NAKAHARA-LAB.net

2017.5.11 06:38/ Jun

「よいディスカッション」はどのようにしたら生み出すことができるのか?

 よいディスカッションは、どのようにすれば生まれますか?
  
 先だって、ある方から、こんなご質問を受けました。
 竹を割ったかのように「シンプルさ」がありつつも、しかし「暗くて深い耳の穴」のような問いです。
 士郎、まだわからんのか、士郎(海原雄山風に読んでください、笑・・・わからない方はごめんなさい)。
   
 シンプルな問いに対しては、シンプルにかえすのが礼儀かな、と思います。
 よって、僕は、下記をもって、この問いの答えとすることにいたしました。
  
 よいディスカッション=よい問い × よいファシリテーション
  
  ・
  ・
  ・
  ・
  ・
  
 嗚呼、腰が砕けてウン●ョスダダ漏れ状態になるほど「シンプル」ですが(笑)、本当にそう思うのだから仕方がありません。
  
 よいディスカッション=よい問い × よいファシリテーション
  
 しかし、右項の「よい問い」と「よいファシリテーション」のうち、どちらが大切か、と聞かれれば、僕は圧倒的に前者の「よい問い」であるとお答えします。
  
「よい問い」のなきところに、どんなに「優れたファシリテーション」があっても、場は白けます。
「よい問い」さえあれば、ファシリテーションは、かなりの程度まで必要なくなるほどかな、とも思います。そのくらい「問い」づくりは重要です。
    
 次に、さらに足りない頭で思考を深めて、「よい問い=ぐっと考えさせる問い」とは何か、ということを考えます。この問いに対しては、僕は、下記のように表現します。
  
「よい問い」=「ほどよいフォーカス」+「ほどよい難度」+「ほどよい意外性」
  
 シンプルすぎるかもしれませんが、ブログなんでお許しください(笑)。
 まず第一に「ほどよいフォーカス」。フォーカスが絞れていない問いは、「ぐっと」来ません。
  
 たとえば、
  
 「日本の政治、さて、どうでしょう?」
  
 と問われてもも、何をどのように答えてよいかわかりません(笑)。
   
 また「難度」や「意外性」も大切です。
   
 まず、難度に関して。「フェルマーの定理をとくくらい難しい」的に難しい、あるいは「そりゃ、世界人類の課題だよ」的な問いを投げかけれても、一般人は、考える気がしません。
  
 また「意外性」も重要です。
 紋切り型の問いは、考える気がしません。
  
 問いとして「ぐっ」とくる前に、わたしたちは、その問いに対して「なに?」と注意を向ける必要があるのです。人々の注意資源を獲得するような問いが必要です。
  
 ▼
  
 今日は、よいディスカッションを、さまざまな諸要素に分解して考えてみました。
  
 よいディスカッション=よい問い × よいファシリテーション
 よい問い=ほどよいフォーカス + ほどよい難度 + ほどよい意外性
  
 ですので、結局は、
 
 よいディスカッション= (ほどよいフォーカス + ほどよい難度 + ほどよい意外性) × よいファシリテーション
  
 という数式が得られました。
 もちろん、これは、僕がTAKUZOのお勉強を見ながら、寝ぼけた頭で考えた数式です。
 なんの根拠もありません。ほとんど持論です。
    
 ところで、今度は皆さんの番です。
 この数式を目にして、皆さんだったら、ご自身で、どのような式をたてますか?
 たとえば、「+」とか「 × 」とかも、いろいろ入れ替えることができると思いますが、いかがでしょうか?
 「ー」とかも使えるかもね。。。ただ、あんまり複雑にしちゃうと、わかんなくなっちゃうよ(笑)。
  
 さて、皆さん、
  
 よいディスカッションを「シンプルな数式」で表現するのだとしたら、皆さんは、どのような数式をたてますか?
  
 これが、僕から皆さんへの「朝の問い」です。
 よい問いかどうかは知りませんが、ぜひ、ご意見をお聞かせくださいませ(笑)。
  
 そして人生はつづく
  
 ーーー
   
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