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2013.3.21 06:06/ Jun

グループワークやディスカッションを破壊する9人の困った人々:聞かず屋・評価屋・目立ち屋・否定屋・断言屋・携帯屋・あさって屋・詳細屋・意図読み屋

 ここ最近、僕が進めている研究プロジェクトの中に「企業・組織の研修開発・実施の現場で、実務家が、どのような実践知を発揮しているのか?」「”企業で働く成人”に対して”教える”とはどういう経営的実践・組織的実践・政治的実践なのか?」を探究するものがあります。
 研究プロジェクトは、暗中模索、五里霧中、四面楚歌?という感じなのですが、このリサーチクエスチョンにこたえるべく、敢えて、いったん「理論」という「色眼鏡」を捨てて、ただひたすらに、現場に足をむけ、かつ、現場の実務家の方々の話を伺っている最中です(お忙しい中、御協力いただいていた皆様には、心より御礼申し上げます。ありがとうございます)
 ▼
 ところで、実務現場の話を、ある程度の量、ただ、ひたすらにうかがっていると、面白いことに、どの現場にも共通するような「課題のカテゴリー」が浮かび上がってきます。研修開発のあらゆるプロセスにおいて、「共通の課題」が浮かび上がってくるのです。そして、こういう「共通の課題カテゴリー」は、「ひとりの問題」ではなく、「みんなの問題」です。これに対する対処ストラテジーを、著書では明らかにしたいと考えています。
「共通の課題カテゴリー」に関して、たとえば、ひとつ例を出してみることにしましょう。
 例えば、近年、研修やワークショップなどで、グループワークやグループディスカッションなどを行うことも少なくないと思うのですが(むしろ、コモディティティ化しつつあるといってもいいかもしれません)、それが「できない人のパターン」は(ただしくはグループワークなどが局所的にブレークダウンするパターン・・・この記事では、敢えてわかりやすくするために、擬人化してお伝えします)、下記のような9つのカテゴリーで把握できます(今のところはね・・・)。
 皆さんのお近くにも、下記のような「グループワークができない9人の人々」がいませんか? あるいは、グループワークやディスカッションを木っ端ミジンコ?に破壊する困った9人の人々?
 1)聞かず屋
  ・とにかく人の話が聞けない
  ・聞いているようで全く聞いてない
 2)評価屋
  ・誰にも求められてもいないのに、グループメンバー
   ないしは、その発言を、その場で「評価」してしまう
  ・「それ違うね」「ま、正しいと思うよ」と言ってしまう
 3)目立ち屋
  ・とにかく自分を「ビック」に見せようといきり立つ
  ・いつも「前面」にでてくる、前にたってる
  ・とにかく声がでかい、信じられないほど声が通る
 4)否定屋
  ・敢えて、ネガティブなことを口にして、人を巻き込み
   グループを崩壊に持ち込む
  ・この場の存在意義を根底から「ちゃぶ台がえし」する
   星一徹的キャラ
  ・パワーが低いときは「すね屋」ともいう
   いつも「すね」たり、斜に構えている
 5)断言屋
  ・他人が何を言っても、必ず「断言」でかえす
  ・自分の意見はすべてが「断言」である
  ・全く「議論」や「対話」の余地がない
 6)携帯屋
  ・いつも「携帯」を気にしている
  ・グループワークの時間に「RT」やら「いいねボタン」を
   押しはじめる
 7)あさって屋
  ・議題やコンテンツと、常に違うことを口にする。
  ・常に「口に出す話題のベクトル」がズレており、
  「あさって」である
 8)詳細屋
  ・ルールを徹底することにやたらと細かい
  ・臨機応変をもっとも嫌うので、なかなかグループワーク
   が進まない
 9)意図読み屋
  ・ファシリテータ側の意図を、常に、先読みしてくる
  ・こちら側の度量や力量を、常に「試し」てくる、別名「試し屋」
 いかがでしょうか?
「オマエ、貴重な時間を使って、こんなしょーもないことを探っているのか」
 と呆れられた方もいらっしゃるのかもしれませんが、
 「まー、そうといえば、そうだね」
 「そうでないといえば、そうでない、おしいね」(笑)。
 実際には、研修開発は、グループワークやグループディスカッションだけから構成されているわけではありませんね。探究するべき課題は、もっと広い。また、こと、この問題に関して言えば、こういう「人」を明かにしているのではなく、研修の場面で頻出するブレークダウンの場面のパターンと、それに出くわしたときの対処ストラテジーを明らかにしています。ま、今日は敢えてね、それをおもしろおかしく「屋」と呼んじゃいましたけど(笑)。
 さて、閑話休題。
 ところで、皆さんの周囲には「聞かず屋」「評価屋」「目立ち屋」「否定屋」「断言屋」「携帯屋」「あさって屋」「詳細屋」「意図読み屋」はいらっしゃいませんでしょうか? 皆さんは、彼らに出くわしたことはありますか? そのとき、どういう対処をなさいましたか? またTwitterやらFacebookやらで、ご意見をお聞かせ下さいね。
 もちろん、中には「これらのカテゴリーのすべてをかねそろえている」、「スーパーサイヤ人なみの破壊力をもったコマンダー」、ないしは「ダースベーダー級のデストロイヤー」もいらっしゃるかもしれませんね(笑)。
 そうだとしたら、ご愁傷様です。
 世の中、そんなに悪いことばかりぢゃないよ(笑)
 心中お察し申します。アーメン。
 実際には、人々は、こういう困った事態を、いかに乗り越えるのか。乗り越えられるのだとしたら、どのように智慧をしぼって、乗り越えるのか。乗り越えないのだとすると、何を諦め、何を意思決定するのか。
 こういうブレークダウンのパターンが生まれないように、最低限、どのような準備をすすめることができるのか。事前には何ができるのか。インタラクションをリードするキーマンをどのように見抜くのか。いかにルールを諒解してもらうのか。まことに「組織の中の成人」というものは、大変な存在ですね。無色透明、価値中立の場なんて存在しない。
 しかし、ここが、実務家の智慧がいかんなく発揮されるところだと思っています。
 いまだ、どういうかたちでまとめられるのか、出口は見えませんが、もう少し問いを大切に探究を進めてみたいと思っています。
 そして人生は続く
 —
追伸.
 先日、募集を行った経営学習研究所のイベント「多様な社員を”講師”に育てる仕組み  社内募集からデビューまで : 研修開発・内製化プロセスの探究」ですが、本日、当落メールをおおくりさせていただく予定です。
 今回のイベントは、4月1日まで募集を行う予定でしたが、申し込みから12時間で、すでに200名を超える応募をいただきましたので、急遽応募期間を短縮させていただくことにいたしました。3月12日から3月14日の期間に360名の方々からご応募をいただき、抽選のもと、240名の方々に当選メールをおくらせていただきます。
 本来ならば、もっと多くの方々にご参加頂きたいのですが、会場等の都合で、このような対処をとらざるを笑ませんことを、心よりお詫びいたします。申し訳御座いません。
 当選なさった方は、当日、会場にてお会いしましょう!
 お会いできますこと愉しみにしております。
多様な社員を”講師”に育てる仕組み  社内募集からデビューまで : 研修開発・内製化プロセスの探究
http://www.nakahara-lab.net/blog/2013/03/post_1975.html

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