2012.10.24 08:06/ Jun
ちょっと前といっても、かなり前のことになりますが、ある学部生の皆さんたちのインタビューを受けました。
テーマは、
「大学時代、学生時代をどのように過ごせばよいのか」
ということだそうです。
今から十数年前、学部1年生・2年生にかけて「学ぶ意欲」をすっかり失い、大学の教室から逃走し、「シオシオのパー」だったワタクシメに、それを聞きますか(笑)?
このインタビュー、全く僕は「適任」ではないと思いましたが、たとえ小生のようなシオシオのパーでも、その後の奮闘によって、なんとか復活できるから大丈夫だよ、と自信をもってもらいたかったのと、あまりにも目をキラキラさせている皆さんを前にして、あまりに申し訳なく思い、いくつかのアドバイスを、偉そうにならない程度、控えめにしました。
(「いい大人」の中には、学部生に対して、ついつい「上から目線」になってしまう人がいるように思います・・・自戒をこめて。そういうのをハタから見ておりますと、本当に、たまに、気を失いそうになることがあります。その、あまりの「上から目線」っぷりにね・・・自戒をこめて)
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僕がしたアドバイスはいくつかあったのですが、自分としてもっとも自信があるのは、これです。
大学時代に、多くの学生さんがおこなうアルバイト。もちろん、大学時代は勉強する時間を確保した方がいいのは、言うまでもないのですが、多くのみなさんが、アルバイトとかもするでしょう。かくいう僕も、カネがなかった(笑)。今から考えれば、たくさんのアルバイトをしてきました。
でも、大学生の皆さんが行うアルバイトの中には、僕は、2種類のアルバイトがあるように思うのです。
ひとつめは「自分の経験を伸ばすアルバイト」。
ふたつめは「自分の経験を消費するアルバイト」。
どうせなら、たとえ、そんなにカネにならなかったとしても、後者「自分の経験を消費するアルバイト」よりも、前者「自分の経験を伸ばすアルバイト」をやりたいよね、と、今になっては思います。
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つまり、こういうことです。
具体的な職種や業種をあげるとややこしいので、やや抽象的に話しますが、前者の「自分の経験を伸ばすアルバイト」とは、「社会人になって必要になるスキルを伸ばすことができ、かつ、教育世界から職業世界への移行時に、そんじゃそこらの他人にはない貴重な経験として他者に語りうるアルバイト」をさします。
自分の経験値を伸ばす、ということもあるかもしれませんが、同時に、それは「Talkability(他人が興味をもち話題になりやすい)」が高く、他者が興味を持ちそうな世界であります。
対して「自分の経験を消費するアルバイト」とは、「高校までに培った自分のこれまでのスキル・経験をもとにしてできるアルバイトではあるけれど、”新たな挑戦”はさしてふくまず、かつ、他の人との差異化がなかなか難しいアルバイト」をいいます。誰もがそのアルバイトの実状を知っていて、予想がつき、多くの人々が実施している世界です。
(実は、上記の定義には二軸の要素がはいっていますが、話を単純にするため、以下、ざっくりとお話しします)
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たとえば、僕もたくさんのアルバイトをしてきましたが、あくまで僕にとっては、家庭教師は後者の「自分の経験を消費するアルバイト」でした(人によって、家庭教師が経験を伸ばすアルバイトになりうることはあると思います)。
それまでに培ってきた受験のテクニック、クソ度胸、自分の経験を「消費」して、お金に換えていた。しかし、このアルバイトによって、あらたに自分の経験値が伸びたとは、あまり思えません。それは、「かつての自分の経験」を「切り売り」したものでした。もちろん、仕事には熱心に取り組みましたが、これであらたに自分が一回り大きくなったとは、あまり思えないのです。ペイはよかったけれども・・・。
それに対して、僕は、後者のアルバイト「自分の経験を伸ばすアルバイト」もたくさんしました。むしろ、敢えて、自分と同じ大学に通っている学生が、なかなかやらないアルバイトを、やったような記憶もあります(結果として、その方が愉しかったから、そうなっちゃった、という話も大)。
その中には(ほとんどは今の仕事とは関係ないですが)、今の仕事に関係してくるものもあります。
たとえば、レイアウト、記事作成、Webプログラミング、家電量販店での接客、フォトレタッチ、データベースづくり・・・カ●キ町でのアルバイト経験。
(こう書くと、なんだ、ふつーじゃん、と聞こえるかもしれないけれど、あのね、ここで経験したストーリーをはなすと、悪いけど、長いよ・・・・)
もちろん、どんな仕事であっても、経験を「将来の糧」にかえることはできるんでしょう。
また、ある人にとっての前者のアルバイトは、他の人にとっての「後者」でもあることもあるでしょう。
そして、大学生の経済事情が予断を許さぬ状況に入っていくなか、たとえアルバイトであっても、なかなか選べない状況が生まれていることは想像にかたくありません。
しかし、もし自分にまだ選ぶ余地があったなら、「アルバイトを選ぶ」という非常にトリヴィアルで、日常的な瞬間でも、「将来のこと」「キャリアのこと」を考え得るのだ、と思うのです。
「将来のこと」「キャリアのこと」・・・と大上段にかまえなくても、そんなに深刻にならなくても、「自分の経験値があがるアルバイトってなんだべかね?」と考えることで、「挑戦のある、いままで知らない世界」に飛び込んでいけるような気もします。
(ちなみに、いくら「知らない世界に飛び込む」っていっても、「道義的に飛び込んではいけない世界」「人として飛び込んではいけない世界」には飛び込まないように!)
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嗚呼、ごめんなさい。今日は、やっぱり少し説教臭くなりました(笑)。まことに本当にすみません。学部生の皆さんには、でも、ちょっとだけ、こんなお話をしました、とさ。
ともかく、今を大切に生きて下さい(Seize the day!)
素晴らしい学生生活を!
そして人生は続く。
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