NAKAHARA-LAB.net

2016.12.9 06:05/ Jun

「いつ研究しているのか?」という問いに対する僕の答えは「何か」?

 ちょっと前のことになりますが、ある学部生の学生さんから、こんな質問を受けました。
  
「お忙しそうにしていますが、先生は、いつ研究してるんですか?」
   
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 まだお若いのに、興味をもってくれてありがとう。
 耳にした瞬間、とても興味深い問いだな、と思いましたが、答えを言っても、ちょっとわかりにくいかな、と思い、一瞬躊躇しました。
  
 もし「自分の研究のことを考えること=研究すること」のだとすると、僕の答えはこうです。
   
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 「いつも」(笑)
    
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 といいましょうか・・・寝ているときなどをのぞいて、自分の研究のことを「考えていない」時間は、僕にはありません。

 これは多少、ブラックな言い回しになりますが、やや大げさにいうならば、
  
 24時間、365日、寝ている時間をのぞいて、自分の研究のことを考えている
  
 といえます。
  
 そういう意味では、「いつも」研究している(笑)。
   
 なかなかわかりにくい感覚だと思いますので、別の言葉で申しあげましょう。
  
 つまり、
  
 僕の網膜にうつるものすべてが「人材開発の問題」に見える
  
 のです。
  
 僕の耳に入るものすべてが「人材開発の課題」にしか聞こえない
  
 のです。
  
 映画を見てもそう、レストランで食事をしていてもそう。
  
 あ、映画のスタッフって、どうやって育成するのかな?
 このソムリエさんって、どこでキャリアを積んだのかな?
  
 すべてが「育成の問題」に置換されて、僕に知覚されてしまうのです。
 ちょっと、ヤバイね(笑)。他人には、おすすめしません(笑)
   
 人によっては、「半分、イカれてる」とお思いになるかもしれませんが、そうですね、たしかに「危ない」。
 人によっては「やりすぎだ」と思われるかもしれませんが、そうですね、めちゃくちゃ「偏っている」。
  
 でも、そういう「すれすれ」のところを飛んで、日々、疾走しています。
 そのアウトプットのひとつが毎朝書いているブログです。
 「毎朝、毎朝、書きつづける」ということは、そういうことです。
  
  ▼
  
 今日は「いつ研究をしているの?」という学生さんの問いを考えてみることで、「自分の研究に対する向き合いかた」のことを書いてみました。
   
 学生さんの問いが、「僕が研究している時間」を特定し、その「範囲」を聴く質問でしたが、残念ながら、その「範囲」にはお答えすることができませんでした。
   
 子どもの頃は、よもや、こんな仕事をしているなんて夢にも思いませんでしたが、人生とは不思議なものですね。
 どこで道を踏み外したのか(笑)
  
 金曜日です。
 一週間、お疲れさまでした。
 そして人生はつづく

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