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2017.7.19 05:38/ Jun

ギックリ腰になってわかった「休息できないわたし」!?

わたしは、人間のあらゆる「不幸」は、たったひとつのことから来ている、という事実を発見してしまった。人は「部屋の中にじっとしたままでは居られない」ということだ。
(中略)
彼は考える。もしあの地位を得ることができたなら、そのあとは喜んで「休息」をとることにしよう、と。彼は知らないのだ。自分の欲望がどんなに「貪婪」な性質をもっているか、を。自分は、心の底から「休息」を欲していると思い込んでいるのだが、実際に求めているのは「興奮」することなのだ。
   
(パスカル「パンセ」より)

   
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 先週末は、僕にとって「最大の試練」でした。
  
 忘れもしない先週金曜日の朝5時頃。いつものようにブログを書きながら、「大きなクシャミ」をした、その瞬間です。「腰」に激痛が走り、そのまま、帰らぬひと(!?)・・・じゃなくて、「ギックリ腰」になってしまいました。
  

  
 ぎっくり腰を「魔女の一撃」とはよく言ったものです。少し動くたびに、魔女が「鋭い杖」を我が腰に突き刺し、「激痛」が走ります。
 結局、腰から上体が、40度くらい前にまがったまま、動かぬひと(!?)・・・動けぬひとになってしまったのです。
 あべし。
   
 しかし、実は、金曜日は休んでいられない事情がございました。
  
 金曜日は、ある会合があり、どうしても、そこに出席して、ある案件をご審議いただけなければならなかったのです。車にのって、這うように大学にいきました。
  
 研究室から、会議の部屋までは、ふだんならば歩いて10分くらいでしたが、金曜曜日の僕は、40分かけて、何とかたどり着くといった状態でした。上体は折れ曲がったまま。歩幅はいつもの5分の1。キャンパスってこんなに広かったのね、とつくづく思いました。
  
 幸い、無事、会議場にたどりつき、案件はご審議いただけました。
 しかし、僕は、そのまま病院へ。かくして、週末は「寝たきりの生活」になりました。
  
(週末は講演がひとつございましたので、関係者のみなさま、参加予定の皆様には、ご迷惑をおかけいたしましたことを、この場でお詫びいたします。申し訳ございませんでした。延期になりました講演は、8月26日に再度機会を賜り、実施させていただく予定になっております。どうぞよろしくお願いいたします。)
  
  ▼
  
 週末「寝たきりの生活」をおくり、つくづく思ったことがあります。
  
 なんて「退屈」なんだろう・・・
 なんて「長い時間」なんだろう・・・
 休息しているはずなのに、暇すぎて、休息できない。
 僕に「本当の休息」をください・・・(笑)
  
 そのとき、脳裏に思い浮かんだのは、冒頭に引用させていただいたパスカルの名言です。
  
 冒頭にみるように、パスカルは「人間の不幸とは、部屋の中にじっとしたままでは居られないこと」である、と喝破します。
 その上で、ふだん人は、忙しいときなどは、ある地点に到達したら「休息」をとりたい、と願うものだが、実際にはそれは心の底では欲していない、といいます。実際に求めているのは「興奮」することなのだ、と。
  

  
 実は、ぎっくり腰になり、週末3日間は、おそらく寝たきりになるであろうことが確定したその日。僕は、ひそかに「久しぶりに休めるな」と思いました。
 最近、本当に忙しく仕事をしておりましたので、不幸中の幸いで、この機会をつかってエネルギーチャージを行おうくらいは、思っていたかもしれません。
  
 しかし、実際に体験した自宅蟄居?の生活は、本当に苦しいものでした。
 退屈すぎて、退屈すぎて・・・いや、もう。
 かえって、疲労困憊しました。
 先ほども申し上げましたが、「休息」したはずなのに「休息」になっていません。
 どなたか、わたしに「本当の休息」をください・・・(笑)
    
  ▼
  
 今日は「休息すること」について書きました。
  
 もちろん、忙しい日々が続いている人々に、安息の日々が必要であることは言うまでもないことです。が、長すぎる、それは、少なくとも僕にとっては、かなり厳しいものであることを、僕は、ギックリ腰から学んだ気がします。
  
 あと数年たてば、僕も仕事人生の折り返し地点。そろそろ、セカンドキャリアのことも遠くにボンヤリと見えかけてきます。
 その際、地位から降りるのはまったく全然よいけれど、「部屋の中にじっとしたまま」にだけはならないようにしなければな、と心の底から思いました。
  
 あなたは「部屋の中にじっとしたまま」でいられますか?
 そして
 あなたが欲しているのは、本当に「休息」ですか?
  
 そして人生はつづく
  
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