2012.2.26 10:42/ Jun
先日、三宅なほみ先生の科研会議がありました。この科研の先生方は、それぞれに素晴らしい知的探究をなさっている方々で、小生、あまり貢献ができていないのですが、せっかく、お声がけいただき、「研究の末席」に加えて頂きましたので、これを機会にいろんなことを「学ぼう」と、毎回、密かに会議を愉しみにしています。
ところで、先日の会議では、「コラボレーションとは何か?」ということが話題になりました。
静岡大学の大島先生、東京大学の三宅先生からの問題提起だったと思うのですが、「コラボレーションとは何か?」という質問を大学生に投げかけると、ほとんどの人々が「みんなが等しく貢献すること」と答えてしまうのだそうです。
少しだけ想像力をふくらまして考えてみると、「同じような能力をもった個人が、同じ目的をめざして、同じように貢献すること」がコラボレーションだと考えてしまいがち、だということです。ひと言でいうと、「みんな仲良く、力をあわせよう!」のイメージかもしれませんね。
もちろん、人生いろいろ、コラボレーションもいろいろですから、そういうコラボレーションだってあるんでしょう。
でも、会議では、「コラボレーションのイメージを変えないといけないね」、むしろ「実際のコラボレーションとはもっとダイナミックだよね」、という話で盛り上がっていました。
コラボレーションとは、むしろ、
多様な能力をもった人々が
それぞれの目的や思惑はもちつつ
それぞれの能力・思惑にしたがった「貢献」を行い
自分自身が変わること
と考えられるのではないか、という話がでていました。ちょっと僕の意訳が入っているかもしれませんが、非常に興味深いですね。
どちらの場合でも、コラボレーションというからには、組織・集団レベルの目標は達成するのです。でも、このふたつには、そのプロセスに違いがありそうです。
この考えには、僕も共感できます。なぜなら、「同じ能力・専門性」を持ち寄るのなら、コラボレーションする意味がないからです。むしろ、「自分とは異質な人々」と組んだり、巻き込んだりして、「独力では成し遂げられないこと」「独力ではなしとげられない付加価値をつくること」が、コラボレーションの醍醐味でしょう。
こうして考えてみると、コラボレーションとは、とっても「リスキー」で、「抜きさしならない」ものに見えてきませんか。おらおら、油断してると、刺されるぞ、みたいな(意味不明)。むしろ、それは、ジャズのインプロヴィゼーション(即興演奏)に近いですね。
「みんな仲良くモデル」と「インプロヴィゼーションモデル」
あなたにとって「コラボレーション」とは何ですか?
追伸.
この日は、文部科学省で開催された研究会で講演するため、科研会議を残念ながら中座させていただきました。研究会の方では、「経営学習論の観点から、初任教員の育成を考える」というテーマで2時間の講演+ディスカッションをさせていただきました。この話題は、また今度。
研究会では、局長・審議官の方々、若手官僚の方々から非常に鋭い質問を多々頂きました。ありがとうございました。会をオーガイズしていただいた国立教育政策研究所の千々布先生に感謝いたします。また、横浜市教育委員会の方、脇本君、吉村さんにも、この場を借りて御礼いたします。ありがとうございました。
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■2012/02/25 Twitter
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