2012.8.4 23:11/ Jun
「他人に何かを教えなきゃならなくなったんだけど、どのように風に、他人を教えたらよいのか、さっぱりわからない。まず最初に考えるための、きっかけが欲しい」
こういう悩みをお持ちの方、いらっしゃるかもしれませんね。
例えば、ある日突然、上司に呼ばれてね。
ちょっと社内で新人に講師をしてくれないか?
ちょっと社外で顧客を相手にセミナーをしてくれないか?
とかね(笑)。
そういうのは突然やってくるんだ、ふってわいたように。
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もしそういう方がいらっしゃるのだとしたら、少しだけ参考になるモデルがあります(Brasnford et al 2005, Darling-Hammond et al 2009)。
いわゆる「学びの四面体モデル」と呼ばれているモデルで、「教えるときの戦略」をたてるときに、ちょっぴり使えるものです。「答え」を出してくれるわけではありません。「考えるヒント」を提供してくれるものです。
四面体・・・確か、こんなんだったな。
ごめんなさい、うまくかけません、四面体に見えますか?(泣)。
このモデルが含意することは、要するに「学びのあり方≒教えのあり方」というのは、主に、「4つの要素」で、ある程度は、決まってしまいますよ。
だから、教えることの戦略をたてるときには、この4つを考えてみて下さいねー、ということですね。
もちろん、細かいことをいえば、このほかにいろいろ原則はありますよ。でも「20面体?」とかつくっても、誰も使えないでしょ。ていうか、僕、書けないよ。というわけで、特に重要なのは4つということですね。
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ストラテジーをたてるときに考慮にいれるべきひとつめの要素は、1)Nature of Content(学ぶべき内容の性質)です。これはそのものズバリ。どんな内容を学ぶのかですね。それはどのような性質の知識なのか。難しいのか、優しいのか。構造化されているのか、そうでないのか。
テキストなのか、それとも音声なのか、それは数字なのか、図なのか – こうしたModalityの問題も、この中に入ります。
ふたつめは2)Criterial Taskです。
これは少しややこしい。
要するに、「学んだことがどのように評価されるのか?」ということです。
たとえば、「あなたが教えたあとで、学習者が、その内容を記憶できていればOKなのか(単純なテストをするのか)」、それとも、「何かの行動を生み出したり、問題解決ができなければならないのか(実際に何かを実演させるのか)」ということですね。つまり「学ぶゴール」を先に知っておく必要があるということです。
みっつめは、3)Activity of Teaching and Learning。
これはいわゆる教え方ですね。レクチャー形式なのか、シミュレーションを行うのか、ワークショップスタイルにするのかなどなど。いろんなヴァリエーションをレパートリーとして持っていた方が、やはり有利でしょう。
最後は4)Charasterics of the Learner(学習者の性質)です。学習者の性質といっても、「あいつはイケメンだ」とか「なんか、あの人、優しそう」とか、いろいろ腐るほどあると思うのですが、特に重要なのは、どんな先行知識(すでにもっている経験や知識)をもっているか、です。このことをしっかり把握することが、とても大切です。
こう言ってしまうと身も蓋もないですが、
どんな人に対しても、
どんな状況でも使える、
唯一万能な「教え方」はない!
ということですね。
このモデルが(密かに)たぶん言いたいことは、そういうことで、4つの要素を考慮にいれて、ストラテジーをつくらなきゃならないよね、ということですね。
個人的に、特に重要で見落としがちと思うのは、2)と4)だと思います。
つまり、
「教えたあとで、結局、どういう風になっていて欲しいのか」
「教えた内容は、どのように評価されるのか」
そして、
「そもそも学習者は、何を知っていて、何を知らない人なのか?」「学習者は、これまで、関連する経験をしたことがあるのか、ないのか」
ですね。これらを見落としてしまうと、意外に「痛いこと」が多いような気がします。
というわけで、「結局、自分で考えなければならない」のですが(笑)、でも、最初の思考のとっかかりには使えるモデルだなぁ、と思います。
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