2016.11.18 07:10/ Jun
飲みニュケーションというものがございます。
飲みニュケーションとは「飲み+コミュニケーション」のオヤジギャグ的合成造語(笑)。
その意味するところは、
仕事のなかで協力していかなければならない人々が、仕事を離れて飲食をともにしながら、コミュニケーションを円滑にし、集団の凝集性を高める
というものでしょう。
簡単にいえば、飲みニュケーションとは集団の潤滑油。集団の凝集性を高め、協力行動を促すために、それは行われてきました。
まぁ、言葉をかえれば、「飲食をともにすること」を手段として用いた「組織開発」ともいえそうです。
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振り返って見ると、古代から人は、飲食という生きていくことに不可欠な出来事を、「ともにすること」を通して、多様な背景にある人々の団結力を高め、協力を得てきました。
飲みニュケーションといいますと、サラリーマンの聖地「新橋」?で生まれたかのような印象を受けますが、まず大切なことは、それは歴史的には、連綿と行われてきたことである、ということでしょう。
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N=1の単なる個人的振り返りですが、今から20年くらい前までは、職場の人々の親睦をはかるために本当によく飲み会が開催されていた印象があります。
かつては、お疲れさん会、打ち上げ、新年会に忘年会・・・さまざまな「会」がありました。
飲みニュケーションは、今よりも、もっと活発だったのではないかと推察します。
しかし、昔にたくさんあった、こうした「会」を振り返って見れば、飲みニュケーションは、参加者に「均質であること」を求めるコミュニケーション促進手段であることに気づかされます。
まず、そもそもにして仕事を終えたあと、みなが集まらなくてはならない。仕事を終える時間が同一で、さらには、そこから数時間の時間を割ける人が、会の参加者になります。
さらには、会を愉しむためには、お酒がそこそこ飲めることも求められる。まぁ、飲めなくてもナチュラルハイな人もおりますが(笑)。
要するに飲みニュケーションは、わりと「均質性の高い参加者」を対象にして、ともに同じ酒・食物を飲み食いするという媒介を通して、「職場の均質性や凝集性を高めるためのコミュニケーション戦略」であった、ということになります。
そして、飲みニュケーションは「みんなが同じ」であった時代には、わりとフィットしたコミュニケーション促進手段であった、ということになります。
誤解をおそれずワンセンテンスで申し上げれば、飲みニュケーションとは、「多様性(ダイバーシティ)」の対極にあるコミュニケーション戦略ともいえるのかなと思います。
多様化した職場では、異なる社会背景や様々な雇用条件のもとにいる人々が、働いています。
雇用形態が異なる人は、必ずしも、同じ時間に仕事が終わらない
ワーママや育児中のパパは、仕事を終えれば、お迎えにいかなければならない
宗教の関係などから、同じものを食べられない人もいる
アルコールがだめな人も、いい人もいる
こうした状況では、同じことを求めるコミュニケーション戦略は、成立がなかなか難しいのです。
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わたしたちは、多様性あふれる社会を今後生きていかなければなりません。そして、そうした時代や社会にあっては、前時代で行われたコミュニケーション戦略を見なおすことも求められます。
多様性あふれる社会におけるコミュニケーション戦略とは何か?
最近そんなことを考えています。
そして人生はつづく
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