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2013.2.21 09:05/ Jun

“ラオウ”みたいなマネジャーになれ!:上司によるリーダーシップ開発とラオウ再生産理論!?

 人材開発の領域においては、「将来の若手リーダーは、上の世代のリーダーがつくるのだ」という言説が盛んです。
 また「上の世代からの薫陶は、能力開発の20%をしめる」という議論もあります。もちろん、それは「間違い」ではありません。
 ただし、ここには、一定の「注意」が必要なこと、全く無視できないリスクがひそんでいることも、また事実です。
 今日は、いわゆる「上司によるリーダーシップ開発」の有効性を認めながらも、そこにひそむ留意点についてお話ししましょう。
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 ここで勘案しなければならない留意点、ないしは、リスクとは「継承される価値とは何か」という問題と「継承したものの時代適合性」です。
 別の言葉で申し上げますと、上の世代のリーダーから、「どういうものを伝達・継承され、それは本当に、現代という時代にふさわしいものか、どうかを、そのつどそのつど吟味していく必要がある」ということです。
 つまり「上司の薫陶によるリーダーシップ開発」には、「時代にあわないものや価値」を「伝達」されるないしは、「それって、上(あなた)のキャラじゃないの、普遍的に役立つことなの?」といったようなものを「薫陶」される可能性もゼロではないということになりますね。
  ▼
 先日、ある業界の若手マネジャーの方と愉しくお話ししていたら、その方が、ボソッとこうおっしゃったのが、この言葉です。非常に印象的でありましたので、ここでもご紹介します。下記、一字一句を再現できているわけではないですが、そのマネジャーの方は、こんなお話をしていました(愉しかったです!ありがとうございました!)。
Aさん「(僕は、マネジャーになったとき)、上の人から、おまえ、”ラオウ”になれって、言われたんですよ。」
中原「”ラオウ”って、北斗の拳の最強キャラですよね。まわりのものは、すべてなぎ倒し、聞く耳をもたず、己の意を力ずくで通すという。ラオウになれっていうのは、恐怖・ゴリゴリ・弱肉強食マネジメントってことですか?」
Aさん「そうですね。でも、それは僕には無理だし、それが良いマネジメントとも思えませんでした」
 ラオウマネジメントとは、すなわち、こういうことです(笑)。その刃が、組織外の「競合」を向いているのならいいのですが、組織内、職場内に向いたとしたら、さぁ、大変。
 マンガ「北斗の拳」でラオウは、いいます。
 世に覇者はひとり!
 うぬは、死兆星を見たか? 
 そうか、見たか。
 それならば、今や、天を目指すオレの拳!
 とくとみせてやるわ! オラオラオラオラオラ!
ラオウはこんな人(画像がでます)
http://ow.ly/hTZe9
 ▼
 僕は、ここで”ラオウ的マネコメント”の功罪を述べたいわけではありません。それは適合する職場もあれば、そうでない職場もあるんでしょう。ひとことでいえば、それはケースバイケースかもしれません。
 でも、大切なことは、
 ”ラオウ”は”ラオウ”を再生産する傾向がある(ふたたびつくりだす)
 ということであり、
 万が一、
 ”ラオウ的マネジメント”が、現在の組織・職場・外部環境・営業スタイルにあわなかった場合は、上の世代から「世の中の変化にあわないもの」を「伝達」「継承」される、ということなのです。
 この方の場合は、様々な事柄がご検討のうえ、”自らがラオウ的マネジャーになること”は、違和感を感じたといいます。
 ▼
 今日は「ラオウ再生産理論」のお話をしました(!?)。
 先ほども述べましたように、人材育成の言説空間においては、
「リーダーがリーダーをつくる」
「上司の薫陶によって、リーダーになる」
 が支配的な考え方です。しかし、このような言説においては、本日お話した「一定のリスク」も勘案していくことが、僕は大切ではないか、と思います。
 もちろん、多くの若い世代に対する多くの伝承は、まるで「パイプ」の中を「モノ」が流れるように、上から下に流れるわけではありません。
 下の世代は、下の世代なりに上の世代の「見るべきところは見ており」、また「反面教師とするところは反面教師」とします。また「学べるところは、また学んでいるはず」です。そういう点では、今日のお話は、やや取り越し苦労なのかもしれません。
 
 しかし、そうはいっても「リーダーがリーダーをつくる」「上司の薫陶によって、リーダーになる」という言説の影響力は甚大です。
 これらを手放し、かつ、無反省に受け入れると、望ましくないものが再生産されたり、ひいては、それが組織の環境適合にとって、望ましくない影響を与えたりすることも「ゼロではない」から、ちょっぴり「注意」が必要なのかもしれません。
 そして人生は続く

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