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2017.2.16 06:44/ Jun

続報「アクティブラーニングの組織論」:「教科主任の先生方」によって変わる「アクティブラーニングの効果」とは!?

僕の研究室が去年から実施している調査研究プロジェクト「マナビラボプロジェクト」が、今年の調査結果をぞくぞくと公開しています。
   
 マナビラボプロジェクトは、
  
 1.高校のアクティブ・ラーニングの実態を「見える化」すること
 2.高校での学びがより、さらに生き生きしたものになること
  
 をお手伝いさせて頂くプロジェクトです。このようなプロジェクトを僕がひそかに?研究室で取り組んでいるのは、
  
 現代の高校生が「仕事人生の入口」になる時代
  
 がきているからです。18歳参政権をめぐる議論も、そのひとつですね。
 高校生が「社会の入口」になってくるのです。
    
 このプロジェクトは、日本教育研究イノベーションセンター様から多大なるご寄付をたまわり遂行させていただいているプロジェクトです。この場を借りて、心より感謝いたします。
    
  ▼
  
 今年で2年目になるマナビラボプロジェクトですが、高校のアクティブラーニングの実態ということで、一般的な調査とは異なる側面も、ぞくぞくとわかってきています。
  
 よく、巷では、アクティブ・ラーニングといいますと、
  
 いかに授業をするか?
 どんな話しあいをさせるか?
 いかにファシリテーションをさせるか?
  
 ということが問題になりますが、僕たちは、それらに加えて
   
 アクティブラーニングを実施できている「組織」とはどんな組織か?
  
 にスポットライトをあてています。
  
 僕たちがもっとも得意とする「組織」という目から、アクティブラーニングの実態を分析させていただいているのdす。
  
 ワンセンテンスでいえば、
  
 「アクティブラーニングの教育論」
  
 だけではなく
  
 「アクティブラーニングの組織論」
  
 を僕たちは立ち上げたいと願っているのです。
   
 この背景には、僕達のこのような思いがございます。
  
 アクティブラーニングは、もはや、教員個人が頑張って、ひとりで抱え込んで実現するものではなく、学校が組織として実現するものである
  
 という思いです。
 教員の働き過ぎ、働き方改革も議論されています。
  
 「点」ではなく「面」で実現するカリキュラム改革
  
 が求められているのではないかと感じています。
  
  ▼
  
 今年の調査では、調査票を送付した全国の高等学校約2414校のうち、約74%にあたる1794校からの回答を得ました。この場を借りて、質問紙にお答え頂いた先生方に、心より感謝いたします。
  
 今年の調査で主に分析を行っているのは、「アクティブラーング推進に向けた教科主任の取り組み」についてです。
  
 なぜ教科主任にターゲットをしぼったかと申しますと、学校の中で、教科主任の先生方が、いわば「ミドルリーダー」として、教科と学校全体を「つなぐ」ハブのような役割をもっている、という仮説をもったからです。
  
 このたび、その調査結果がマナビラボ上で公開されています。
 木村充君や村松灯さんを中心とし、調査分析チーム(木村充、伊勢坊綾、小山田建太、田中智輝、村松灯、山辺恵理子、中原)が、1794校のデータを分析してくれています(お疲れさん!&ありがとう!)。
  
全国調査の結果を解説!:〜Vol.3 アクティブラーング推進に向けた教科主任の取り組み〜
http://manabilab.jp/article/3079
  
 たとえば、今回の調査によって、アクティブラーニングの推進に向けて、教科主任の先生がどのようなことに取り組んできたかを尋ねました。
  
 その結果、教科主任の働きかけは、大きく次の6つに分けられることがわかりました。
  
1.方針の明確化:数値目標の設定、メンバーの役割・責任の明確化 など
2.動機づけ:会話中での意識化、新しい試みの奨励、モデルの提示 など
3.教科でのチームづくり:情報共有の機会づくり、議論の機会づくり など
4.質の点検:校内巡視とフィードバック、計画・評価の指導、施設・設備の整備 など
5.学習機会の支援:教員の自学環境の整備、校内研修の企画、AL実施教員の賞賛 など
6.役職を越えた教師間コミュニケーション:管理職との意思疎通
  
 これらの教科主任の働きかけを、その学校における「アクティブラーニングの効果度」とかけあわせると、下記のように結果が得られます。
  

  
 教科主任の先生方の働きかけによって、アクティブラーニングの効果がでることがわかります。特に、「2.アクティブラーニングへの動機づけ」、「5.学習機会」が違いが大きくでることがわかりますね。
  
  ▼
  
 ちなみに、上記は「教科主任の先生方がアクティブラーニングの推進のために、どのような行動をしているか」という調査結果でしたが、今回公開させていただいた結果には、
  
1.教科主任の先生方が、アクティブラーニングの推進のために、「管理職」にどのように働きかけているのか?
  
2.教科主任の先生方が、アクティブラーニングの推進のために、「教科内の先生方」にどのように働きかけているのか?
  
 などの分析も行っています。
  
 下記のサイトに調査結果が公開されておりますので、重ねてご覧頂けますと幸いです。
    
全国調査の結果を解説!:〜Vol.3 アクティブラーング推進に向けた教科主任の取り組み〜
http://manabilab.jp/article/3079
  
 マナビラボの調査は、出典さえ示して頂ければ、こちらでつくっているインフォグラフィークスなどは、無料で、みなさんのプレゼンでご利用いただけます。どうぞご覧下さいますよう、お願いいたします。
  
 マナビラボのプロジェクトは、さらなる知見を生み出すべく、来年もさらに元気に動き回ります。
  
 どうぞお楽しみに!
 そして人生はつづく
 
  ーーー
     
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