2017.4.5 06:45/ Jun
なぜ、勉強しなくてはならないんだろう?
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中学生の頃、高校生の頃、僕は、勉強しながら、この「問い」に何度か悩まされました。
かつて、僕は「暗記マシーン」でした。「ほとんど、ものが覚えられない今(泣)」となっては信じられませんが、当時は、どんなものでも、覚えることができました。
しかし、僕は、同時に悩まされていました。
目の前にある数式やら、公式やらが、いったい、自分の将来にとって、何の意味があるのか、さっぱりわからないままに、僕は、覚えていたからです。
なぜ、勉強しなくてはならないんだろう?
という問いを周囲に投げかけてみても、大人からかえってくる答えは、
勉強しなくてはならないから、勉強しなくてはならないんだ
といったもの。
まったく答えになっていない「答え」に、大人が背中を向けたあとに、ときにクスッと笑ったりしました。
あるいは
勉強しなくてはならないのは、あなたのためでしょう(笑)
という恩着せがましい答えももらいましたっけ。
僕はつくづく思いました。
みんな勉強しなくてはならない理由が、わからないんだな
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苫野一徳 (著)「勉強するのは何のため?―僕らの「答え」のつくり方」を読みました。
一読してただちに思ったのは、自分が中学生や高校生の頃に、ぜひ読みたかったなということです。
著者は気鋭の哲学者ですが、本書は、哲学の考え方を示しつつも、「勉強するのは何のため?」という難問に果敢に取り組んでいきます。
「勉強するのは何のため?」という問いに対する答えは、本書の売り上げに貢献したいので「秘密」にしておきますが(笑)、著者が示している考え方は、非常に参考になりました。なるほど。たいへん興味深い書籍をありがとうございます。
本書は「勉強するのは何のため?」という問いに対する「答え」を見つけるために思春期の子どもたちが読む、という読み方がまずは想定されているのだと思います。
しかし、僕個人としては、「問いの立て方を知るために読む」あるいは「考えるために読む」という読み方もできるよな、と思いました。大人には、そうした読み方もできます。
「二者択一のワナ」と「一般化のワナ」という「思考の罠」にハマりこむことをさけ、「よい問い」をたてる。
ニヒリズム(虚無主義)に陥ることなく、自分なりの納得解を見つける習慣をつけるこうした思考訓練の書籍としても読むことができます。おすすめの一冊です。
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読後、僕は、この書籍を、TAKUZOがいつか目にするとよいと思い、本棚にそっとおいておきました。
TAKUZOは、まだ、勉強することの自分なりの意味を見いだせていません
そして
父親である僕にも、彼に、そのことを伝えられていません
嗚呼、もどかしさが募ります。
昨日も夜、そんな話題になりました。著者と同じようなことを、違う表現で伝えているのですが、僕には、それを伝えることはできませんでした。
彼が「自由」になるため、自己を「解放」することができるために、本書をみずから手にとってくれることを願っています。
結局、答えは、自分で見つけるしかないのだから。
親としては、その日を「待つ」しかないのかなとも思います。
我が子が「自分なりの答え」を見いだせる日がくることを願っています。
そして人生はつづく
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