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2012.12.25 09:32/ Jun

森の中、子どもは遊び、親も遊ぶ : KEEP自然学校「森のようちえん」に行ってきた

 この三連休は、山梨県・清里にあるKEEP自然学校の「森のようちえん」に家族で参加していました。
 僕は保育は専門外なので、詳細はわかりませんが、「森のようちえん」は、「北欧ではじまった野外の保育活動」だそうです。日本でも、ここKEEP以外でも、多くの街で、同様の取り組みがなされているそうです。
PC220012.JPG
KEEP自然学校
http://www.keep.or.jp/ja/shizen_school/
  ▼
 KEEP自然学校の「森のようちえん」は、子どもと大人は別々に過ごします。
 子どもは、森でソリ遊びや探検をしたり、薪をきったり、雪合戦をしたり、ミニかまくらをつくったり、外で絵本を読んだり・・・まぁまぁ、一日中遊びに遊んで、ここまでやるか、というほど派手にドロンコになって帰ってきます。まぁま、恐れいったわ。
kodomo_sori.jpg
 一方、大人の方は、かまくらをつくったり、オーブンで料理をつくったり、ハイキングにでかけたり、ホットワインを飲んだりします。いろいろなプログラムがありますが、参加は基本的には任意です。
PC220059.JPG
 最終日には、たき火をたいて、「大人のクリスマスの絵本」を読むというのもやりました。
 クリスマスということもあるのでしょうか、まわりは暗く、炎がともっているというせいもあるのでしょう。いつもの雰囲気とは異なり、興味深いです。
night_fire.JPG
 子どもたちが寝静まった夜10時には、その日一日、子ども達が体験したことを、写真で様子を教えていただけます。親30名くらいが、一室にあつまり、我が子の意外な側面を知り、スライドショーを通した語りに耳を方向けます。
 実は、子どもたちのツアーには、プロのカメラマンの篠木真さんと、小西貴士さんが、カメラを携えて、一日中子どもと遊びながら、写真をとり続けられているのですね。いわゆる「ドキュメンテーション(記録)」です。
 今回のスライドショーの中には、我が息子TAKUZOの「意外な側面」も含まれていて、なかなか興味深いことでした。スライドショーで用いた写真は、希望者には実費で、後日、DVDでおおくりいただけるそうです。
「自分の子どもが、子ども達の中で、どのように過ごしているのか」・・・意外に親は、それを知らないものですね。実際のスライドショー・写真のイメージは、下記のブログや書籍をご覧下さい。
  
小西貴士さんのブログ
http://ameblo.jp/gorilla-tarou/
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 かくして、愉しかった3日間は、あっという間に終わりました。最後に、TAKUZOは、小西さんに帰り際に手にマジックで、「おまじないのマーク」を書いてもらいました。
写真(6).JPG
 小西さん曰く
「今日の夜、おうちのお風呂に入って、手をゴシゴシ洗ってみて。これが消えたら、また逢えるからね」
写真(9).JPG
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 夜、「手にあったおまじない」は消えました。
 また行くからね。
 最後になりますが、KEEP自然学校でお世話になった皆様、本当にありがとうございました。素敵な3日間のクリスマスプレゼントに感謝いたします。
(ちなみに自然学校の食事は有機のものだけを使用なさっているので、最高です! いつもここにくるたびに、僕は体重が増えて帰ってきてしまうのです。それは悩みかもしれません)
 —
追伸.
 僕は保育は門外漢ですが、個人的に興味深かったことがいくつかあります。
 まず、ひとつめ。
 それは、スライドショーでの語りが、小西さんをファシリテータとして、黒田さん、篠木眞さん、里恵さんご夫妻ら4名によって、行われていたことです。
 それぞれの方々が、「自分の見た子どもの出来事」を語っていること。そして、「誰が、どの子どもの物語を知っているか」を、それぞれの方々が知っていることが印象的でした。素晴らしいチームなのだな、と思いましたし、興味深いのは、そうした自然発生的で、即興的で、協働的な保育ができるようになるプロセスとは、どんなものなんだろうな、と考えていました。
 ふたつめ。
 今回の「森のようちえん」でのプログラムが、「子どもの時間」と「大人の時間」が、時に離れ、時に出会い、時に交差しながら、進んでいくことです。二つのストリームが、出会っては離れ、離れては出会うような感じで、ダイナミックな感じがしました。
 みっつめ。
 それは、時折、自然学校の皆さんが読んでくれる絵本が、時節はもちろんのこと、そのときどきの状況、子どもの体験に近いものをお選びになっておられたことです。
 プログラム全体も、インプロヴィゼーションで進むところが多いのですが(なにせ自然・天候は先が読めない)、こうしたかたちで、「コンテクストにゆるく関連して読まれる絵本」というのは、素敵なものだな、と思いました。
 いずれにしても、素晴らしい時間をありがとうございました。
写真(8).JPG
 そして人生は続く

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