2017.3.8 07:03/ Jun
先だって、トーマツイノベーション株式会社様 × 中原研究室との共同研究の成果発表会が、都内で開催されました。
この成果発表は、今後続く一連の成果発表会の「第一弾」に位置づけられるもので、メディアの記者に限定されて行われたものです。
詳細は、下記のプレスリリースに内容がございますので、ぜひご覧頂ければと思います。
女性活躍推進のメカニズムを解明する調査結果を発表:人事部による細やかな支援と上司による職場改革が女性リーダーをつくる
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20170303.html
この研究において、わたしたちは回答者を「実務担当者」「リーダー」「管理職」という3つの各職位、そして男女(ジェンダー)の2つにわけ、これらを「かけ算」し、6つの社会集団のボックスをつくりました。調査への回答者は5402名。
この大規模データを使いながら、
1.女性・男性がどのようにキャリアを発達させていくのか?
2.そこにはジェンダーでどのような差が存在するのか?
3.人事・経営が、どのような支援を行えば効果的な支援が行えるか?
を明らかにすることを目的としております。
調査結果の詳細は、プレスリリースをご覧頂ければと思いますが、一部だけ抜粋させていただきますと、
1.女性は男性よりも、長く働き続けたいと思っているのに
2.職場にはまだまだ男性中心の職場文化が残っており、キャリアを引き上げてくれる上司の存在に恵まれていない(スポンサー機能が得られていない)
などなどのことがわかってきています。
この他にも、様々なことがわかってきておりますが、それは同社のプレスリリース、また第二弾の成果発表をお楽しみに同社のプレスリリースページでは、PDF書類も公開されています。
現段階で、僕が断言できるのは、
女性個人だけに「頑張れ」という女性活躍推進は不可能である
女性活躍推進は「職場ぐるみ」で取り組まないと、意味がない
ということです。
この意味では、
女性が働く問題は、昨今の「働き方改革」に直結しています。
現在の企業の働き方のいびつさ、窮屈さ、柔軟性のなさが、「組織のなかの弱い存在=女性のキャリア」に、現れ出てくるともいえる
からです。
要するに、僕が申し上げたいのは、
女性が働く問題は「女性だけの問題」ではない「みんなの問題」である
ということであり、実は、この問題を深掘りしていくと「女性であるか、男性であるかは、二の次である」ということです。
そして、働き方の改善は「世直し」である
ということですね。
あーあ、また、言っちゃった。
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ちなみに、当日は、成果発表を行うだけでなく、調査結果をもとに開発された全く新しい研修も行われました。この研修のキーコンセプトは「職場ぐるみ」です。
「職場ぐるみで働き方見直しゼミナール」と題されたこの研修では、1社から管理職・人事担当者・子育て中の女性の3者が参加します。
これら3名の方々が、別々に研修を受け、最終的には、一同に会します。その上で、今後、どのように職場を変えていくのか、そしてどのように働き方を変えていくのか。組織としては何に取り組んでいくのかを、考えるといった内容になっています。研修のコンテンツは、調査結果からわかっていることから構成されています。
当日は70名近くの方にお集まりいただきました。
研修は、全体で集まり目的の打ち込みがなされたあと、管理職、子育て中の女性、人事担当者の3者に別れて実施されます。
調査でわかったこと、調査の知見にもとづいてコンテンツは開発されています。
最終的には、3者が学んだことを持ち寄り、ポスターセッションを行います。今後、どのように職場ぐるみで働き方を変えていくのか。ビジョンをつくっていきます。
70名のご参加いただいた皆様も、本当に年度末のお忙しいところありがとうございました。心より感謝いたします。
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今後は、5月・6月に開催される第二弾の成果発表会に向けて、準備を急いでいます。
第二弾の成果発表会では、これまで行ってきた調査の精緻化を行い、「女性のキャリア発達に関する一枚のマップ」を準備し、公開させていただきたいと考えています。
また、追加の調査や、先ほどの研修の効果測定などを行い、第二弾の成果発表会で公開させていただきたいと思っています。
成果発表会は「無料」で、5月18日に東京、6月14日に大阪で開催されます。1000人規模の成果発表会になる予定で、現在、もうすでに数百名が埋まっている状況です。
もしよろしければ、ぜひこちらにも足をお運び頂けましたら幸いです。
第二回 人材育成イノベーションフォーラム ~女性活躍推進を科学する~
https://www.seminar.ti.tohmatsu.co.jp/system/sem/detail/tokyo/Ud9o4nq2DV/
これらに加えて、専用サイト「女性の働くを科学する」も設けられました。こちらには、これからら成果の公表を順次行っていく予定だそうですので、またお知らせさせて頂きます。様々なコンテンツが追加される予定だそうです。
女性の働くを科学する
http://www.ti.tohmatsu.co.jp/npro/2017/
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最後になりますが、このプロジェクトは、トーマツイノベーション株式会社の眞﨑大輔社長からお声がけをいただき、川合真美さん、田中敏志さん、小暮勝也さん、長谷川弘実さん、伊藤由紀さん、木下桃子さん、飯田裕介さん、村上美奈子さん、池内祥隆さんの同社のメンバー、そして研究者側は中原と保田江美さんが参加し、1年にわたって遂行されました。こうした機会をいただけましたことを、まずは心より感謝いたします。本当にありがとうございました。
特に、プロジェクト代表者であった小暮さん、分析職人の長谷川さん、コンテンツ開発職人の田中さん、木下さん、広報職人の池内さんには、第一弾の成果発表のために、何度も打ち合わせにご参加いただき本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。
プロジェクトは、いよいよ成果発表会第二弾に向けて、さらに加速していくものと思います。できれば、この内容も、書籍として刊行できればと考えています。
今後も、もしご興味がおありなようでしたら、ぜひ、ご期待いただければ幸いです。
そして人生はつづく
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