期がおわり、「期末の結果」は、こうでした。
   
 まず、「チームで追わなければならない数字」は、Aさんの個人プレーで達成することができました。当然ですが、Aさん個人の業績も達成することができました。
 しかし、Aさんの部下は、3人とも「個人での目標数字」は達成することができませんでした。部下の中には評価がさがり、メンタル面で体調を崩すものもいました。
  
 要するに、下記のような状況です。
   

   
 さて、皆さんの組織では、このような状況はどのような評価がなされるでしょうか?
 これは「まる」、それとも「ぺけ」?
    
  ▼
  
 この問題は、先だって、あるところで、ビジネスパーソン数名と話していて、このような状況について非常に議論が盛り上がったものです。状況をわかりやすくするために、あえて「戯画的」とも言えるほど、極端に描いていることはご容赦ください。
  
 ビジネスパーソン数名とわいわい話しておりましたが、ある会社では、Aさんは「ぺけ」でした。しかし、別の会社では「まる」でした。ぱっくりと状況の評価が割れました。
  
 このような状況では、「チームで追わなければならない数字」も「数字上」は達成していますが、裏側では「未達」と見なされる会社もありました。反対に「個人プレー」であろうと、なんであろうと、達成すればOK!というところもありました。
  
 さて、皆さんの組織ではいかがでしょうか?
 このような「個人プレーでの業績達成」は評価されますか? それとも「ぺけ」ですか?
 また、こんな「個人プレー」は、皆さんのまわりでは目にしますか?
  
 そして人生はつづく
  
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