2014.12.10 06:26/ Jun
先だって、とある研究会で、指導大学院生の田中聡さん(中原研M1)がおっしゃっていたひと言が、妙に?印象に残っています。
曰く、
「ハイパフォーマー」とは「やりたい仕事につけた人」ではなく、「与えられた仕事」に、自分なりの「意味」をみいだし「成果を出した人」のこというのではないでしょうか?
今、ここ数ヶ月、あるプロジェクトで、いわゆるハイパフォーマーの方々に、連続的にヒアリングを行わせて頂いているのですが、そこで彼らと相対し、話を伺っていると、田中さんがおっしゃっていたのと、同じような実感をもったのです。
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まず大切なことは、アタリマエだのクラッカーですが?、
ハイパフォーマーは「現在、必ずしも自分のやりたい仕事」をしているわけではない
ということです。
ハイパフォーマーは、「現在の仕事」が必ずしも「やりたいこと」ではないけれど、しかし、それでいて「ハイパフォーマー」なのです。
逆にいうと、「職業へのマッチング」が「良好」であるから、彼らのモティベーションが喚起され、ハイパフォーマーであるわけではありません。
モティベーションの観点から理想的には、その人にあった仕事を、個別化して割り当てることができたらいいのかもしれませんが、リアルワールドはそんなに「甘く」ありません。
「割り当てられる仕事」はおろか、「割り当てる上司」すらも「一筋縄じゃいかない」なんてことは、「日常ちゃはんじ」です(笑)。
もし、これから社会にでる方に、その状況を説明するのならば、まさにこんな感じですね。
「君たちは社会に出て、良き職場や良き上司に恵まれて、社会生活を送るかもしれない。しかし、多くの場合はそうではない。有能だとは思えない上司。自分にあわない仕事内容。さて、どうする? 本当に”かしこい”というのは、そこから始まるのだ」
(甲田和衛氏の言葉「生涯学習と自己実現」より引用)
しかし、ハイパフォーマーは、そんな「リアルワールド」であっても、「やりたいこと」を失っていません。
自分たちのやりたいこと、めざすことは「あって」、それをひそかに抱き続け、一方で自分に与えられた仕事との「折り合い」をつけ、今を「意味づけ(Sense-making)」しながら生き、努力している、といったら言い過ぎでしょうか。
ここで「意味づけ」と書いたところは、かなり大きなところであるように感じます。そもそも、ハイパフォーマーは「意味づけ力」が高いのです。
(意味づけ力とかいって、なんでもかんでも、「りょく」を捏造するな、と言われそうですね。なんでも後に「りょく」をつけると、いくらでも、それっぽくて、能力がつくれちゃいますね。ビジネス書のタイトルは、ほぼこれでつくられています。それにしても、社会には、いろんな能力が必要ですね。社会人なんとか力とかいうのも提唱されているようですが、僕にしてみれば、あまりリアルではないですね。むしろ、「とんでもない仕事が振ってきて、死んだふり力」とかね。「機嫌悪い上司のいうことは、とりあえず聞いておいて、スルー力」とか、そういう「能力?」の方が必要な気が・・・。皆さんも、能力つくってみてください)
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ちょっと前になりますが、ある就活生が、僕のところにやってきて、こう言いました。
先生、就活とかの面接で「将来、やりたいことは、何ですか? 今、そのために何をしてますか?」と聞かれる意味って、そもそも、何ですか? だって、配属だって、異動だって、これからわかんないのに「やりたいこと」が叶えられるわけないじゃないですか?
おっしゃるとおり「ロジカルにはそうだねぇ・・・」と思いつつも、一方で、先ほどのハイパフォーマーのことを思い出してしまいました。
企業にとって採用活動とは、経営にとって資する人材を外部市場から獲得することです。そして、現在の日本の人事管理の慣行では、配属がどこになるかは、たしかにわからないことの多いものです。
しかし、配属はわからないけれど、「やりたいことはなんですか?」と聞く理由は、学生の「意味づけ力」を問うているのかな、とも感じます。
たしかに「将来、やりたいこと」は今すぐに叶わないかもしれない。しかし、それでも、それを抱きつつ、今やるべきことを「意味づけられる」のかどうか。すなわち、ハイパフォーマーの潜在力が、意味づけという観点から存在しているのかどうか。
妄想力たっぷりの仮説ですが、学生の問いに「ロジカルにはそうだねぇ」と答えながら、僕は、そんなことを考えていました。
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今日は「意味づけ力」という観点からハイパフォーマーとは何かを考えていました。もちろん、人は「意味」だけ食って生きているわけではありませんので、それだけで、ハイパフォーマーを説明することは難しいことは言うまでもないことです。
あなたの組織のハイパフォーマーとは、どんな人ですか?
そして人生は続く
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