2016.8.10 05:01/ Jun
世間的によく言われていることのひとつに、こんなことがあります。
「自分の強みを、伸ばせ!」
「自分の強みのうえに、強みを築け!」
まー、たぶん、その方が効率的だし、よき道がみつかる可能性が高いのでしょうけど、僕は、どうも、こういう「紋切り型の文言」をみると、
「ふーん、みんなは、そうなんだ。
じゃ、オレは、敢えて、逆張りしよう」
と思ってしまう人間です(笑)。
僕という人間の資質を、ワンセンテンスで申し上げると
生まれたときから「あまのじゃく」(笑)
我が人生、すべて「逆張り」(笑)
小生、おそらく、畳の上でクタバルことはできないのではないか、と想像します(笑)。
▼
ところで、それでは巷間に流布するように「自分の強み」を伸ばすのではなく、それでは、僕自身は、逆張りをこいて、何をするのでしょうか。
それは、
敢えて「自分の弱み」に首をつっこんでみる
ということです。
「自分の強み」は敢えて見ずに、「自分の弱み」を彫り込んでみる
というわけで、ここ最近、僕が取り組んでいることのひとつに、たとえば「武道」とか「ランニング」があります。
武道としては、合気道を3年前からはじめ、なんちゃってではありますが、ようやく先だって「クロオビ」さんになりました。なんちゃってですが、嬉しいものですよ、クロオビさんにはなった一瞬は。
ランニングに関しては、この半年間くらい取り組んでおります。
一ヶ月で、50キロくらいを走るくらいです。
いずれも「趣味の範囲」を超えないもので完全アマチュア。
何十年にわたって、それらに取り組んでこられた方々からすれば、「何を、この、ひよっこが」という感じでしょうが、すみません、その土俵で僕は勝負していない人間なんです。
実は、これらは、すべて僕が、これまで「苦手」として、超絶に避けてきたものです。
学生時代の僕をご存じの方なら、すぐにおわかりかとは思いますが
小生、
武道とは「無縁」
走ることとは、死ぬまで関わらないと子ども時代に誓っている
くらい、これらが嫌いでした。
今も好きか、と聞かれると、「いや、好きってわけでも・・・」となってしまう感じです。
武道も走ることも、かつての僕とは、最も縁遠いものです。
というか、違う世界。異世界(笑)。
ちなみに、どのくらい縁遠いかと申しますと、小生、学生時代に、体育は「2」をくらっていました。
武道にはよくある「根性」とか、そういうワードは「大嫌い」でした。
走ることにかんしては、足が遅いので、そもそも嫌悪感があります。
特に、マラソンは死ぬほど嫌いです。
走ると、学年で、ビリに限りなく近いビリのほう。
高校のときは、マラソン大会の前日などに、なぜかお腹が急激に痛くなり、当日「おXぼり」していたような気がします(笑)。
マラソン大会、一回も走ったことがないような、あるような。あるような、ないような(笑)
▼
しかし、最近、どういうわけか、
自分がこれまでやらなかったこと
自分が苦手だと思っていたもの
自分の弱みだと思っているもの
にチャレンジしたい気持ちがフツフツわくようになってきました。
自分の慣れ親しんだものではなく、自分がもっとも違和感を感じ、自分がもっとも生きにくいと感じていたものに挑戦し、新しい世界を見たいのです。
しかし、ここで面白いことが起こります。
「自分が苦手だと思っていたもの」「自分の弱みだと思っているもの」にチャレンジすると、それらを克服できるだけでなく、「自分の強みを強化」できることに気づかされるのです。
すなわち「自分の弱み」と思われていた領域に取り組んでいると、「自分の得意なものをさらに強化するタネ」が、そこに数多く埋まっていることを発見するのです。
僕の場合、「自分の得意なもの」は「人材開発の研究・知識・ものの考え方」でしょう。
合気道やランニングをしていると、これに活かせる新たなアイデアや考え方がわいてくるのです。
具体的には、合気道の稽古のあとなど、僕はいつも「人材開発のこと」を考えている気がします。
なぜ、あの場面で、敵の力を受け止め、返せなかったのか?
そもそも受け止めるとは何か?
その力を用いながら、相手に差しこむとはどういうことか?
こうした合気道後のリフレクションは、ファシリテーションやプロセスコンサルテーションといった人材開発上の実践にかなり活かせるように思います。
ランニングは、僕に「習慣の大切さ」、長い人生を走りきることの難しさを教えてくれてるような気がします。
なぜ、僕は今日も、明日も走るのか?
長い距離を走りきるためには、何が必要か?
合気道に関しても、ランニングに関しても、それらが苦手で、なかなか人よりも上達しないがゆえに、考える。
それが、結局、「自分の得意分野」にも生きているような気がするのです。
そして、このことはおそらく「自分の強み」だけに着目し、自分の強みだけを視野にいれ、慣れ親しんだ世界いても、わからないし、気づかない
これが「自分の弱みに首をつっこむこと」の意義であり、それは結局、自分の強みを強化することにつながるのではないのか、という今日の趣旨です。
▼
今日は、あまのじゃく的な話題設定からはじめ、「自分の弱み」について論じてみました。
自分の弱みに敢えて首をつっこむ、と言う暴挙をなすことで、でも、自分の強みも強化できないこともないよ、というのが趣旨ですが、これがどの程度一般性をもつことなのかはわかりません。
僕は、こういうのが好きですが、他の方におすすめはいたしません。
しかし、一方で申し上げたいのは、
自分の強みを強化する
ということで、「自分の強み」と思っているものだけに「焦点」をあててしまうのは、見落としてしまうものも多いのではないの、ということです。
自分の強みは、強いと思っているだけに、本人にとっては、慣れ親しんだ世界です。
新たな物事を発見したいと思うなら、腹をくくって、もっとも自分が違和感を感じ、自分から縁遠いものを自分に見つける、という苦行的修行も、たまにはよいのかもしれませんね。
そして人生はつづく
ーーー
追伸.
この数日「人材開発研究大全」(東京大学出版会)の編集作業で、午前3時・4時起きを続けています。もう少しで皆様にお届けできる日がやってくるのではないかと思います。全33章、自分でいうのもなんですが、各章で先生方にお書き頂いた章は、どれも面白いですよ。どうぞお楽しみに。
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