2017.9.6 06:25/ Jun
晩年になると、人生におけるいろいろな記憶が「一本線」ではなく「万華鏡」のように去来する
鷲田清一「死なないでいる理由」
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哲学者・鷲田清一先生のご著書「死なないでいる理由」のなかに、こんなくだりがでてきます。
晩年になると「記憶」が「一本線」ではなく「万華鏡」になる
今年で42歳になる僕は「晩年」という年齢には、まだまだ達していません。晩年は、まだまだずっと先の地平にあるものです。ですので、鷲田先生がご提示なさった、この「万華鏡」のイメージは、今の自分には、わきません。
しかし、「現在の自分」でも、「かつての自分」と比べて「記憶の変化=時間感覚の変化」は感じとることができます。とりわけ「共働きの子育て」をしている今の僕の感じる時間感覚は、「以前のそれ」と似てもつかないくらい、変化しました。
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僕の家は「共働き × 僕も妻も地方出身者 × 子育て中」ですが、本当に一日、一週間、一年があっという間に過ぎます。「瞬き」をすれば、一日がはじまり、そして終わっている。
朝5時に起きて
子どもの勉強を見て
保育園に子どもをおくり
会議や原稿や講演や授業やゼミにあけくれ
子どもを迎えて
9時には寝て
また朝5時に起きる
朝5時に起きて
子どもの勉強を見て
保育園に子どもをおくり
会議や原稿や講演や授業やゼミにあけくれ
子どもを迎えて
9時には寝て
また朝5時に起きる
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僕の一日は、このサイクルの繰り返しです。
こんな生活を繰り返し繰り返ししておりますと、
ぼくにとって「一日の記憶」は「一日の始点」に集約されていきます。
つまり一日を「朝5時の1点」のように感じるのです。
実際、「ある日の朝5時」に起きたとおもったら、気づけば「次の日の朝5時」になっている感覚です。
つまり一日は「点」になるーーー
点が7回繰り返されれば一週間。それが30回繰り返されれば一ヶ月です。
だから、今の僕にとって、日々の生活は「点描」のようなものです。
無数の点が、そこにはあるーーー
そして、今の僕にとって、一年は「一枚の絵」のように感じられます。
無数の点からなる「一枚の絵」
気づけば「元旦」を迎え
はっと我にかえれば「夏」になり
毎年と同じように「年の瀬」を過ごす。
気づけば「元旦」を迎え
はっと我にかえれば「夏」になり
毎年と同じように「年の瀬」を過ごす。
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気づけば、一枚一枚と「絵」が増えています。
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今の僕にとって、一日とは「点」、一年とは「一枚の絵」
遠い過去を思い起こしてみると、かつて10代-20代の頃は、もう少し違ったメタファであったようにも感じます。
はやく大人になりたかったあの頃は、一日は「永遠」のように長く感じましたし、一年一年が「長い劇」のようにも感じました。
このように「時間感覚」とは、その人の置かれた「社会的境遇」によって変化するもののようです。
おそらく、「一日は点、一年とは一枚の絵」である僕の現在の時間感覚も、子どもの成長とともに変化してくるのでしょう。ま、そうなって欲しいけれど。
今のあなたにとって、一日とは、どのように感じますか?
今のあなたにとって、一年を何かに喩えるのだとしたら、それは「何」ですか?
そして
かつてのあなたにとって、一日、一年は、どんなものでしたか?
そして人生はつづく
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