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2016.8.31 06:54/ Jun

「こういう世界だったら面白いのに」からはじまる思考法!?

 最近、新しいプロジェクト「マンガでやさしくわかる部下の育て方」という書籍の開発・出版ジェクトがはじまりました(笑)。
  
 こちらは、日本能率協会マネジメントセンターの久保田章子さん、ライターの井上左保子さん、漫画の編集者の浦田雅子さん、漫画家のKさんらと僕とのコラボレーションプロジェクトです。
  
 このプロジェクトでは「部下の育て方」というとらえどころのないような話題を、漫画にすることをめざします。
  
「部下育成の科学」という非常にフワッとした話題を、経験の浅いマネジャー、若い人々に、漫画でいかに表現し、伝えるのかということが、わたしたちのチャレンジングな課題です。
  
  ▼
  
 先だって、こちらのプロジェクトにかかわる5名のメンバーが一同に会し、議論を行いました。議論は、非常に和気あいあいと行われましたが、その議論のプロセスが、大変面白いものでした。
  
 といいますのは、この会議は、ふだん僕が使っている「思考」とは全く異なる思考法を必要とする(笑)。
  
 漫画をつくることに発揮される脳は、僕がふだん使っている思考法とはまったく異なるのです。
 これが、知的にエキサイティングである一方で、僕にとっては、なかなか慣れておらず、ハードな時間でした。
  
 この会議において、
  
 僕たちは、全くのゼロから「世界」をつくりあげています。
  
 まずは、ひとりのキャラ、個性、性格、職業などをつくりこむ。
 ひとりのキャラができたら、その次の相手のキャラをつくりあげます。
 そうして次第に、舞台をつくりあがります。
 そのうえにストーリーが組み上がる。
  
 こうしたプロセスで発揮される思考法は、まずは「こういう世界だったら面白いのに」という「妄想」からはじまります。
 すべては、まずは「妄想」。
 つまりは「ぶっとぶこと」からすべてははじまるのです(笑)。
      
 これは、ふだん、僕がしている思考とは、おおよそかけ離れているものです。
  
 一般に研究者とは(分野によっても異なるでしょうが・・・)
  
・「こういう世界だったら面白いのに」と考えるのではなく、「すでにある面白い世界」を虚心に見つめようとします
  
 また、
   
・「具体的なディテール」からなるべく離れて、「抽象的なルールや原理」を発見するべく思考を行います
  
 おわかりになりますでしょうか。
  
 現段階で、漫画をつくるという行為において発揮される思考法と、僕がふだんやっている思考はおおよそかけ離れています。これが大変エキサイティングでもあり、またよい意味で知的疲労を感じることでした。
  
 漫画家のKさんや、編集者の浦田雅子さんによりますと、漫画、ストーリーというものを「面白くする」ためには、いくつか心がけなければならないことがあるといいます。
   
 いったんをご紹介すると、
  
 ・漫画を面白くするためには、主人公に「試練」を与え続けなければならない
 ・漫画を面白くするためには、主人公を「愛しすぎて」はいけない
 ・漫画を面白くするためには、読者に「ストレス」を貯めなければならない
 ・面白い漫画には「階段」がなくてはならない
 ・面白い漫画には「知りたい!」がなくてはならない
  
   ・
   ・
   ・
   
 などなど(笑)。 
 まことに、面白いですね(笑)。
 その道のプロと仕事をするのは。
  
 いやー、世界は広い。
 まだまだ知らないことだらけです。
  
   ▼
  
 プロジェクトは、今年度末の刊行をめざして、スタートしたばかりです。皆さんとのコラボレーションを愉しみにしています。
  
 慣れた思考法から離れるというのは、なかなかハードですが、面白いものです。
 ふだんは使わない脳の部位を使いながら、つぎつぎと、新しいことにチャレンジしていきたいと思います。

 世界は広いよ。
 そして人生はつづく

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