2016.11.2 05:08/ Jun
先だって、来年度からはじまる、あるプロジェクトの打ち合わせを、関係者の皆さんとしていて、下記のような話題で盛り上がりました。
(現段階では正式なプロジェクト発足前で、ご迷惑がかかるといけないので、お名前は差し控えさせて頂きます。しかし、下記の話題は、プロジェクトメンバーの議論によって生まれたものです)
そのエッセンスを、ワンセンテンスで申し上げると、
これからのリーダーは「バウンダリーレス」でなければならない
ということ。
ここでいうバウンダリーとは「境界:Boundary」のこと。
要するに「ウチとソト」をわける「線引き」のことをいいます。
わたしたちが考える、これからのリーダーは、
これまで以上に、さまざまな「既存の境界」をのりこえて、物事を達成し、成果をだしていくことが求められる
ということになります。
たとえば、これからのリーダーが乗り越えなければならないのは
1.時空間の「境界」
2.組織内外の「境界」
3.公私の「境界」
ということになるのでしょう。
以下、これを説明してみましょう。
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「1.時空間の境界」とは、別の言葉でいえば、e-leadershipということです。
e-leadershipとは、対面状況下で発揮されるリーダーシップではなく、テレビカンファレンス(テレカン)などのネットワーク上で発揮されるリーダーシップのことであり、近年、研究が進んでいる領域の一つでもあります(Zaccaro& Bader 2003、Zigurs 2003)。
たとえば、テレカンなどを経験したことのある方ならおわかりだと思いますが、どうしてもネットワーク上の対話というのは対面状況下と全く同じというわけにはいきません。
内職という名の「社会的手抜き」が発生したり、コミュニケーションロスが生まれたりします。
そこでわたしたちは、どのようなリーダーシップを発揮したらいいのか?
しかし、今もそうだと思うのですが、わたしたちの会議は、だんだんとテレカンの比率があがってきています。
おそらく、これからのリーダーは、対面状況下のみならず、ネットワーク上でも効果的なリーダーシップを発揮しなければなりません。
そういうリーダーをいかに育てるかが、課題になりつつあります。
▼
「2.組織内外の境界」とは、おそらく「オープンイノベーション」に関係するところでしょう。
いまや手垢のついた観のある「オープンイノベーション」とは、一般には、
自社のリソースのみならず、他の組織や団体と協業・連携して、企業が新しい事業や市場を生み出していくこと
をいいます。
おそらく、これからのリーダーは「組織のウチ」に閉じこもるのではなく、「ウチとソト」というバウンダリーを時に乗り越え、時に往還しながら、新たな物事をつくりだしていくことが求められるのでしょう。
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「3.公私の境界」とは、広義にとらえれば、CSV(Creating Shared Value:共通価値創造)という考え方と共振するところがあるのでしょう。
一般に、CSVとは、
「社会課題の解決 × 企業の競争力向上」
を両立させる考え方だと理解しています。
従来の「CSR」が善行・社会貢献にかなり寄っていたこともあり、CSVでは、「社会課題解決」と「競争力向上」という一見矛盾するかのように見える2つの要素を両立させることをねらいます。
おそらく、これからのリーダーは、より職位があがればあがるほど(今もですが)、「自社」が対峙している社会、ひいては、社会の課題解決に自社の事業をいかにアラインさせるか、ということがもとめられるようになるのでしょう。
そのような場合、次世代のリーダーは、「行政 vs 企業」「社会 vs 企業」という対立軸(境界)を乗り越えて、多様なステークホルダーとつきあい仕事をしなければならなくなるのかな、と思います。
リーダーの活動が、3つの意味で「バウンダリーレス」なものになっていく、というのは、こういうことです。
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せんだっての新規プロジェクトの打ち合わせでは、このような思いや考えを共有しつつ、これからはじまるプロジェクトの骨格について議論をしました。
短い時間ではありましたが、これを何度か重ねながら、大きなビジョンを共有しつつ、これから3年間をともに過ごすチームをつくっていきたいと考えています。
僕たちは、同じことは、死んでもやりません。
常に、自らも、新たな地平へ
そして人生はつづく
ーーー
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