2016.11.8 06:44/ Jun
先だって、ある人事部の方とお話していた際、最近、会社で問題になっていることに「ちょこちょこおじさん」という愛すべきキャラクターがいらっしゃる、というお話でもりあがりました。
本件、本当は、僕の議論のお相手をしてくださった方のお名前をあげてお話しするべきところですが、ご迷惑をおかけしてはならないので、ここではAさんといたします。貴重なお話、心より感謝いたします。
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ちょこちょこおじさんは、
定年退職・早期退職した元・役職者が、一見、用もなさそうなのに、退職した会社にちょこちょこ、出没する現象
のことをいいます。
あっちを、ちょこちょこ。
こっちを、ちょこちょこ。
気づいたら、今は退職しているはずなのに、会社のなかをちょこちょこしている。
用もなさそうなのに、元の職場を、ちょこちょこしている。
それが、ちょこちょこおじさんです(笑)。
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Aさんによりますと、ちょこちょこおじさんの出没率として、もっとも高いのは、「ちょこちょこおじさんの元・部下のところ」だといいます。
明確に「命令する」ということはないにせよ、元・部下のところをたずねて、「またくるね」といって、消えていく。
ちょこちょこおじさんのなかには、退職後、顧問やコンサル業などをなさっている方も少なくないようで、部下としては「ちょこちょこおじさん、仕事が欲しいのかな」とも思いつつ、そんな話もしてこない。
コンプライアンスがうるさくなっているので、さすがに、そのあたりはちょこちょこおじさんとしても、わきまえているのです。
ちょこちょこおじさんは、組織を熟知しておりますので(笑)
ちょこちょこおじさん、誰に迷惑をかけているということも、明確にはないのですが、元・部下としては、どう接して良いかわからない、というのが正直なところですね、という話でした。
興味深い現象です。
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個人的には、この現象に「性別による出現頻度の差」はあるのかなと思って、
「ちょこちょこ元・女性管理職はいらっしゃるのですか?」
とAさんに質問をさせていただきました。
Aさんは明確に
「女性管理職には、ちょこちょこしている人はいないんです」
とおっしゃっていたのが印象的でした。
「女性の場合は、退職後、さまざまなコミュニティをもっていたり、追求しているものが、会社とは別のところにできている場合が多いように思います。だからかどうかはしりませんが、退職後の会社にくることは、まずありません」
うーん、さらに興味深い現象です。
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今日は、ちょこちょこおじさんについてお話をしました。
個人的には、その「発生メカニズム」、すなわち
ちょこちょこおじさんが、なぜ、どのような機序から発生してしまうのか?
が大変気になるところですが、そこまでの深掘りはできませんでした。
が、おそらく、それを深掘りしていけば、
「会社が、その人の仕事人生を丸抱えし、囲い込んでいたことによる弊害」
「本人が会社以外の世界に関して、長い間、ひらかれていなかったことによる弊害」
が、あれよ、これよと噴出するような気がいたします。
ま、「パンドラの箱」を、いま、朝っぱらから開けたくないので、今はやめとくよ。
あなたの会社には、愛すべきキャラクター「ちょこちょこおじさん」は出没していますか?
そして人生はつづく
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