2013.1.30 06:57/ Jun
僕がふだんからよく考えていることのひとつに「コピペ可能性」というものがあります。敢えて難しくいえば「模倣可能性」なんでしょうけど、それだと学者っぽいので、あくまで「コピペ可能性」(笑)。それらが同義かどうかは、僕は知りません。
「コピペ可能性」とは、要するに、「ある対象物」がクリックひとつのような簡単な動作で「コピペできるもの(模倣)」なのか「コピペできないもの」なのかを考える、ということです。
世界にはいろんなものがありますよね。それらを「コピペ可能性」というレンズを通してみると、世の中は、なかなか面白く見えてくることが、ごくごくたまにあります。
こんなことを考えていても、将来が開けるとは1ミリも思いませんが、皆さん、暇だったら、やってみてください。
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例えば、最近ですと、僕が、コピペ可能性のレンズをもって、しめしめと観察しているのが、家の近くのスポーツクラブです。
家の近くにスポーツクラブ(フィットネスジム)が複数あって(4つくらいはある?)、訳あって、家族が違うスポーツクラブに通っている我が家では、当然のことながら、それぞれの「経営戦略の違い」を目の当たりにします。
当然のことながら、僕は「スポーツクラブ経営」は本当に門外漢なので知りませんし、たぶん、将来的にもそれにかかわることや専門とすることはないと思いますので、以下は、無責任に言い放ちます。
ハタから見ていて面白いな、と思うのは、スポーツクラブにとって、最大のウリであるはずの「施設・マシンの新しさ」は、ごくごく短い時期には、「競争優位」につながりますが、長期的に見れば、それがともすれば「足かせ」になりえる、ということです。
つまり、建てたばかりや、改装したばかりのスポーツクラブでは、「施設・マシンが新しい」ので、それを「目当て」にしたお客さんが、たくさん集まってきます。
しかし、数年たって、周囲のスポーツクラブが改装したり、あるいは、新規で新たなスポーツクラブが立ち上がったりしますと、当然のことながら「後にできたジムの方」が、施設もマシンも魅力的で「新しい」のです。
テレビが大きかったり、iPhoneを接続できたり、ランニングしながら人生相談ができたりする(笑)
ある時期まで集客に貢献し「競争優位」を導いていたはずの「資産」が、年をへると、今度は他店との比較対象になり、ひいては「足かせ」になりかねない。
もちろん、頻繁に改装を行えれば、それにこしたことはないのですが、改装時はお客さんに迷惑をかけますし、また、そんなにコストをかけられません。
かくして競争は激化します。値下げ合戦がはじまり、既存顧客の獲得競争がはじまります。
これでもか、これでもか、という風に、毎月毎月、新たなキャンペーンが組まれます。
「いつもキャンペーンやってませんか? キャンペーンじゃない時はあるんですかいの?」
と聞き返したくなるような状況が生まれます。地域内大競争時代のはじまりです。お客さんは右往左往します。
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そうした数多くの取り組みの中で、僕が最近興味深く、「星ひゅうまのねぇちゃん」のように、密かに見ているのは、スポーツクラブMの行っている取り組み(戦略)です。
(全く似てない・・・すんません、おかしいな、こんなハズじゃ。。。えっ、こんな絵、描ける時間あるんだったら、暇だろって? いや、暇じゃないんですけどね・・・今日のブログ、字ばっかりでしょう。どうしても、ワンポイントを描きたくて、つい)
Mでは、数年前から、徹底的にスポーツクラブに通っている人を、クラブ内「コミュニティ」、クラブ内「イベント」に誘い込み、「アトム化している個」を結びつけ、「クラブ員同志のつながり」を発達させようとしている(ように見えます)。
若手は若手同志の、ちょっと婚活はいったコミュニティ。
最大の顧客であるシニア層には、男女ごと、あるいは男女混合の、様々な目的に応じたコミュニティ。
ちょっとイケてるオヤジたちは、ヒップホップを踊るコミュニティ(小生は一度、ヒップホップにチャレンジして、腰がモゲるかと思いました)。
ヨガをやっている綺麗なおねえさんたちは、綺麗とエコをめざすコミュニティ。
