2017.5.31 06:11/ Jun
昨日は、ビジネスパーソンの方々を対象に都内某所で「フィードバック」に関するワークショップを開催させていただきました(秘密の会合でした。お世話になったN先生、Y先生、心より感謝をいたします)。
フィードバックとは「部下やメンバーに耳の痛いことを通知すること+立て直すお手伝いをすることの技術」で、これからリーダーや管理職になる方であれば、その前に身につけておきたいマネジメント手法のひとつだと僕は思います。
昨日実践させていただいたワークショップは、拙著「フィードバック入門」をもとに、最近、必死こいて開発したもので、
1.フィードバックとは何か?
2.フィードバックがなぜ必要か?
3.フィードバックの5つのプロセス(書籍にあるのです)
4.スパイシーフィードバック演習と振り返り(簡単なやり方は書籍にも書いてあります)
から構成されているものです。
まーいうたら、書籍そのものなのですが(笑)、読む時間がない方のために!2時間程度で、フィードバックの基礎の基礎を身につけることができます。
このワークショップの根底にある考え方は、
フィードバックは「自らフィードバックすること」によってしか、上達しない
フィードバックは「自分のフィードバックのやり方に対して、相手からフィードバックを受けることで」上達する
というものです。
要するに、
やってみなはれ、まず、やってみなわからんで
やってみただけでは、あかんで
自分もフィードバックを受けて、振り返りなはれ
ということなのかな、と思います(笑)。
言い換えれば、
フィードバックは「経験学習」で学ばれる
ということですね。
(あのね・・・本当のことをいいましょう・・・フィードバックも、経験学習も、組織開発も、リーダーシップ開発も「同根」なんです・・・4月29日のワンデイセミナーを受講してくださった方には、おわかりだと思います)。
▼
しかし、単に「経験学習せよ」と言っても、なかなか学ぶことができません。
そこで、今回は、僕がケースライティング(九州大学・星野先生に私淑しております。こないだ教わったさっそく用いてる!)を行い、非常に簡単なフィードバックのケースを書きました。
ケースは、
1.フィードバックを行う方(上司用)
2.フィードバックを受ける方(部下用)
の2つに分かれていて、演習はペアになり行います。
ペアは、それぞれ、異なるケースを読み込み、上司役・部下役になりきって、フィードバックを行ってもらいます。
ケースライティングのキモは、
1.上司用、部下用、それぞれのケースには、情報を非対称に載せておくこと
2.あっちをたてれば、こっちがたたないようにしておくこと
3.しかし、それでいて、何とか話を収束できるようにClue(手がかり)はのせておくこと
です。
これ、言うのは簡単なのですが、非常に難しいです(笑)。
今回のワークショップでは2枚ものの非常に簡単なケースを用意しました。
参加者の方々は、それぞれにフィードバックを楽しんでおられるように僕には見受けられました。ご協力まことにありがとうございました。
演習前には
フィードバックのときには、上司は「腕組み」をしないでくださいね
フィードバックのときには、ちゃんと「相手の目」をみてくださいね
と事前には申し上げていたのですが、やはり深刻なケースを前に、だんだんと「防御の姿勢」「攻撃の姿勢」に入っていくのが見て取れました。
このように、
頭ではわかってはいても、なかなかできないのがフィードバック
です。
昨日のワークショップでは、「ストップモーション方式(これは教育技術ですね)」を途中で取り入れて、そのような姿勢の変化にも気づいていただこうとしましたが、いかがでしたでしょうか。
▼
今日はフィードバックのお話をしました。
今、ひそかにマイブームになっているのは、フィードバックのケースを楽しみながらつくることです。実は、最近、PHP研究所の皆さんと、フィードバックのDVDビデオとか、追加の事例書籍とかをつくるプロジェクトをしていて、これがなかなか楽しいのです。
プロジェクトはPHP研究所の方々とご一緒させていただいております。
海野翔太さん、村上雅基さん、林順一さん、的場正晃さんらとはDVD・研修開発、宮脇崇広さん、オフィス解体新書の杉山直隆さんとは書籍の開発でご一緒させていただいております(ありがとうございます)。
フィードバックプロジェクト特設サイト
https://www.php.co.jp/seminar/feedback/
プロジェクトのミーティングでは、みなで「悶絶してしまうようなフィードバック事例」を考えて、
これ、どうします?
まいったねぇ・・・
と皆で悶絶しております。
これが、なかなか楽しい(笑)。
プロジェクトでは、これから様々なアウトプットが出てくるとは思いますが、このような試みを通して、
この国に「フィードバック文化」を根付かせること
が、自分的には、このプロジェクトの壮大な目的です。
何とか皆さんとコラボして、この目的を達成したいと考えています。
壮大すぎるかな?
でもね、昨日、僕は授業だったんですが、一日で3人の大学1年生、2年生にこんなことを言われましたよ。
「先生、フィードバックくださいよ」
「先生、何か思ったこと、聞かせてくださいよ」
「先生、フィードバックしてもらっても、いいですか?」
まー、たぶん・・・この状況は「異常値」なのかもしれないけれど(笑)。
すでに、大学1年生、2年生で、「フィードバック」という言葉の意味を知っていて、自分から求めにくる、というのはね。
でも、こうした学生が、やがて社会に出て行きます。確実に2年後、3年後には。
だから、じわじわと、変わるよ、きっと。
近いうちに、根付くよ、フィードバック文化(笑)。
そして人生はつづく
ーーー
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