2017.6.30 06:25/ Jun
先だって、ある会合の席上で、ポジティブフィードバックについて議論になりました。議論になったのは、世の中では「フィードバック」というと、「ネガティブフィードバック:耳の痛いことを通知して、立て直すこと」が注目されがちだけど、ポジティブなものーすなわち「ポジティブフィードバック」も必要だよね、というお話です。
拙著「フィードバック入門」では、フィードバックには「ポジ」も「ネガ」も必要であることを明記しつつ、しかしながら、その「二分法」にとらわれないことの重要性を書かせていただきました。僕がお話ししたかったことは、ポジとネガを分けて、どっちが先か、どっちが有用か、という議論をすると、結論はつかない、という指摘です。
むしろ必要なことは「鏡」になって、相手に、今の相手の状況をしっかりと伝えることである、と書かせていただいたのです。
が、ここからは僕自身の反省点なのですが、その後の本の記述は「ネガティブなフィードバック」の記述が多くなっており、ポジティブフィードバックについては、あまり触れられていないという欠点があったように思います。汗顔の至りです。次回作?では、ぜひ、こちらについても触れていこうと思います。
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「もう遅いわい!」と激しいツッコミを受けそうですが、ポジティブフィードバックについて、ここで書かせていただくこうと思います。
しかしながら、ポイントはそれほどネガティブフィードバックと変わりません。ポジティブフィードバックにおいても、ネガティブフィードバック同様、相手の「SBI情報」をしっかりと観察し、それを具体的に行動レベルの表現で、相手に通知することです。
SBI情報とは、
Situation(状況) : 「 」さんの、「 」のとき(状況)の
Behavior (行動):「 」の行動が
Impact (成果):「 」のような点でよかったと思います
が一揃いになった、相手の状況に関するデータのことですね。
要するに、ワンセンテンスでいうと「なるべく具体的に」です!
フィードバックとは、相手への情報通知による、行動の強化と修正なのですから、強化したい行動や修正したい行動を、なるべく具体的に告げることが重要です。
そして、そのためには「相手を観察」していなければなりません。リーダーシップとは「観察」にはじまり、「観察」に終わるものだと僕は思います。
このように「SBI情報を明示した具体的なポジティブフィードバック」に対して、あまり相手に「刺さらない」のが、
「ざっくり、ばっくり、頑張ってるね」
とか
「まるっと、いいじゃん」
といってしまうようなフィードバックである、と教科書的には言われております。
相手のことを賞賛しているようで、何が「頑張ってるね」なのか、何が「いいじゃん」なのか、さっぱりわかりません。
これは激しい自戒をこめて書かせていただきます(冷や汗)。
僕自身は、どうもこの「ざっくり、ばっくり、ポジティブフィードバック病」に罹患しているような気がします。だから書かなかった(笑)いや、そんなことはない。これからは、ちゃんと観察します。ちゃんと表現するようにします。
す、す、すみません(冷や汗!)
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今日はポジティブフィードバックについてざっくり、ばっくり、自虐的に書かせていただきました。
皆さんは、ざっくり、ばっくり、フィードバック病にかかっていませんか?
嗚呼、今日で今週も終わりです。
今週もスパイシーでした。
そして人生はつづく
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女性活躍が進まないのは「ロールモデルがいないから」は本当か?
https://www.ti.tohmatsu.co.jp/npro/2017/report/detail/article08.html
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新刊「フィードバック入門」の内容を数時間のワークショップにさせていただくことになりました。2017年8月8日(火曜日)、小生が登壇し「フィードバックの仕方を学ぶ」体験ワークショップを開催させていただきます。耳の痛いことを通知し、立て直す技術。当日は、映像ありーの、実習ありーのの場になると思います。下記は「フィードバック」の特設サイトです。もしご興味がありましたら、ぜひお越しくださいませ!
フィードバック入門特設サイト
http://www.php.co.jp/seminar/feedback/
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