2017.8.23 07:19/ Jun
最近、研究会のために「レジリエンス」にまつわる海外論文を調べていて、面白い喩えに出会いました。ここで「レジリエンス」とは、「逆境にもめげずに、復活する力」くらいにとらえていただければ、と思います。
レジリエンスーすなわち「逆境回復力」は、ここ5年ほど、よく主張されるようになった概念です。人間、生きていれば、さまざまな「逆境」にぶち当たります。そんなとき、いちいち、それに「心折れて」いては、そのたびごとにシンドイ思いをしてしまいます。
俗に、世の中にさらに「不確実性」が増しているといいます。
不確実性が増して、曖昧な世の中になればなるほど、「逆境」が生まれてしまう可能性もあるでしょう。よって、「レジリエントな個人」を育成することは、社会的な課題になりつつあるのかな、と思います。
閑話休題
さて、冒頭で、僕がレジリエンスに関して面白い喩えだな、と感じたのは、子ども(人間)には、その傷つきやすさから考えるに、3種類の人がいる、という喩えです(Anthony 1987)。
具体的には、
「落としてしまうと、すぐに粉々に砕けてしまうようなガラス製人形」
「傷がすぐについてしまうようなプラスチック製人形」
「まったく傷がつかないスチール製人形」
という3つの種類の人間がいる、といいます。
「ガラス」か「プラスチック」か「スチール」か(笑)その傷つきやすさ、もろさを3つの人形に喩えたのでしょう。
さて、皆さんだったら、自分は、どれに該当すると思われますか?
また皆さんの周囲の人々は、どれに該当すると思われますか?
先だって、僕は、うんうんと考えて、自分は、まず「ガラス人形」じゃないな、とも思いました。また、同時に「スチール人形」でもないな、と思いました(見かけによらず・・・傷つきやすいんで、優しくして欲しいです)。
ただ、すぐに傷がついてしまう「プラスチック人形」かというと、どうも、それは「目指すべき方向」ではないな、とも思いました。もし僕が、僕の環境で、「プラスチック人形」であるならば、日々、表面に無数の傷がついて「ザラ目」になっていることでしょう(笑)もうね、ゴリゴリよ。
結局、到達したのは
僕は「ゴム製のおきあがりこぼし」でいたい
ということでした。
図工2が描いてみると、こんな感じ。
「ゴム製のおきあがりこぼし」は、「ゴム製」なので、見た目はあんまりよくなくないかもしれない。しかし表面には傷はつきません。そして、すぐに倒れて、でも、起き上がる。
上記の「おきあがりこぼしの絵」が、なぜか「バーバーパパ的」になってしまったのは、よくわからないけれど(笑)、まぁ、それはいい。ただ、さまざまな衝撃に「いったんはただちに倒れ」、しかし「起き上がる」。僕は、これが理想かもしれないな、と思いました。
もうね、バーバーパパでいいよ、おれは(笑)。
皆さんは、いかが思われますか?
秀逸なメタファをお聞かせいただけることを楽しみにしています。
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今日はレジリエンスについて、のらりくらり考えてみました。
将来の見通しが曖昧で不確実になればなるほど、心折れない個人を育成することは、「みんなの課題」になっているような気がします。
小生も、自らの「レジリエンス」を高めたい、激しい毎日を生きています。
そして人生はつづく
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