2016.2.23 08:04/ Jun
某所で開催されている「組織開発」の研修会に参加しております。
この研修会は、南山大学人間関係研究センターの中村和彦先生が中心となり、毎年1回、米国NTL(National Training Laboratory)から講師を招聘なさることで実現しているものであり(心より感謝です!)、僕は、これで3度目の参加をさせていただいております。
毎年1度、この時期に、1週間近く研究室をあけるので、スタッフや指導学生には迷惑をかけており、申し訳なく思っています。
また、最も大変なのは妻・家族なのですが、何とか協力を得て、この場にきている次第です。本当にありがとうございます。
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昨日は1日目。オリエンテーションが開催され、会で使う様々な概念などについて一通り学びました。
講師のDr.Mary Ann Raineyさんは、NTLのトレーナーであり、かつ、博士号授与のときの指導教員がDavid Kolbであった方です。とても聞き取りやすい英語で大変ありがたいことです。
Maryさんのお話は、どれも面白いものでしたが、昨日、もっとも興味深かったのは、
「支援とは何か?」
というお話でした。
学問的に申しますと(様々な定義がございます)、支援とは、
「何らかの意図をもった他者の行為に対する働きかけであり、その意図を理解しつつ、行為の質を維持・改善する一連のアクションのことをいい、最終的な他者のエンパワーメントをはかることである(小橋 2000)」
となるのでしょうけれども、Maryさんによると、支援には2種類のあり方があるのだそうです。
Maryさんはいいます。
「支援には、ブランケットとサンドペーパーがあるのです。
ブランケットとは”毛布”のこと。毛布的支援は、他人に温かさや共感、受容の感覚を提供します。
一方、サンドペーパーとは”紙やすり”のこと。紙やすり的支援は、相手に時に痛みを感じてしまうようなコメントやフィードバックを提供します。」
なるほど、支援とは「他者のエンパワーメント」をめざすことという1点では変わらないものの、そのあり方には、「毛布」と「紙やすり」があるのですね。
その上で彼女は続けます。
「他者に介入するODコンサルタントは、支援のあり方が、ブランケットの方向に傾きすぎていれば、敢えてサンドペーパーの方向の役割を自分が担います。
一方、サンドペーパーの方向に人々の関心がうつりすぎていれば、ブランケットの役割を自分は担います。
結局、両方の支援ともに、人が自律するときには必要なものなのです。
そして、こうした介入を行うためには、徹底的に相手を観察していなければなりません」
毛布とブランケット・・・どちらの道具立てをどのようなタイミングで用いるかを判断するには、相手を常に観察し、場の状況を見ていなければならない、ということですね。
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今日は、支援のことについて書きました。
あなたは、どのような支援を他者に対して提供していますか?
それは偏ってはいませんか?
そして人生はつづく
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追伸.
昨日は急に夕方頃から腹痛+発熱し、夕食もスキップして、イブニングセッションを中座してしまいました。12時間ほど寝ましたが、何とか回復しました。南山大学の石川さんには薬などをもってきていただき、大変お世話になりました。ありがとうございました。
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