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2016.10.17 07:16/ Jun

「鼻息フンフン、おめめギラギラ系の、テクノロジー言説」を真に受けすぎない思考法!?

 仕事柄、雑誌やメディアの取材をお引き受けすることが少なくありません。このような取材の形式には、その時々の「流行すたり」というものがあります。
  
 この半年間くらいの「流行」といえば、「枕詞としての人工知能論」です。
  
「枕詞としての人工知能論」とは、
  
 ・人工知能が高度に発達して
 ・多くの人々の仕事が奪われてしまうので
 ・わたしたちの未来は、終末期のようにお先が真っ暗である
 ・とはいえ、人は生きていかなければならないので
 ・どうしたらよいか?
  
 というような「前提」からスタートさせる議論のことをいいます。
  
 これって、どんな状況かな、「北斗の拳的な世紀末」?、それとも「ターミネータ的状況」とつい考えてしまうけれど、たいていの場合、僕は、そういう「前提」を敢えて無視して、こんなお話をします。
  
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・皆さん、本当に人工知能が好きですね。でも、その「語り方」や「前提」は、本当に、あらゆる議論の「前提」にしていいことなのでしょうか。
  
・僕は専門ではないので知りませんが、オックスフォードの学者とか、何とかが予想した論の上に、すべて乗っかった議論をしていくのでしょうか?
  
・僕は「占い師」ではないので、未来のことはわかりません。ただ、皆さんほど、「人工知能がたいした脅威だ」とは思っていません。そして、おそらく、そういうブームも2年もたないでしょう。
  
・歴史を長期的スパンで見てみれば、「機会脅威論」というのは、幾度となく回くらい繰り返されてきたものです。人工知能だって、過去に何度もブームがありました。だから、そういうものを、現段階では、僕は真に受けません。
  
・そして、今、人工知能が云々といっている言説の何割かには、人工知能で儲けたい方々の言説が含まれています。言説を真に受けるのではなく、割り引いて考える必要があります。
  
・もっとも大切なことは、こういう時代だからこそ、地に足をつけて考えることが大切なのではないでしょうか。世に流布する言説を、いったん脇において、本当かな、と常識を疑ってみたり、俯瞰してみたりする思考法こそが僕は重要だと思います。
  
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 ま、取材では、枕詞として、僕は、こんなことをお話します。
 が、たいていの場合この部分は、カットされることの方が多いのだろうけれども(笑)。
  
  ▼
  
 それにしても、最近、食傷気味です。
 皆さんはいかがですか? まだ飽きてないの?
    
 人工知能やら、ビックデータやら、IoTやら、よく知りませんが、世の中の言説の多くが、テクノロジー村から生み出され、そこに人々が乗せられていくようになっているように見えるのは、僕だけでしょうか。
 「人々の恐怖心」をあおれるのか、「絵になるのか」、どちらかは知りませんが、メディアも、この手の話題は、好んでとりあげるように見えます。
  
 もちろん、テクノロジーが重要でないわけではありません。

 テクノロジーとうまくつきあっていかなければならないのは、「テクノロジーを生み出し、環境と対峙しなければならない主体」としての「人間の宿命」なのでしょう。しかし、それは歴史的にみれば、今にはじまったことではなく、ずっと繰り返されてきた事です。僕は、どうも、最近、「鼻息フンフン、おめめギラギラ系の、テクノロジー言説」には、正直、食傷気味です。
  
 やれやれ
 ま、慌てなさんな(笑)。
  
 今週も頑張りましょう!
 そして人生はつづく

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