勉強会やら、山登り会やら、ダンスイベントやら、ありとあらゆる、各種様々なイベントを通して「人のつながり」を構築しようとしている(ように見えます)。
ハタから見ていて、勝手に意味づけして恐縮なのですけれども、Mを見ていると、スポーツクラブとは
「スポーツのための施設提供を行う場所」
というだけでなく、
「スポーツをネタにした人のつながりがある場所」
という風に、事業定義を変えているようにも見えます。
たぶん、ねらっているのは、勝手気ままに横から想像するに、こういうことだと思うのです。
こうしたところで、いったん、人のつながりができてしまえば、それはなかなか解除されにくい。退化までには、それなりの時間がかかる(人も年をとりますので、つながりとて、永久ではありません)。その間、顧客を引き留めておける、と。
だって、「新しい施設・マシンができたからといって、自分だけ一抜けて、コミュニティを飛び出す人」はなかなかいないわけです。ゼロとはいわんが、何にもしないよりは、少なくなることが予想されるでしょう。
また、「なんか、最近、ジム辞めようと思って」という途中離脱も、ある程度は抑止できる。「あの人たちとのつながりが消えちゃうから、やっぱり、まだ続けよう」と考えるのではないか、と思います。ゼロになるとは言いませんが。
また、最大の特徴は、「人のつながり」が、「ふんとこ、どっこいしょ」という具合に、簡単には「模倣されにくいこと」なのでしゃないでしょうか。
つまり「コピペされにくい」ことですね。こっちにコミュニティができたからといって、あっちに、CTRL+C と CTRL + Vで、そのまま移動させたり、複製するということはできません。つまり、それは比較的長期にわたる「経営資源」になる。これが今日のテーマであり、まことに興味深いことです。
もちろん、一口に、「コミュニティ・つながりをつくる」といいますけれど、そのための努力は、大変なものなのだろうな、と推察します。
土曜日・日曜日に、ジジババ30人連れて山を登る、ということは、誰かが、それを連れて行かなければならないわけですから(笑)。そら、えらいことやで。
もちろん、今日の話の真偽のほど、また、それが業界にとって新しいのかどうかは知りません。だって、ハタで見ているだけだから(笑)。
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今日は、スポーツクラブのお話になりました。競争激化するスポクラ業界において、競争優位を導くものとは何なのか。それを勝手気ままに横からのぞいて「コピペ可能性」というレンズを用いてみると、「人のつながりをつくる」ということも、そのひとつなのかな、ということがわかってきました。
今日はスポーツクラブの話でしたけど、このことは、何もスポクラ業界だけでなく、いろんなところで考え得ることなのかな、とも思います。
例えば、個人の生き方やキャリア選択を考える上でも、「コピペできないもの」「コピペできるもの」という視点をもってすると、興味深いことがわかってくるかもしれません。このことはまた詳しく論じたいですが、僕に残された時間は、あと4分です(カミサンとTAKUZOをおこさなくてはなりません・・・)
「コピペが簡単にできる時代」ほど、「コピペできないもの」が意味を持つ —
そういう時代を私たちは、生きています。
そして、「コピペ可能性」のレンズを使って、世の中を見つめてみると、これまでは何の気なしに見えていたものが、実は「スマートにデザインされていたもの」であることも、ままあるから面白いものです。
そして人生は続く
ーーー
追伸.
スポーツクラブには、小生、よく行きます。お恥ずかしい話なのですけれども、「腰痛は痛い」は、「肩こりはこってる」は、「腕があがらない」は、「肩胛骨は言うこときいてくれない」は、小生、ひそかに、ボロボロなのです。何とか、運動して、コリをほぐす。地道にやってます。
ちなみに、この「アンヘルシーな小生の身体」を生み出している原因は「仕事で使うパソコン」です。どうしても、体がゆがみ、コリがうまれ、コチコチになってしまいます。
誰か「ヘルシーなパソコン」を開発して下さい。どうか、御願いします。絶対、僕、買うよ。
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