2012.11.17 13:37/ Jun
先日、ある大学で、近々開催されるイベントの最終打ち合わせをしていたとき、ある方がおっしゃった、ほんのひと言が、印象的でした。
その方は、このイベントで汗を流す大学生たちに、「受付の仕事」を任せるとき、彼らに、こうおっしゃいました。
「受付をやるんじゃなくて、受付をデザインしてください」
このワンセンテンスは、何気ないひと言で、おそらくおっしゃったご本人も意識にのぼっていないかもしれませんが、とても僕の印象に残っています。
といいますのは、これに類することは、僕も常日頃から、若い方々に言っていることなのです。
「仕事」は「こなす」ことは避けよう。
どんなに些細なことであっても「やらなければならない仕事」の中に、自分だけが知っている「プチ実験」をつくったほうがいいよ。
ほんのささやかなことであっても「結果が見えないこと」を仕込もう。そして、結果を愉しもう。
「仕事をこなす」だけでは、能力やキャリアは伸びない。「結果が見えないこと」をつくってこそ、仕事上の成長がある。
文字にしてみると、ものすごく説教臭くて恐縮で、「穴」があったら、ガシガシ掘って入って、こたつでも持ち込んで、みかんを食べたいくらいですが(笑)、いつの頃からか、こういうことを思うようになってきました。
それは僕自身が、次第にミドルと言われるようになったからかもしれませんし、自分自身の研究 – 経営学習論の研究を積み重ねるに従って、「信念」のようなものとしてかたちづくられたものかもしれません。
もちろん、すべての仕事に「プチ実験」ができるわけではないかもしれない。ほんとうに「ぺんぺん草もはえないような仕事」もあるかもしれない。
でも、できることなら、ほんの少しでも、その余地を見つけようとしてほしい。「差」はわずかです。でも、こうしたことの些細な積み重ねが「その後の分かれ道」をつくる、と信じて。
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先の話に引き戻してお話ししますと、学生さんたちが「受付」を「タスク」ととらえるならば、それを大過なくやりとげることが目的と成る。
そうではなく、「受付」を「創造的な対象」ととらえるならば、そこには「コンセプト」が必要になり「自らデザインしうる」ものになる。
大切なのは仕事をどのように「見なすか」ということです。そして、その際には、自分の仕事をつねに「上流」に位置づける努力が実は、大切なのではないか、と思うのです。
もちろん、そこで思いつくことは、ささいなコンセプトかもしれないし、デザインしうる部分は、ほんのわずかかもしれない。
でも、一瞬でもいいから「受付とは何か」を考え、「従来の受付にはない工夫」の余地とはなにかを考えることができるかもしれない。それは、先ほどの言葉を使うのなら、「結果が見えないこと」であり「プチ実験」ともいえるのです。
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今日の話は、裏返して考えることもできます。
もし万が一、あなたが人材育成や人材開発の担当者であったら、能力やキャリアを伸ばしたいと思う人に「仕事をデザインさせること」「仕事のなかでプチ実験をすること」を、いかに理解させ、いかに早い段階で「習慣化」させるか、ということです。
現在の職場は多忙化しているし、とてもそんな余力はない、とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。様々な外的環境の厳しさは、よくよく重々承知しています。
でも、おそらく、それしかないと思います。
あとは「意志決定」の問題だけが残ります。
そして人生は続く。
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■2012/11/16 Twitter
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