2016.1.13 06:35/ Jun
ちょっと前のことになりますが、ある大学院生さんが研究に行き詰まり、お話を伺っていたときのことです。ふとしたことから、話題が、こんな風に発展しました。
「ところで、先生、よい研究をするためには、何が重要でしょうか?」
うーん。。。何だろうねぇ(笑)。
そりゃ、僕も教えて欲しいなぁ・・・。
いまだ「よい研究」をした実感のない僕にとっては、この問いに答えるのは難しいなぁ(笑)
でも、ここは問いをすこしずらして、今思い悩む君にとってより重要な問いー
「大学院生が、研究を前にすすめるためには、何が重要か?」
だったら答えられるよ、とお答えしました。
大学院生が修士や博士のレベルでやるような研究で、しかも、僕の研究領域に関することで、「研究を前に進めるためには何が必要か?」という問いでよいならば、僕は約10年の院生指導経験から、僕なりの答えを即答できると思ったのです。
「大学院生が、研究を前にすすめるためには、何が重要か?」
皆さんは、なんだと思いますか?
皆さんが指導教員だとしたら、なんとお答えになりますか?
才能?
地頭のよさ?
読書量
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おそらく、そういうことがまっさきに上げられるのだと思うのですが、僕ならばこう答えます。
「毎日コツコツ研究にかけた時間」
あまりのしょーもない答えに腰がへなへなに砕けて、ウン●ョスダダ漏れの方?もいらっしゃるかもしれませんが、本当のことなので仕方がありません。ごめんね、育ち、悪くて(笑)。
でも、大学院生が修士や博士のレベルでやるような研究で、しかも、僕の研究領域に関することという限定条件が「是」ならば、先ほどの問いに対する僕の答えは、これ以上でも以下でもないのです。
たしかに才能とか、地頭とか、そういう「頭のよさ」みたいなものもあります。でも、あるといえばあるけれど、そういうのは、大学院に進学している時点で、ある程度のスクリーニングがなされています。少なくとも僕の経験では、あまり問題にはなりません。ていうか、ほとんど関係ない、と断言できます。
そりゃ、ノーベル賞だ、フィールズ賞だ、頑張った賞だ?、というのなら話は別かもしれません。そういう高度な世界なら才能や地頭は関係あると思います。でも、今はそういう次元の話をしません。それよりも、ずっとずっと前段階の世界の話です。
いくら才能があっても、地頭がよくても、「毎日コツコツ時間をかけない人」は進みません。むしろ、こちらなのです。
自分を律して、毎日毎日問いに向き合い続けることができるかどうか。
自分を律して、毎日毎日文献を読み込み、知見をまとめることができるかどうか。
自分を律して、毎日毎日分析を続けることができるかどうか。
要するに、
研究とは「ストイック」なものなのです。
研究とは「毎日毎日」、日々の実践なのです。
対照的に「ムラ」がある大学院生は非効率な作業に堕していきます。
1週間前にガガガと徹夜をして、そっからしばらくブランクがあいて、またゼミ前に徹夜というのでは、その間にすべてを忘れてしまうのです。
自分の研究上の問いにいかに連続して向き合い続けることができるか、ということがもっとも重要なことだと僕は思います。
指導教員の観点からすれば、365日・1日最低3時間は、自分の研究に向き合って欲しい、と思います(レベルが低い時間数ですが、僕の領域は、社会人大学院生や仕事をしながら研究する人が圧倒的に多いので最低3時間というのはかなりのハードルになります)。
もちろん、かけた時間だけ、精緻な議論、論理が形成することができますし、リサーチクエスチョンも磨かれます。
毎日コツコツ3時間!
研究を進めるための「打ち出の小槌」や「魔法の杖」はありません。
いや、あるのかもしれないけれど、僕はしらない。
結局、「毎日毎日問いと向き合い続けることができるかどうか」それに尽きると僕は思います。
いや、3時間が仕事で難しいなら、2時間だっていいんです。毎日毎日コツコツと同じように問いに向き合って欲しいだけです。
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今日は、研究をすすめるヒントについて書きました。多くの大学院生の皆さんが、生産的でオリジナリティの高い研究ができることを願っています。そしてわたくしも前述の問い「よい研究をするためには何が必要か?」に答えるべく、さらにシコシコと自己研鑽を積みたいと思います。
そして人生はつづく
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