2016.12.22 06:54/ Jun
今期の大学院授業「経営組織論」ですが、昨日は高尾義明・王英燕(著)「経営理念の浸透」をみなで読み、議論をしました。
昨日の授業では、著者のおひとりである首都大学の高尾義明先生にゲストでおこしいただけるお申し出をいただき、「著者を囲んだ授業」という、まことに贅沢な会になりました。高尾先生、本当にありがとうございました。
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授業では、冒頭、大学院生の久野さんにより、本書の要約がなされたあと、全員から質問をよせてもらい、高尾先生まじえ議論を行いました。
授業時間があっという間に思うほど、皆さん、熱心にご参加いただき、心より嬉しい限りです。
皆さんとは理念経営についてたくさんの質問や意見をもらいましたが、個人的にもっとも興味深かったことは、
理念経営は「変化」のなかにありつづける
ということです。
すなわち、組織が伝えるべき「理念」そのものも、定期的には「見直し」の契機があり、かつ、その「理念の伝える場」自体も、常に継続的に生み出されなければならない。
理念経営をひろく行っている会社をよくよく観察しておりますと、すべてとは言わないまでも、理念のなかで「変えてはいけないもの」と「変えなければならないもの」を峻別し、それを10年弱に一度、見なおしていることがわかります。
理念に「完成系」はないのです
「変えるべきもの」と「変えてはいけないもの」を峻別しつづけること
それは理念経営です。
また理念を伝える場自体も、「行き当たりばったりのキャンペーン」や「1年こっきりのイベント」というよりは、むしろ、継続的に形成されていることがわかります。
どんな状態に経営が陥ろうが、社長がかわろうが、理念を伝えることをやめたりはしないのです。
理念経営とは「やりつづける覚悟」なのです。
別の言葉で申しますと、
理念経営とは「Mission Management」ではない
理念経営とは「Mission Managing」である。
理念経営とは「〜ing」である
というのが僕の感想でした。
非常に興味深いですね。
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今日は理念経営のお話をいたしました。
長いあいだ授業をやっておりますが、授業に著者からのご参画のお申し出をいただきましたのは高尾先生がはじめてでした。やはり僕が授業をするのと、著者から直接、知見を賜れるのでは、学生の食いつきが違います(笑)。
高尾先生には心より感謝をいたします。
ありがとうございました。
そして人生はつづく
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