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2016.12.7 06:53/ Jun

研修担当者がついつい陥りがちな「罠」:「喉が渇いていない人」に「おいしい水」を差し出しちゃう症候群!?に注意せよ!

 著書「会社の中はジレンマだらけ – 現場マネジャー「決断」のトレーニング」でご一緒させて頂いたヤフー株式会社の本間浩輔さん(上席執行役員)が、以前、慶應MCCでの授業「ラーニングイノベーション論」にゲストでお越しになったとき、こんなことをおっしゃっていました(ご登壇心より感謝です!)。
  

  
 ICレコーダーを持っていたわけではないので、一言一句同じというわけにはいきませんが、手元のメモによると、こんな趣旨であったと記憶しております。
  
 本間さんのお話は「研修担当者がついつい、研修参加者にしてしまいがちな罠」についてのお話でした。
  

「研修をつくる人は、研修の参加者に「富士山麓のよい水」をもってきたがる。いい研修内容(よい水)を参加者に与え、これはよい水だから飲んでください、と言いたがる。
  
でも、どんなによい水であっても、喉が渇いていないときには、研修参加者は水は飲まない。いい研修をつくることも大切だけれども、渇いている人を研修にこさせることを考えた方がいい。」

  
 なるほど。
 慧眼ですね。
  
 ここで本間さんがおっしゃっている内容の中には、2つのメタファがでてきます。
「富士山麓の水」(!?)として喩えられているのは、「研修内容の素晴らしさ」ですね。そして「乾き」と喩えられているのは、「学ばなければならない必然性やモティベーション」なのかなと思います。
  
 要するに、ここで本間さんがご指摘いただいていることは、

 学ばなければならない必然性やモティベーションのない人(乾いていない人)は、研修内容がどんなに素晴らしくても(富士山麓の水)でも学びませんよ

  
 ということですね。
  
 それなのに

 研修を熱心にデザインする人は、ついつい、熱がこもって、富士山麓の水(素晴らしい研修内容)を、研修参加者の前に差し出し、さして喉の渇いていない人に、無理矢理、水を飲ませようとしがちである

  
 ということだと思います。
  
 本間さんのご指摘は、ついつい研修担当者が陥ってしまう罠に関する鋭い警告であったのかなと思います。
 自戒をこめて申しあげますが、わたしたちは、「富士山麓の水」に憧れ、ついつい、それを他人に差し出したくなってしまいます。
  
 注意したいものですね。
 素晴らしいご指摘に感謝いたします。
  
 そして人生はつづく

   ーーー
  
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