NAKAHARA-LAB.net

2017.6.6 06:03/ Jun

「手厚い新人教育+遅い昇進+長い実務担当者時期」が生み出す「働く意欲の気枯れ」モデル!?

 ウートピさんの取材で
   
 入社5年目以降の女性が「もうええわ!」とやる気を削がれる本当の理由
  
 という記事が公開されています。もしご興味がございましたら、御笑覧くださいませ。
  

入社5年目以降の女性が「もうええわ!」とやる気を削がれる本当の理由
http://wotopi.jp/archives/56658
  
この記事は、
  
 1.「手厚すぎる」ほどのコッテリした新人教育
 2.「遅い昇進」のあいだにポッカリとあいた
 3.長い長い実務担当者の時期
  
 に会社や組織からのフィードバックやメッセージングが極端に不足することで、僕らのモティべーションは、次第にそがれていくのではないか、という問題提起をさせていただいております。
 そのあとで、とりわけ女性においては、入社5年目までが分水嶺になる、という中央大学の研究知見もご紹介・引用させていただいております。
(*中央大学大学院戦略経営研究科ワーク・ライフ・バランス&多様性推進・研究プロジェクトが、国内大手企業8社を対象に実施した調査結果。「社員のキャリア形成の現状と課題(2016)」)
   
 この記事に紹介されているイラストの元ネタは、かつて、「実務担当者気枯れモデル?」として、僕のブログでご紹介させていただいたものですね。
  
グローバル人材育成とは「グローバル風研修」をすることではない!:「実務担当者・気枯れモデル」を改革せよ!?
https://www.nakahara-lab.net/blog/archive/6973
  
海外赴任人材を潰してしまう企業の共通点
http://diamond.jp/articles/-/121684
  
 このときは、グローバル人材育成を説明するときに、使わせていただきました。いろんなところで使える、なかなか重宝する図です(使い回し?、笑)。
  
 しかし、まったく根拠がないモデルでもなく・・・これまでに得ているいくつかのデータセットで、社会人歴を横軸におきながら、モティべーション要因を経年比較していくと、やはりゆるやかな「下降線」が得られます。この図はヘンテコではありますが、間違ってはいないのかな、とも思います。
  
  ▼
  
 やる気やモティべーションの問題を考えるとき、いつも思うことがございます。
  
 先日のシンポジウム(女性の働くを科学する:トーマツイノベーション×中原淳共同研究プロジェクト)でも申し上げましたが、「働くテンションの低さ」「働くことに対するモティべーションの低さ」というのは、たいていの場合、中長期の「学習」によって、後天的に「獲得」されたものであると思います。
  
 「もともとやる気がない」のではなく
 「やる気をそがれる経験」により「やる気の低さ」を合理的に学習している
  
 のです。
  
女性の働くを科学する:トーマツイノベーション×中原淳共同研究プロジェクトhttps://www.ti.tohmatsu.co.jp/npro/2017/
   
 もちろん、生来、テンションが低い、モティべーションが低い人というのはいるんでしょうけれど、まずは、人事・人材開発を生業にするならば、「モティべーションの低い個人」を嘆く前に、「どうして」、モティべーションの低さを「学習」しまったのか? 阻害要因は「つぶすこと」ができないのかを、考えてみたいものだなと思います。
  
 あなたのまわりの「やる気がなく見える人」は、
 なにがきっかけで、「やる気の低さ」を「学習」してしまいましたか?
  
 そして人生はつづく
  
 ーーー
  
注目!
     
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 新刊「フィードバック入門」の内容を数時間のワークショップにさせていただくことになりました。2017年8月8日(火曜日)、小生が登壇し「フィードバックの仕方を学ぶ」体験ワークショップを開催させていただきます。耳の痛いことを通知し、立て直す技術。当日は、映像ありーの、実習ありーのの場になると思います。下記は「フィードバック」の特設サイトです。もしご興味がありましたら、ぜひお越しくださいませ!
  
フィードバック入門特設サイト
http://www.php.co.jp/seminar/feedback/

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