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2017.1.16 06:55/ Jun

あなたの近くには「ゾンビ化したキャラクター」がいませんか!? : いとうとしこ著「売れるキャラクター戦略」書評

 さて、週のど頭、朝っぱらから問題です。
  
 皆さんは、ハローキティに「口がない」理由をご存じですか?
  
  ▼
  
 いとうとしこ(著)「売れるキャラクター戦略 “即死”“ゾンビ化”させない (光文社新書)」を拝読しました。
 著者は、これまで「コアラのマーチ」などのキャラクターを企画、開発、マーケティングしてきた方です。
  

  
 我が国は「キャラクター大国」と呼ばれていますが、その競争は、ものすごく激しいものです。キャラクター開発の世界では「千3つの世界」という言葉があるそうです。
  
 要するに、

 「1000個、キャラクターを生み出して、当たるのは3つ」
  
 ということですね。
 1000人キャラクターがいて、3個か。
 厳しいなぁ・・・と思う反面、そんなものだろうなぁ、と思ってしまいます。
 競争はまことに激烈です。
  
 本書は、そのような厳しいキャラクタービジネスの現状を背景に、キャラクターをいかに生み出し、いかに活かしていけばいいのかを論じておられました。キャラクタービジネスに関しては、まったくの門外漢ですが、なかなか興味深く読むことができました。
  
  ▼
   
 個人的に、興味深かったのは、キャラクターを「活かす」とは、キャラクターを「生み出すこと」とイコールではないということです。
  
 著者曰く、
  
 キャラクターは、子ども以上に「栄養」と「環境」がいる
  
 要するに、キャラクターは、誰かが描き起こしたあとに、それを維持するためにさまざまな栄養や環境(たとえばイベント、さらなる企画)を必要とすることですね。
  
 キャラクターは「できて」終わりではない。
 むしろ「出来たあと」から、それを維持して、活かしていくのが大変であるということです。
  
 一方、著者は、せっかく生み出されたのに、活用されず、栄養を与えられず、いつのまにか忘れられていったりするキャラクターのことを「ゾンビ化」とよびます。
 ゾンビ化したキャラクターとは、もはや「コミュニケーション記号として機能していない」キャラクターであるということです。

 ゾンビ化したキャラクター
  
 まことに興味深いことですね。
 昨今は、「ゆるキャラ」に代表されるように、キャラクターが日々生み出されています。いやー、多いよね、きっとゾンビ化しているキャラクターは(泣)。
  
 皆さんのまわりにも、ゾンビ化しているキャラクターいませんか?
  
(ちなみにハローキティに口がない理由は・・・デザインには隙がなければならないことです・・・詳細は本書を手に取って下さいませ)
  
 そして人生はつづく
   
  ーーー
   
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