2017.8.10 06:39/ Jun
「AI : 人工知能」で何でも置き換えられると安易に考える人こそが、AIに置き換えられる
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最近、そんなことをよく思います。
まぁ、また口が滑って言い過ぎているかもしれませんが、要するに言いたいことは
巷で流行の「AI置換論」に乗せられて「思考停止」していることの方が危険だよ
ということなのかもしれません。
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仕事柄、企業の人事、開発研究の最前線の人々とお話をする機会があります。3日に1度くらいは「AI置換論」が、どなたかからの口から出て、あーだこーだ議論することになります。
そのようなときに企業の最前線の人々から伺う話は、世間で言われている「AI置換論」とは少しトーンが違います。
将来の人員構成や人手不足の現状を見定めたうえで、どの部分を機械にまかせ、どの部分を人間に行わせるかを冷静に考えているのです。世の中が「熱い頭」でAIを捕らえているならば、こちらは「冷めた頭」で将来をみすえます。
企業の人々からは、様々な生々しいお話を伺うことができます。
今の企業の中には、本当に「AIを活用すること」よりも、「AIを活用しているというニュース」をつくりたい企業が多いですよね
AIを活用するにしても、投資コストを試算すると、全然、割にあわないんですよ。そんなにかかって、この程度なら、人間がやったほうがいい
人々の不安を煽った方が得する「AI屋」が暗躍しているのです。不安に乗じて大規模にシステムを改築しましょう!となったり、国の補助金を取りに行きましょう!という話になるのです
ある外食の人事責任者の方は、こんなことをおっしゃっていました(研究室におこしいただきありがとうございました!非常に興味深いお話でした!)。
実際、そのような店舗を作ってみるとですね。注文を無人化するとか、AI化するとかはできるのです。しかし、それ以外は、コストがかかりすぎて難しいのです。
たとえば厨房の作業をAI化するとします。レタスをのせるという作業を機械にやらせるのですが、レタスは「ふんわり」のせなければならないのです。この「ふんわり」を表現してやらせるのは莫大なコストがかかる。だったら、人に1分間くらいかけて教えてやってもらったほうがいい。
また、現在の顧客は「カスタマイズ」を要求してきます。オニオンを抜いて、わさびを抜いて、汁を多めに、といったような「カスタマイズ」を機械化しようとすると、莫大なコストがかかるのです。
AIさんは、「レタスをふんわり」とか、そういうのが難しいんだね。
しめしめ(笑)。
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有史以来、人類の歴史は、自ら「道具」をつくり、環境を変える歴史でした。その中で、人は、自分がやるべき仕事、自分の役割を「再定義」しながら、道具と共存しつつ、生活や仕事を楽にしてきました。
人間は「コンピュータ」を発明し、それが、今、「AI」に結実しようとしています。そして、その開発スピードは、さらに速くなっていくでしょう。
そうした人類の歴史をひもといてみても、大切なことは、つくりあげた「道具」におそれおののき「脅威」と見なすのではなく、冷静にとらえ、「自分がやるべき仕事」や「自分の役割」を「再定義」することだと僕は思います。そのうえで、道具には代替できない「自分の能力」を高める努力をしていかなければなりません。
冒頭で述べた
「AI(人工知能)」で何でも置き換えられると安易に考える人こそが、AIに置き換えられる
はやや言い過ぎかもしれません。
が、要は「流行」にのせられ「思考停止」するのではなく、自分の役割を再定義し、能力を高める努力から逃げないことだと僕は思います。自戒をこめて。
そして人生はつづく
(ブログを本日再開したのに、大変恐縮なのですが、明日8月11日から8月14日までお休みをいただきます。8月15日にまたお逢いしましょう! それではみなさまよき夏休みを!)
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